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今度こそさようなら、ドラえもん・零式の巻 其の拾弐

老婆「おやまあ、そんなものを食べて・・・さぞお困りでしょう。どうぞ、中へお入り下さいまし」

 まさかのこの誘いに、ドラえもん・零式は嬉しさよりも困惑を覚えた。もはや信濃の民に何も期待していなかったからだ。だが、

老婆「今すぐ、温かい粥をご用意いたしましょう。ささ、どうぞ中へお入り下さいまし」

 たたみかけてきたこの優しさに、ドラえもん・零式は何の疑いもなく飛びついてしまった。このとき、彼はとにかく飢えていた。食に対する欲求だけではない。他人から向けられる愛情に対しても飢えに飢えていたのだ。

ドラえもん・零式「うん! ありがとう、お婆ちゃん!」

 転がり込むように家の中へ入ったドラえもん・零式は、まず囲炉裏の火に両手をかざした。熱い。熱いが心地よい。思えば、火にあたるのなんて何日ぶりだろうか。逃走している間は考えることもなかった。ありがたい。まるで夢のようだ。

老婆「・・・失礼ですが、ちと臭いますね。いえ、全然構わないのですけど、ホッホッホ」
ドラえもん・零式「ああ、ごめん。ごめんよ、お婆ちゃん。何しろ、お風呂に入れていなくて・・・」
老婆「あらあら、まあまあ、お気の毒に。何か、ワケアリでございますか?」
ドラえもん・零式「うん、まあ、ちょっと・・・」
老婆「お気の毒に。今すぐ、お風呂もご用意いたしましょう。おーい、おーい、爺や」

 寝ているところを叩き起こされた老爺は明らかに不機嫌そうで、眠い目をこすりながら老婆に何か文句を言おうとしたところで、やめた。ドラえもん・零式の姿を見て、おおよその事情が理解できたからだ。

老爺「若いの、この寒いのに大変だったのう。待っとれ。今すぐ、風呂を焚いてくるけえ」

 そう言ったきり、この老爺は姿を消した。家の中には老婆とドラえもん・零式の二人きりとなった。そして二十分ほどが経過したところで、老婆が粥の入った囲炉裏鍋を鉤にかけた。

老婆「お待たせしてしまって、すみませんねえ。何しろ歳なもので、動きが鈍くなってしまっていましてのう」
ドラえもん・零式「うおおっ・・・! おおっ・・・!」

 思わず喉を鳴らすドラえもん・零式であったが、老婆が言うにはまだ食べ頃ではないので、しばらくこのままにしておいてくれとのことであった。そして五分ほどが経過したところで、たまらずドラえもん・零式が老婆に問いかけた。

ドラえもん・零式「お婆ちゃん、もういいよね?」
老婆「もう少しお待ちになって下さいまし」
ドラえもん・零式「どうしてだい? もう腹ペコで我慢できないよ」
老婆「今まで、ろくなものをお食べになっていなかったのでしょう? 胃が弱っておりますゆえ、充分に火を通してからでないと」
ドラえもん・零式「僕のことなら心配いらないよ。ねえ、早く。早く食べさせてよ」
老婆「もう少し、もう少しお待ち下さいまし」
ドラえもん・零式「僕は大丈夫なんだけどなあ・・・」

 その後、互いに無言のままどれだけの時間が過ぎただろうか。空腹の限界を迎えたドラえもん・零式が再び老婆に問いかけた。

ドラえもん・零式「お婆ちゃん、さすがにもういいよね?」
老婆「焦ってはいけませんよ。粥は逃げたりしませんので、ホッホッホ」
ドラえもん・零式「まだかい? 焦らすなあ、お婆ちゃん」
老婆「ホッホッホ」
ドラえもん・零式「ところでお婆ちゃん、何か上に羽織るものはないかい? 見てのとおり半袖で、寒いんだ」
老婆「おやまあ、気が付かずすみません。粥が煮えたら、息子のお古を探してきましょう」
ドラえもん・零式「ありがとう、お婆ちゃん。この恩は必ず返すよ。落ち着いたら、慶次君にお金を送らせるからね」
老婆「慶次様とは?」
ドラえもん・零式「僕は武田家家老、斜メ前田慶次の使用人なのさ」
老婆「あらまあ! それはそれは・・・気付かずに重ね重ね申し訳ございません」
ドラえもん・零式「いいさ。何しろこんなナリだからね。それより・・・」

