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今度こそさようなら、ドラえもん・零式の巻 其の弐拾壱

 茜がついに退院を迎えたのは、この日の巳の刻(午前十時頃)のことであった。

斜メ前田慶次「おい、ちょっと待てって」
茜「・・・・・・」
斜メ前田慶次「おい!」
茜「・・・・・・」

 茜はついに慶次と口を聞くことはなかった。慶次と目線を合わすことなく足早に病院の玄関を出ると、そのまま北の方角へ歩き去って行ったのであった。

斜メ前田慶次「あの態度はないだろう」
ドラえもん・零式「何を言っているんだい。全て君のせいじゃないか」

 ドラえもん・零式は茜より一足先に退院していた。慶次と共に茜の見送りに来ていたのだ。

斜メ前田慶次「せめて挨拶ぐらいさせろってんだよ」
ドラえもん・零式「茜ちゃんは、君がおきぬちゃんの家に通い詰めていたことを知っていたようだったよ」

 致死率100パーセントの芽殖孤虫症を治身連打で完治させ、無事退院したきぬであったが、長い闘病生活の中でどうやら心も病んでしまっていたようで、これも何かの縁と、慶次はきぬの家に足しげく通い、様々な相談に乗ってやっていた。

きぬ「いいなずけも、友達も、みな私の姿を見て去って行きました。気持ち悪い、うつると言って・・・」
斜メ前田慶次「もう治ったんだ。そのうち戻ってくるだろうよ。心配するな」
きぬ「人の目が怖くて外を歩けないのです。みな、私のことを汚物を見るような目で見ます」
斜メ前田慶次「俺が一緒に歩いてやるから安心しろ」
きぬ「でも・・・」
斜メ前田慶次「いいから、俺についてこい」

 いくら治身丹でも、心の傷までは癒せない。慶次はたびたび、きぬを外に連れ出しては共に散歩をしたり、食事や買い物に付き合うなどしていた。次第に明るさを取り戻していったきぬの元に、去って行った友人が一人二人と戻ってきたのは、退院から二週間が経過した頃のことであった。

斜メ前田慶次「だったら何だってんだよ。あいつとは関係ねえことだろうが」
ドラえもん・零式「あの日を最後に、茜ちゃんのお見舞いに一回も行かなかったろう」
斜メ前田慶次「あいつが来るなって言うから、行かなかったんだ。何か悪いのかよ」
ドラえもん・零式「来るなって言われても、行くもんなんだよ。それが礼儀ってもんじゃないのかい?」
斜メ前田慶次「心底、迷惑そうだったぞ」
ドラえもん・零式「それでも行って、謝るんだよ。許してもらえるまで、何度でも行くんだよ」
斜メ前田慶次「ああもう、わからん。わからん。この話はもうなしだ。行くぞ」
ドラえもん・零式「君はやっぱり常識がないね。そんなんで、よく今までやってこれたもんだ」
斜メ前田慶次「傾奇者の俺に常識を期待するのが、どだい無理ってもんなんだよ」

 二人は家に戻ると、茜の退院祝いと称して昼から酒を飲んだ。もっとも茜本人はこの場にいないのだが、二人にとっては酒を飲める理由があれば、何だって良いのであった。

ドラえもん・零式「君はおきぬちゃんと、一体どうなりたいんだい?」
斜メ前田慶次「どうなりたいって、お前。そんなもん、なるようになるしかねえだろうが」
ドラえもん・零式「狙ってるな、君。いいなずけの人も戻ってくる気配がないっていうし」
斜メ前田慶次「女が病気になったら逃げちまうような野郎なんざ、戻ってきたらぶっ飛ばしてやるよ」
ドラえもん・零式「おおっ・・・どうやら君にもようやく春がやってきそうだね。こりゃめでたい。飲もう、飲もう」

 二人はさらにこの後一刻(約二時間)ほど酒を飲み続けた。

ドラえもん・零式「うっ・・・! ううっ・・・! 僕は・・・僕は信濃で地獄を見た・・・見たんだよ・・・!」

 飲み過ぎた影響か、ドラえもん・零式はすっかり泣き上戸になっていた。

斜メ前田慶次「また信濃の話かよ・・・もう何回目だよ」
ドラえもん・零式「僕はあれ以来・・・怖くて・・・はん・・・半袖が着れないんだよ・・・うっ・・・ううっ・・・!」
斜メ前田慶次「わかった、わかった。うっとうしいからもう泣くな。飲め」
ドラえもん・零式「それに僕は・・・正当防衛とはいえ・・・たくさんの人間をこの手で殺めてしまった・・・僕の手は血で汚れているんだ・・・」
斜メ前田慶次「だから、前にも言っただろう。お前が殺した野盗どもは、女子供の命すら平気で奪う輩なんだ。殺したことはむしろ手柄だったんだって」

 ドラえもん・零式がアサルトライフルで射殺した三十余名の野盗は、商家に集団で押し入り、一人残らず皆殺しにしては金品を奪うことを繰り返していた。老人、女、子供ですら容赦なく殺す理由としては、面が割れることを防ぐためと、通報を遅らせるためであるが、まさに卑劣極まりない、残忍な集団といえた。

斜メ前田慶次「警邏中のと屯所兵にも襲いかかって惨殺するような奴らだ。俺たちも手を焼いていたが・・・お前のおかげで、今後は犠牲者が出ることはない。胸を張っていいことなんだ」
ドラえもん・零式「・・・・・・」
斜メ前田慶次「どうしてお前と茜にちょっかいを出したのかはわからんが・・・まあ、天罰が下ったってことだ。ほれ、飲め、飲め」

 慶次がドラえもん・零式の杯に酒を注ごうとしたとき・・・聞き覚えのある声が玄関の方から響いてきた。

茜「ごめん下さい」

続く
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Date: 2016.03.23
Category: 信on休止中
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