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欲しいんだろう?の巻

 ゲームや小説、ドラマ等における恋愛フラグの一つとして「曲がり角でぶつかる」ことが挙げられるが、少なくとも『信長の野望オンライン』においては、プレイヤーキャラクター同士が曲がり角で接触したところで、恋愛関係に発展することはまずない。

 無言で横をすり抜けることがほとんどだろう。仮にこれが知人同士であればその後お辞儀や手を振るなどの所作を交わすこともあるだろうが、全くの他人同士であれば、所作を交わすことなどはしない。これが当然であり、日常である。

 では、一応『信長の野望オンライン』のブログである当ブログに登場するキャラクターが、曲がり角で斜メ前田慶次と接触したらどうなるのであろうか。今日は一つ、そこにスポットライトを当てて検証していきたいと思う。

茜「・・・遅刻遅刻!」

2013111803.jpg

 ある日の朝、寝坊をした茜が、食パンをくわえながら春日山城へ向かって全力疾走していた。何故食パンをくわえているのかは筆者にもわからない。一体元ネタは何なのだろうか。現実にはあり得ないことなのだが、ひとまずここでは食パンをくわえさせておくことにする。

斜メ前田慶次「・・・くそっ! 遅刻しちまう!」

 そして同じ頃、斜メ前田慶次もまた食パンをくわえながら春日山城へ向かい全力疾走していた。それにしても、食パンをくわえながらよく喋れるものだと感心してしまう。腹話術なのだろうか? そもそも街中で一人言を言うのはどうなのだろうか。この演出は果たして必要なのだろうか。考えれば考えるほどわからなくなってしまう。

 二人の距離はみるみる縮まっていき・・・その後間もなく曲がり角で茜は悲劇を迎えることとなった。

茜「・・・ぐぶぇっ!!」

 曲がり角で慶次と鉢合わせになった茜は、慶次の強烈なタックルを喰らい弾き飛ばされることとなった。板塀を突き破り、とある町家の庭に飛び込んだ茜は、その後身体を数回バウンドさせ、白目を剥いて気絶することとなった。その口からは血が溢れ出ていた。

斜メ前田慶次「・・・ゲエーッ! お前はあのときのくのいち! や、やべえっ!」

 この期においても食パンを口から放さない慶次。一体どうやって叫んでいるのだろうか。

家主「・・・ひっ!」
斜メ前田慶次「・・・おい! 悪いが大至急、医者を呼んでくれ! このままじゃあ死んじまう!」
家主「・・・わ、わかりました!」
斜メ前田慶次「お前、急に飛び出してくるんじゃねえよ! 戻ってこい! 戻ってこい!!」

 ビクンビクンと痙攣している茜に向かい、必死に叫ぶ慶次。

斜メ前田慶次「・・・死ぬな! 死ぬんじゃない! くそっ! 医者はまだ来ないのか!」

 その後間もなく駆けつけた医者の適切な処置により、一命を取りとめた茜だったが、全身打撲により一ヶ月の自宅療養を余儀なくされることとなった。このとおり、少なくとも当ブログでは、一般人とプレイヤーキャラクターが曲がり角でぶつかることによりフラグが発生することはない。力量が違いすぎるためだ。例えるなら、軽自動車とトラックが正面衝突するようなものである。

 それから一週間ほどが経ち、茜はどうにか自力で用を足すことができるまでに回復したが、慶次に対する怒りが収まることはなかった。たまっていた振替休はもちろん、年休までもがこの自宅療養で消化されることになってしまったからである。年末に温泉に行く予定だったがそれも無理になってしまった。さらに、自宅療養中である以上、基本給しか支給されないため手取りの金額が非常に寂しいものとなった。給料が出たら買おうと思っていた物が買えなくなってしまったのだ。

茜「・・・・・・」

 心の中で慶次に対する呪いの言葉を吐いていたところで、玄関のドアをノックする音が聞こえたが、身体を動かすことが辛い状態であることと、気分が優れないこともあって茜は居留守を使うことにした。やがてノックの音が収まり、静寂が戻ったところで茜は再び床についた。雨戸が閉まっており、室内はうす暗い。茜のモヤモヤした気分は収まりそうになかった。

