今度こそさようなら、ドラえもん・零式の巻 其の弐拾

 時は、ドラえもん・零式が春日山の茜宅で療養していた頃に遡る。この日、覚醒マックスに近い状態のとある女性プレイヤーが、自室にて寝そべりながら、今まさに放屁せんとしていた。

 彼女は一人暮らしであるため、誰に遠慮する必要もない。誰の目も気にする必要はない。しかしそんな彼女にとって不運だったのは、ちょうどそのタイミングで門前を通りかかった三人の男がいたことであろう。

曲江兼続「それにしても、よくドラえもん・零式どのを無罪にすることができましたね」
斜メ前田慶次「さっき、春日山に使いを走らせたところだ。今日はとことん飲むぞ」
曲江兼続「一体、どのような手を使ったのですか? この国の法では間違いなく死罪であるはずなのに」
斜メ前田慶次「決まっているだろう。家老権力を使ったんだよ」
曲江兼続「権力で、無理やりに無罪にしたというのですか!? まるっきり悪人ではないですか!」
斜メ前田慶次「青臭いことを申すな。世の中には大人の事情というものがあるのだ」
曲江兼続「小岡どのは、さぞかし無念でありましょうな」
斜メ前田慶次「奴は、所詮は奉行だ。お上の意向には逆らえん。何かのドラマで誰かが言ってたが・・・」
曲江兼続「・・・・・・」
斜メ前田慶次「正しいことをしたければ、偉くなれってことだ」
曲江兼続「その台詞を、よりによって慶次どのが申されますか・・・」
斜メ前田慶次「ああもう、嫌味ばかり申すな。俺だって大変だったんだぞ。色々と根回しも必要だったしな」

 慶次が甲府を離れられない事情はそこにあった。ドラえもん・零式を無罪にするために、下は奉行所の木っ端役人から、上は信玄公に至るまで日々東奔西走、多忙な日々を送っていたのである。無論、金も湯水のように使った。そこまでしてでも、慶次はドラえもん・零式を助けたかったのである。

 この慶次の暗躍については小岡越前も当然察知していたが、一奉行の身ではどうにもならなかった。上からの圧力、組織内の孤立化、身元不明の者からの脅迫など様々な問題に抗いきることができず、とうとう無罪の言い渡しをすることになったのは前日のことであった。

小岡越前「・・・おのれ! このままでは済まさぬぞ、斜メ前田!」

 一時は出奔することも考えたが、家族の説得や同僚の慰留もあり、辛うじて武田家に踏みとどまった。その後、小岡はまず中老昇進を目指し、合戦場を駆け巡ることとなる。

斜メ前田慶次「ん? あれは・・・」
曲江兼続「いかがなされましたか」
斜メ前田慶次「見よ。あちらからもう一人、青臭いのがやってくるぞ」

 その男のレベルは1であった。青臭いどころの話ではない。レベル70の慶次やレベル65家臣の兼続に比べれば、まさに象と蟻ほどの力量差があると言っても決して過言ではない。

眞栄田慶次「おう、ちょっと道を尋ねてえんだけどよ」

 男は眞栄田慶次と名乗った。出身は琉球であるとのことだが、詳細は定かではない。

曲江兼続「慶次どのと少し似ていますね」
斜メ前田慶次「キャラ被ってるから絡みづれえわー」
眞栄田慶次「前田慶次って野郎の家はどこか教えてくれ」
斜メ前田慶次「前田慶次の家だぁ!? 前田は甲府にゃいねえよ」
眞栄田慶次「何だって!? 確かに甲府だって聞いたぞ!」
曲江兼続「甲府にいるのは、斜メ前田慶次どのです。お聞き間違えではないですか?」
眞栄田慶次「何だよ、そういうことか! 俺ぁ、駄目なほうの慶次を探してたってことか。畜生、時間を無駄にしちまった!」
斜メ前田慶次「兼続どの、こいつ殴ってもいいか?」
曲江兼続「いけませぬ。慶次どのが眞栄田どのを殴れば死んでしまいます」
斜メ前田慶次「駄目なほうとか抜かしやがったがよ・・・こいつは俺よりさらに駄目な慶次じゃねえか・・・」