 お粥をそろそろ食べさせてよ、と言いかけたところで、ドラえもん・零式にとって想像を絶する事態が起こった。


dora2.jpg

ドラえもん・零式「!?」

2016020401.jpg

屯所兵「・・・そこを動くな! 人相を検める!」

 ターン! と勢いよく引き戸が開いたかと思いきや、数名の屯所兵が土間に踏み込んできたのだ。動転しているドラえもん・零式に、さらに老婆が追い討ちをかけた。

老婆「そいつは、大罪人の銅鑼右衛門だよ! 早く捕まえておくれ!」
ドラえもん・零式「なっ、なっ、おっ、お婆ちゃん!?」 
屯所兵「・・・銅鑼右衛門だと!? 動くな! 動くでないぞ!」
ドラえもん・零式「お婆ちゃん! まさか、僕を!?」 
屯所兵「騒ぐな! 大人しく縄にかかれい!」
ドラえもん・零式「お婆ちゃん、何とか言ってよ! お婆ちゃん!」 

 そこへ遅れて、風呂を沸かしに行ったはずの老爺がひょっこりと現れた。両肩が雪にまみれており、息が乱れに乱れていた。

老婆「ジジイ、何をモタモタしていたんだい!」
老爺「急に吹雪いてきたんだから、しょうがねえだろ!」
老婆「屯所なんか、目と鼻の先じゃないか! 情けない! 危うく粥を食われちまうところだったよ!」

 ドラえもん・零式は、全てを理解した。この二人はグルだったのだ。

屯所兵「神妙にいたせ!」

 槍の穂先を突き付けながら、次々に「動くな」「大人しくしろ」「逃げたら命はないぞ」などと怒声を投げかけてくる屯所兵たちを目の前に、もはやこれまでかと思われたドラえもん・零式であったが、ここで一か八かの賭けに出た。

屯所兵「・・・熱っ! あつつつつつ!!」

 煮えたぎっていた粥を素早く杓子ですくい、屯所兵たちの顔に浴びせかけたのだ。槍を持っていたために両手がふさがっていた屯所兵たちはもれなく顔面に粥の直撃を受けた。

老婆「何をしてるんだい! 早く捕まえるんだよ!」

 老婆の声は、顔面火傷で苦しむ屯所兵たちの耳には届かなかった。その隙を突き、ドラえもん・零式は見事脱出に成功したのであった。

老婆「・・・ちくしょおおおー!」

 雪国の天気は変わりやすい。急に吹雪いてきたこともドラえもん・零式にとっては幸いした。吹きつける雪が煙幕の役目を果たす上に、足跡も消し去ってくれる。ようやく落ち着きを取り戻した屯所兵たちに、もはや追跡の手だてはなかった。

2013111803.jpg

茜「その後は、どうなったのですか?」
ドラえもん・零式「泣きながら、とにかく走ったよ。辛かった。裏切られたことが、とにかく辛かった・・・」
茜「その老婆は、ひょっとしたら・・・」
ドラえもん・零式「え?」

 茜の語るところによると、逃亡犯罪人を言葉巧みに家の中へ誘い込み、屯所へ通報して賞金を得る者が信濃に限らず、どこの国にも存在するらしい。ただし当然、自身にも危険が及ぶ可能性があるし、本人ばかりかその親族・知人からも恨みを買うために、実際に行動に移す者はそう多くないとのことであった。

茜「もう忘れましょう。思い出しても辛いだけですし」
ドラえもん・零式「確かに・・・そうだね・・・」
茜「さあ、行きましょう。もう少し歩けば宿場町に出ますので」
ドラえもん・零式「うん・・でも・・・駄目だ」
茜「え?」
ドラえもん・零式「駄目なんだよ、逃げちゃ。せっかく来たんだし、お婆ちゃんともう一度話してくる」

続く


 ・・・思ったより、ドラえもん・零式の逃亡生活の話が長く続いてしまっていますが、肝心の信オンのほうは、相変わらず巻き込み・巻き込まれの日々が続いております。

2016020402.jpg

 今さらですが、ようやく飛槍放鷹の覚醒が終了しました。どんだけかかったんだろう・・・

2016020403.jpg

 今年こそは前田慶次を倒すことを夢見つつ、今日はこの辺で失礼します。ではでは ノシ
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Date: 2016.02.04
Category: 信on休止中
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