 そして間もなく、その気分を強制的に振り払うかのように雨戸が引き開けられることになるとは、茜も予想はしていなかった。

斜メ前田慶次「・・・ほら! やっぱりいたぞ!」
ドラえもん・零式「お邪魔しまーす!」
茜「・・・ゲエーッ!?」

 何と、庭から慶次とドラえもん・零式が姿を現したのである。まさかの展開に、茜は硬直した。

茜「・・・あ、あの・・・何ですか・・・?」
斜メ前田慶次「見舞いにきたんだよ。俺にも少しは責任あるからな」
ドラえもん・零式「台所を借りるよ。お茶を入れてくる」
茜「・・・あの、ちょっと!」

 茜が慌てて二人を制したものの、すでに二人は思い思いの行動を開始していた。

斜メ前田慶次「どうだ、調子は? ん?」

 ずかずかと部屋の中に上がり込み、あぐらをかいて座る慶次に殺意がわいたが、ここはこらえた。

茜「・・・ひょっとして、先ほどのノックは・・・?」
斜メ前田慶次「ああ、俺たちだよ。それにしても居留守を使うとはあんまりじゃねえか。はっはっは」
茜「うっ・・・」
斜メ前田慶次「まあそれはさておき、まずはこれを受け取ってくれ。見舞金だ」

 平成の世の金額にして、およそ三万円ほどが包まれた封筒をどうすればいいかわからず、茜はまたも硬直した。

斜メ前田慶次「遠慮すんなって。俺としても、一度出したものを引っ込めることはできねえ。ここに置いとくぞ」
茜「・・・・・・」
斜メ前田慶次「それにしてもお前の部屋、汚えな。若い娘がこんなことでどうするんだ」
茜「・・・ちょっと! 見ないでもらえますか!」

 部屋の中には、脱ぎ散らかした服や下着、洗っていない食器、書物などが散乱していた。これは茜が片付けをすることが苦手ということもあるのだが、怪我をしていてやむを得ないところもあった。

斜メ前田慶次「俺の家臣にオフーナって、お前と歳が近い娘がいるから、近々手伝わせに寄越してやるよ」

 せっかくの慶次の好意だったが、それよりも散らかった部屋を見られたことに、茜は恥ずかしさで死にたくなった。

斜メ前田慶次「それと・・・いい物を持ってきた」

 慶次が持参した風呂敷包みをまさぐっているところで、台所から戻ったドラえもん・零式が慶次に耳打ちした。

ドラえもん・零式「慶次君、ちょっと・・・」
斜メ前田慶次「ん? ふむ・・・そうか」
ドラえもん・零式「そういうわけなんで・・・」
斜メ前田慶次「わかった、わかった」

 耳打ちを終えたドラえもん・零式が慌ただしく部屋から出て行ったところで、慶次が再び風呂敷包みをまさぐりながら、茜に声をかけた。

斜メ前田慶次「風の噂で、お前の好物が巻き寿司だと聞いてな・・・俺の手製の巻き寿司を持ってきたんだよ」
茜「はあ・・・」
斜メ前田慶次「斜メ前田慶次特製、納豆巻きだ。ほれ」

 風呂敷包みから取り出した桶の蓋を開けた慶次が、その中から極太の納豆巻きを一本取り出した。

斜メ前田慶次「どうだ・・・? 太くて、大きいだろう・・・? こういうのが、欲しいんだろう?」

 ・・・さて、見舞いの話は後日に続くことにして、最近の近況をちょっと書いていきたいと思います。


2013112901.jpg

 軍団の育成にはほとんど手をつけていなかったのですが、さすがにこのままではやばいと思い、育成に手を付けてみることにしました。しかしもはや周りは軍団レベルが上がりきっている人たちばかりで、どこか連れて行って欲しいとは言い出せず、ひとまずソロでちょこちょこ鍛えてみることにしました。

