昨日の敵は今日の友の巻・其の拾六

斜メ前田慶次「”天下無双の朱槍を伴に、斜メ前田慶次が岡崎見物に参ってそうろう~!”と叫ぶんだ。良いな」

 ここで拾丸が口を挟んだ。奇しくもその台詞は、四年前とほぼ同じであった。

拾丸「今さらですかい。確か仕官して4ヶ月は経っているような」
斜メ前田慶次「細けえことはいいんだよ」
百道安「・・・おい、待て。頼むからこれ以上・・・」
斜メ前田慶次「言うとおりにしなけりゃ、何度でもやらせるからな。回復を待って、何度でもやらせるからな」

 もし決められた台詞を言わなかったり、タイミングを誤ったりしたら、何度でもやり直させると慶次は言っている。道安は絶対に失敗できなくなった。これ以上ない生き恥をさらにかかなければならなくなるからだ。

百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「なあに。一回で成功させりゃあいいだけの話だ」
百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「自信を持て。お前ならできる。春日山のときも見事成功させたじゃねえか」

 道安は返事をせず、黙々と帯を解き、とうとう衆目の前にイチモツを露出させた。もはや抵抗する気力すらなくなっていたのだ。このとき群衆からは歓声やため息、笑い声、悲鳴など様々な音が漏れたが、道安の耳にはほぼ入っていなかった。イチモツを露出させた瞬間のことを、後に道安はこう語った。

百道安「何というか、全てを諦めて、感情・感覚が全くのフラットになっていて・・・何も目に入ってこなかったし、何も耳に入ってこなかった。こんなことは、今までの人生になかった。今でも不思議に思っている」

 また、岡崎に生まれ、岡崎の町家で何不自由なく育った、花盛りのある町娘は後にこう語っている。

町娘「あの人が下帯を外した瞬間に目を閉じたので、覚えてません。ですので、どんな気分だったなんて聞かれても・・・え!? 見てないです、本当に。ちょっとも見てないです。本当ですって。嘘なんかついてないですってば! ・・・え!? ですから! 気分なんて訊かれても困ります! 本当しつこいですね!」

 ・・・そして四半刻後。岡崎の群衆が見守る中、その瞬間はとうとう訪れた。

百道安「ハアッ・・・ハアッ・・・て・・・天下無双の朱槍を伴に・・・!」
斜メ前田慶次「・・・む! いよいよくるか!」
百道安「な・・・斜メ前田慶次が岡崎見物に参ってそうっ・・・ろっ・・・! ビクンビクン」

 道安は慶次の指図どおり、見事に果ててみせたのであった。

百道安「・・・ふっ・・・ふっ・・・ふううっ・・・」
斜メ前田慶次「・・・おい拾丸、こいつ本当にやり遂げやがったぞ・・・」
拾丸「あっしならまず起ちません・・・しかも春日山に続き、二回とも一発で成功させるとは・・・ある意味、脱帽ものです」
斜メ前田慶次「さすがに今回こそは途中で止めて、ひょうげ舞いをさせて勘弁してやろうかと思ってはいたんだが」
拾丸「!?」
斜メ前田慶次「あまりに一生懸命やるもんだから、つい、な・・・」
拾丸「以前にも言いましたけど、止めるなら早く止めてあげないと。あっしには、こいつにかけてやる言葉が見つかりません・・・」
斜メ前田慶次「馬鹿野郎、俺らが生きているのは何時代だと思っているんだ」
拾丸「へ!? そりゃ、言うまでもなく・・・」
斜メ前田慶次「だろう? だったら台詞はこれしかねえ。おい、道安」

 放心状態になっている道安の肩に優しく手をかけると、こう言ったものだ。

斜メ前田慶次「お見事です^^」

 その後、我に返った道安は泣いた。ひたすら泣いた。イチモツを隠すのも忘れ、ただひたすら泣き続けた。群衆が散開した後でも涙は止まらなかった。慶次と拾丸は動こうとしない道安をどうして良いかわからず、ひたすらもて余すこととなってしまった。

斜メ前田慶次「参ったな。このまま放って帰ってもいいんだが・・・」
拾丸「・・・え!? 今、放って帰ると仰いましたか!?」
斜メ前田慶次「こいつは俺の指示どおりに動いた。だから命だけは助けなきゃならねえ。こいつと約束したんだ」
拾丸「解放したら、またこいつは悪事を働きますよ! また罪のない人が大勢苦しむことになりますよ!」
斜メ前田慶次「とはいえ、斬ることはできん。困ったな。拾丸、何か良い知恵はないか」
拾丸「ここで提案なんですが・・・こいつを家臣に加えるってのはどうでしょう?」
斜メ前田慶次「お前は何を言っているんだ」
拾丸「あっしらが目を光らせている限り、こいつは悪事を働くことはできません」
斜メ前田慶次「こいつは百道安だぞ! こんな奴を家臣にだと!? 正気で言っているのか!?」
拾丸「こいつの犯罪被害者が多く生まれたのは、旦那がこいつを放っておいたからです。旦那にも責任の一端はあります」
斜メ前田慶次「・・・おいおい! 勘弁してくれよ!」
拾丸「こいつを更生させ、罪を償わせることは、旦那の義務です。いいですね」

 ・・・というわけで。

2017011901.jpg

 とりあえず家臣にしてみました。予定としては鎧鍛冶にするつもりです。いずれその汚れた手で、皆さんの装備を簡易修理することになるでしょう。それでは今日はこのへんで。
スポンサーサイト
Date: 2017.01.19
Category: 信on休止中
Comments (0)Trackbacks (0)

この記事へのコメント:


管理人のみ通知 :

トラックバック:


プロフィール
信長の野望online真紅武田家で活動中 &相互リンク・無断リンク募集中です。

斜メ前田慶次

Author:斜メ前田慶次

にほんブログ村 ゲームブログ 信長の野望Onlineへ
にほんブログ村

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
QRコード
QR
訪問者数