 眞栄田は前田慶次を倒すべく、はるばる本土に渡ってきたという。その理由は、

眞栄田慶次「俺ぁ、地元じゃ敵なしなんだ。だが、名の売れている前田慶次のせいでどうしても過小評価されちまう。しょぼいほうの慶次だって言われちまうんだよ」

 だからぶっ倒す、とのことだが、眞栄田が前田慶次を倒す日は果たしてやってくるのだろうか。いや、おそらくやってこないだろう。何故なら私は眞栄田慶次を育てるつもりはないし、眞栄田慶次を主人公にしたブログを立ち上げるつもりもないからである。

斜メ前田慶次「眞栄田よ。お主じゃ無理だ。帰れ帰れ」
眞栄田慶次「何を言いやがる! やってみねえとわからねえだろうが!」
斜メ前田慶次「やるまでもない。今のお主の力量では前田に取り付くことすらできぬ。出直してこい」
眞栄田慶次「嫌なこった。こうなりゃ意地でも前田のところに案内してもらうぞ」
斜メ前田慶次「だから、甲府にゃいねえって言ってんだろ。頭悪いな」
眞栄田慶次「何だとこの野郎!」
斜メ前田慶次「それに、お主がいつまでもここにいるのは危険だ。そういった意味でも帰れって言ってんだ」
眞栄田慶次「どういうことだ!?」
斜メ前田慶次「わからないのか。この辺り一帯を包む莫大なオーラが」
眞栄田慶次「何だその、おーら、ってのは!?」
斜メ前田慶次「やはり話にならぬな。命が惜しければさっさと尻尾を巻いて逃げることだ」
眞栄田慶次「ただの路地じゃねえか。何でいるだけで危険なんだよ」
曲江兼続「し、しまった・・・! ここは、高レベルプレイヤーキャラクターが多く居住する地域! 眞栄田どの、お早く!」
眞栄田慶次「だから、意味がわからねえって・・・」

 眞栄田がこの場所で言葉を発したのは、これが最後となった。突如起こった「ブバンッ!」という爆発音により、眞栄田の鼓膜が破壊されてしまったのである。眞栄田はまもなく白目を剥き卒倒することとなった。

曲江兼続「くっ・・・! 耳が・・・キーンと・・・!」
斜メ前田慶次「兼続どの、大丈夫か」
曲江兼続「慶次どの・・・今の爆発音は一体・・・!?」
斜メ前田慶次「何だと思う?」
曲江兼続「敵方の・・・攻撃でしょうか・・・? いや、わかりませぬ・・・」
斜メ前田慶次「違うな」
曲江兼続「では、一体!?」
斜メ前田慶次「屁だよ」
曲江兼続「屁、ですと!?」
斜メ前田慶次「たった今、この家の女キャラがぶっ放しやがった」

 「屁で鼓膜が破裂!?」とお考えになった方もおられるだろうが、例えば戦国の世に生きる人間のそれと、平成の世に生きる人間のそれを一緒にしてはならない。考えてもみてもらいたい。

 自分の身体より遥かに巨大な化け物を刀でガシガシ斬り刻んだり、空を飛んでエネルギー弾を放ったりするような人間がゴロゴロいる時代なのだ。ましてや覚醒マックスともなれば、もはや人智を超えた存在と言える。そんな女が豪快に屁をぶっ放したら一体どうなるか。