 しかし『優しき忠臣』の斎藤利三に完膚なきまでに痛めつけられ、ソロでの限界を感じ徒党を作ることにしました。絶対に倍返しにしてやる! と意気込み迎えた『優しき忠臣』の第二回目。意気揚々と陣を出発してみたのですが、どうも足が異常に遅い。後からわかったことなのですが、どうも行動力が激しくマイナスになる陣形にしてしまっていたようで、周りの方々がガシガシと敵をしばいている中、何もできずうろつく羽目に。

2013112904.jpg

 そして結局、敵NPCと一戦も交えず終了。寄生とはまさにこのこと。

2013112905.jpg

 家臣団のみでは勝てる気のしなかった斎藤利三。徒党を組んだら楽勝でした。その後、再度『優しき忠臣』で募集をし、これまた楽勝。無事に倍返しを果たすことに成功しました。そんなこんなで、ひとまず薬師の兵種技能である『治療』を覚えました。マイペースでちょこちょこ頑張っていこうと思います。

2013112906.jpg

 たまに当ブログについて対話を頂きます。ありがとうございます! 更新頻度は下がっていますが、ブログもまたマイペースで更新していこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします。それでは今日の日記はこの辺で ノシ
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Date: 2013.11.29
Category: 信on
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栄光の架け橋の巻

 いよいよチャリティーマラソンのゴールの日を迎えた慶次一行は早朝にあずま屋を出立し、巳の刻(みのこく、午前9時頃)には現在の新潟県出雲崎町あたりにまで到達していた。今までのペースを考えれば格段に遅くなっているのだが、すでに足が言うことを聞かなくなりつつある状態ではやむを得ない。

ドラえもん・零式「・・・慶次君」
斜メ前田慶次「・・・何だ?」
ドラえもん・零式「茜ちゃんが、すごい不機嫌そうな顔して追ってきているよ」
斜メ前田慶次「昨日のことを、まだ根に持っているのか。全くしょうがない奴だ」
ドラえもん・零式「そりゃあ根にも持つだろう」
斜メ前田慶次「よし、こういうときは・・・」

 慶次、突如立ち止まったかと思うと後ろに振り返り、茜に向かって叫んだ。

斜メ前田慶次「・・・おい! 茜! これを見ろ!」

 言うやいなやふんどしを手早く外し、イチモツを茜に見せつけたのであった。

2013111803.jpg

茜「・・・ちょっ!」

 慌てて近くの草むらに姿を隠す茜。

ドラえもん・零式「こら! 何やってるんだ!」
斜メ前田慶次「ちと、場を和まそうと思ってな」
ドラえもん・零式「・・・和むかァーーーッ!! 早くしまわないか!」
斜メ前田慶次「わかった、わかった」

 ・・・そしてそれから5分後。

斜メ前田慶次「・・・おい! 茜! これを見ろ!」
ドラえもん・零式「またか! いい加減にしないか!」

 今度は見せつけられる前に隠れてやろうと、すぐさま近くの大木の木の陰に身を隠した茜だったが、どうも様子がおかしい。恐る恐る顔だけを出してチラ見したところ・・・何と慶次一行の姿がどんどん小さくなっていたのであった。いわゆる一つのフェイクだったのだ。茜の慶次に対するヘイトはもはやMAXと言ってよかった。

ドラえもん・零式「やれやれ。君は性格が悪いな」
斜メ前田慶次「何を言いやがる。だいたい、くのいちのくせに男のイチモツくらい見れないでどうする」
ドラえもん・零式「別に見れなくてもいいだろう・・・」
斜メ前田慶次「例えば敵の男と斬り合いになったときに、相手がポロリしちまったらどうするんだ? 戦いを放棄して逃げるのか?」
ドラえもん・零式「またそういう、あり得ない仮定を持ち出す・・・」
斜メ前田慶次「刃物を持って戦っていりゃあ、決してあり得なくはないぞ。俺も今まで合戦場では、数々の敵女PCのポロリを目撃し、そのたびに股間が膨らんで動きづらくなったもんだ」

 ※これはあくまで妄想です。『信長の野望オンライン』にポロリはありません。

ドラえもん・零式「だからって・・・もうやめてあげなよ」
斜メ前田慶次「いいや、俺はあいつにくのいちとしての自覚を促すために、敢えて心を鬼にする」
ドラえもん・零式「本当は、ただ若い女の子に見せつけたいだけのくせに。困ったもんだよ」

 こうして、春日山城に到達するまでの間に、茜は慶次のイチモツを12回も見せつけられることとなった。まさに、夢に出てきてもおかしくないほどの回数であった。

ドラえもん・零式「・・・何かもう、途中から全てを諦めきった表情になってたね」
斜メ前田慶次「うむ、これでよい。これで敵に不覚をとることもなくなるだろう」
ドラえもん・零式「さて・・・いよいよゴールだね。城門が見えてきた」
斜メ前田慶次「おお、ついに着いたか! いやはや、長かった。本当に・・・長かった」
ドラえもん・零式「時刻は・・・13時を少し過ぎたところか。これなら茜ちゃんもこの後、お祭りに行けるね」
斜メ前田慶次「よし、ドラ。ゴールにふさわしく、あの曲をかけろ」



ゆず『栄光の架け橋』

 慶次一行が城門をくぐった瞬間、沿道にたくさんの観衆が集まっているのが目に入った。そしてそのいずれもが暖かい拍手を慶次一行へ送った。ところどころに、拾丸や曲江兼続、石兵衛、具田幸村など慶次の家臣団の姿も見えた。しかしオフーナだけは慶次のことを嫌っているためか、拍手はせず無表情で慶次の姿を見つめていた。

ワトソン「・・・慶次サーン! よくぞ無事に戻られました! ワトソン、すごく感激していまース!」

 先日、慶次の助手となったワトソンが慶次を追走しながら声をかけた。本来ならば笑顔で返事が返ってくるものなのだが・・・慶次のリアクションは、ワトソンの想像を遥かに超えていた。

斜メ前田慶次「・・・誰?」
ワトソン「・・・ちょっ! 私です! ワトソンですよ!」
斜メ前田慶次「だから、誰だってんだよ」
ワトソン「あなたの助手の! ワトソンです! どうして忘れるんデスカ!」
斜メ前田慶次「さあ・・・知らんなあ」
ワトソン「こらお前! あり得ない! あり得ないデース! 止まれ! 止まるんデース!」

 一度きりの登場で、その後出番がなかったワトソンの存在を、慶次はすっかり忘れてしまっていた。もっとも、筆者的にもワトソンは一度きりの登場と決めていたのだが。慶次を罵りながら追走するワトソンを見て観衆は、「外国人のトレーナーを雇っていたとは、何げに気合入れてたんだなあ。さすがは斜メ前田だ」と受け取った。事情を知らないからだ。

 観衆に手を振りながら、慶次一行が鍛冶屋の横にたどり着いたところで突如、小刀を構えた若い男がコースに飛び出してきた。

百道安「・・・死ね! 斜メ前田!」

 過去に二度、慶次に両替前での自慰を強要された百道安の、まさかの急襲であった。この男、慶次がチャリティーマラソンのランナーに選ばれたと聞き、ゴール寸前で刺し殺してやろうと機会を窺っていたのである。慶次が死んだ時点でチャリティーマラソンは失敗となり、過去の恨みも晴らせる。まさに一石二鳥であったのだが、慶次とて腐っても『いくさ人』である。一瞬で殺気を感知した慶次は、突き出された道安の小刀を手刀で素早く叩き落とすと掌を返し、道安の顔面へ目つぶしを入れた。

百道安「・・・ぎゃっ!」
斜メ前田慶次「この野郎! 俺をナメるなよ!」
百道安「わっ! な、何をする!」
斜メ前田慶次「裸にひん剥いてやる!」
百道安「ひっ! や、やめてくれ! 頼む!」