斜メ前田慶次「その男を連れて、早くこの路地から抜けろ。また硫化水素中毒を起こすぞ」
曲江兼続「今日は・・・まだ・・・耐えられますね・・・でも頭痛がしてきました・・・」
斜メ前田慶次「すかしっ屁に比べりゃまだマシだが・・・だんだん臭いがきつくなってきた。ほれ、早く行け」
曲江兼続「慶次どのは、どうなされるのですか!?」
斜メ前田慶次「俺は・・・うっぷ。この家の家主に一言物申してから行く。急げ。まだ余震・・・じゃねえ、余発があるやもしれぬ」
曲江兼続「わかりました・・・どうかご無事で・・・!」

 兼続が眞栄田を背負い、路地を駆け抜けて行く姿を確認した慶次は、息を止めながら女性プレイヤー宅の玄関まで足早に移動した。途中、「ブッ、バッ、バッ、バッ」と数発の余発があったが、もはや気に留めている場合ではない。引き戸を勢いよく開け放つや、叫んだ。 

斜メ前田慶次「・・・屁ェぶっこいてんじゃねーよ!!」

 以前にも書いたことがあるが、誰にもバレていないはずの屁が実はしっかりバレていて、その挙げ句に怒鳴られるというのは、一体どんな気分なのだろう。ましてや、自らが若い女であるとするならば。ああ! 一体! どんな気分がするものなんだ!? 残念ながら私には想像もつかない。その後慶次は「昨日、何食いやがった! ニオイやばすぎだろ!」と続けて叫ぶと乱暴に引き戸を閉じ、いずこかへと駆け去ったのであった。

「・・・・・・」

 その後音を立てず、無言で玄関の様子を見に来た女性プレイヤーの表情は、恥と後悔と憤りの入り混じったような複雑なものだったというが、このとき彼女が何を考えていたかまでは、やはりわからない。
スポンサーサイト
Date: 2016.03.15
Category: 信on休止中
Comments (3)Trackbacks (0)

この記事へのコメント:

通りすがりのねこ

Date2016.03.15 (火) 20:22:06

その時、煙草を吸って無かったんですね、宝永の大噴火ならぬ放屁の大爆発で甲府の町は焼け野原、は免れたぁ!
女性プレイヤーが刀鍛冶だった場合、鉢合わせた瞬間、怒りMAX開放で即死です。
話変わって、織田が滅亡するので明日からしばらく前田慶次も居なくなりますね。

鏡花の核弾頭

Date2016.03.16 (水) 00:16:35

私がまだ信onプレイヤーだったころの話ですが、稲葉山に住む梅ナニガシというプレイヤーの屁は宇宙戦艦ヤマトの波動砲並でガスをまとった空気圧が門を突き破り空へと消えていきました。その女性プレイヤーの屁はまだまだですなw(  =˘ω˘) フッ

斜メ前田慶次

Date2016.03.18 (金) 18:54:41

>通りすがりのねこさん
こんばんは、斜メ前田慶次の中の人です。
コメントありがとうございます。

もしたまたま煙草を吸っていたら、
引火して爆発からの家屋崩壊につながっていたでしょう、
そのため慶次他、戦国の世のプレイヤーキャラは、
引火に細心の注意を払って生活しています。
怒りMAX開放は恐ろしいですね・・・・。
たぶん慶次もその辺を警戒して、
言いたいことを言い終わったら速攻でその場を去っているのでしょう。
織田家、滅亡ですか・・・
この先どうすればいいのやら・・・

>鏡花の核弾頭さん
空へ消えるほどの屁、ですか!
おそらく覚醒MAXの方とお見受けしました。
何せ、MAXとMAXに近い状態では、
また威力が違ってくるのが戦国の世ですからね。
いつでも信onに戻ってきて下さい!

管理人のみ通知 :

トラックバック:


プロフィール
信長の野望online真紅武田家で活動中 &相互リンク・無断リンク募集中です。

斜メ前田慶次

Author:斜メ前田慶次

にほんブログ村 ゲームブログ 信長の野望Onlineへ
にほんブログ村

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
QRコード
QR
訪問者数