 必死の哀願もむなしく、素っ裸にされた道安はその後間もなく慶次の強烈なビンタを喰らい、路上に気絶することとなった。

ドラえもん・零式「素っ裸にした上でビンタか・・・君、相変わらずSだねえ」
斜メ前田慶次「殺されないだけありがたいと思えってんだ。全く」
ドラえもん・零式「これならいっそ、殺されたほうがマシなような・・・」
斜メ前田慶次「さあ、目指すゴールはすぐそこだ! 馬鹿は放っておいて行くぞ! ドラ!」

2013112701.jpg

 城へ向かう門をくぐった先の広場がゴールに指定されている。あくまで門なのだが、慶次にとってはまさにこれが「栄光の架け橋」であった。意気揚々と門をくぐり抜けた慶次には、栄光が約束されていたはずであった。そしてそれは、同伴したドラえもん・零式、杉風、監視員の茜にとっても同様であった。ようやく終わる。この苦しく長かった旅がようやく終わると信じ、一行は門をくぐった。しかし・・・現実は非情であった。

斜メ前田慶次「ば・・・馬鹿な・・・! お前は・・・!」

2013082201.jpg

戦中門衛「・・・・・・」
斜メ前田慶次「国勢は・・・国勢は凍結されているはずだ! お前が何故いるんだ! いや、何故ここに・・・!」

 慶次の問いかけを無視し、戦中門衛は息を大きく吸い込み始めた。大声を出すためである。あのゴールテープさえ切ればゴールなんだ・・・! ほんの、あと数メートル先の、あのゴールテープを・・・! こんなところで台無しにされてたまるものかッ! 慶次は背後のドラえもん・零式、杉風、茜に向かって叫んだ。

斜メ前田慶次「・・・みんな! あいつを止めろッ! いつものセリフを言わせるなッ!」
ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ! 君は! 戦中門衛!」
杉風「・・・!」
茜「あなた様は・・・!」
斜メ前田慶次「セリフを言わせるなーーーーッ!」
戦中門衛「いいや! 限界だッ! 言うねッ!」
斜メ前田慶次「・・・吉良ってんじゃねーッ!」

 慶次が戦中門衛に肉薄したが一瞬遅く・・・戦中門衛は大声で観衆に向かって叫ぶことに成功した。

戦中門衛「・・・今日からテスト合戦が始まっております! 上様より、至急参陣せよとのことです!」

 この一言で、場の雰囲気が一気に変わった。慶次一行を除く観衆たちの表情が一斉に『いくさ人』の表情に切り替わったのである。

「・・・祭りをしている場合じゃねえ!」

 と、観衆たちが門へ向かって駆け出した。それと同時に、ゴールテープを持っていた者たちもそれを放っぽりだして門へ向かって駆け出して行ってしまった。あとに残ったものといえば・・・無残に踏みつけられ薄汚れたゴールテープと、無人となった露店、見世物小屋のみであった。

斜メ前田慶次「くそっ・・・!」
戦中門衛「・・・・・・」
斜メ前田慶次「少しぐらい、待ってくれてもいいじゃねえか! 何で、このタイミングで言うんだよ! この人でなしが!」
戦中門衛「拙者は・・・上様から『ただちに』観衆に伝えよとの命を受け、それを実行したまでです・・・」
斜メ前田慶次「だからって・・・! だからって、こんなのひどすぎるじゃねえか! ええ!? 戦中門衛さんよお!!」
戦中門衛「『ただちに』ではなく・・・」
斜メ前田慶次「あ!?」
戦中門衛「『すみやかに』だったら、あるいは・・・」
斜メ前田慶次「・・・・・・」
戦中門衛「拙者は不器用なので、上様からの命令に忠実に従うことしかできません・・・拙者は、他にも回るところがありますので、これにて・・・」

 張りつめていたものが途切れ、地面に大の字になった慶次を、茜が睨みつけた。

斜メ前田慶次「おい・・・そんな顔で見られても困るんだよ」
茜「・・・・・・」
斜メ前田慶次「俺のせいじゃねえぞ、これは・・・」
茜「・・・・・・」
斜メ前田慶次「こら、返事くらいせんか・・・」

 涙の溜まった眼で慶次を一瞥した茜は、間もなくその場から姿を消した。

斜メ前田慶次「はっ、たかが祭りに行けなかったくらいで、何だってんだ・・・」

 まさに「道端で寝るオモシロス」状態となった慶次の顔面を突如、ドラえもん・零式が手にしたハンマーが襲った。ぎりぎりのところでそれを避ける慶次。

斜メ前田慶次「・・・うおっ!? な、何をしやあがる! お前まで、祭りに行けなかったのが悔しいのか!」
ドラえもん・零式「寝ている場合じゃないだろう! ほら、このトンカチを持たないか!」
斜メ前田慶次「こんなもん持って、どうするってんだよ・・・」
ドラえもん・零式「走り去っていく観衆の口から洩れ聞いたところによると・・・今後の合戦は、トンカチだそうだよ! 君は『いくさ人』なんだろう! だから、これを持って行くんだ! 寝ている場合じゃない!」

 涙をこらえながら叫ぶドラえもん・零式の姿を見て、慶次は思わず身を起こした。しかし言っていることがわからない。トンカチで合戦だと!? 一体何のことなのやら・・・

ドラえもん・零式「ひたすら叩いてれば、陣を落とせるらしいよ! ほら、早く!」
斜メ前田慶次「馬鹿言ってんじゃねえよ・・・そんな合戦があるわけないだろう。陣を落とすには、武将首を取るしか・・・」
ドラえもん・零式「その馬鹿なことが、現実に起こっているんだよ! ほら、さっさと行け! 行くんだ!」

 ドラえもん・零式の気迫に押され、トンカチを手にした慶次が同じく「道端で寝るオモシロス」状態となった杉風に声をかけた。

斜メ前田慶次「杉風よ・・・」
杉風「・・・・・・」
斜メ前田慶次「このゲームの仕様で、町中で馬に乗ることはできねえ。だが・・・」
杉風「・・・・・・」
斜メ前田慶次「合戦のときには呼んでやるよ」
杉風「・・・・・・」
斜メ前田慶次「仕様が固まるまで、待っていろ」

 足を引きずりながら合戦場へ向かう慶次。チャリティーマラソンが「中止」扱いとなったことを知ったのは、それから数日後のことであった。ちなみに、『24時間祭り 愛は越後を救う』及び今回のチャリティーマラソンは、全て筆者の妄想です。現実には行われておりませんので、あしからず。
Date: 2013.11.27
Category: 信on
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自覚が足らん! の巻 その弐

 11月12日の夕刻のこと。越後は与板の高級旅籠「あずま屋」の庭に面した一室で、慶次が今まさに座薬を入れんとしていた。二日ほど前から便秘をしていて、腹が張っていたためである。

斜メ前田慶次「しかしまあ・・・座薬を入れるたびにいつも思うんだが・・・」

 下半身のみ露出させ、四つん這いになった慶次が一人呟く。

斜メ前田慶次「この姿だけは、誰にも見られたくねえもんだよなあ。自慰を見られるくらい、嫌なもんだ」

 その後一呼吸入れ、右手人差し指と中指で挟んだ座薬を一気に押し込んだ。

斜メ前田慶次「ぐうっ・・・!」

 慶次のそこが座薬を飲み込み始めたところで突如、障子が開いた。

2013111803.jpg

茜「・・・失礼いたします」

 何とチャリティーマラソンの監視員である茜が、部屋の中にいる慶次に一声もかけずに障子を開けたのである。これには慶次も仰天した。

斜メ前田慶次「・・・なっ!? ちょっ!!」
茜「ひっ!?」
斜メ前田慶次「・・うっ!!」

 思わず力んでしまった慶次の尻から、先ほどの座薬が勢いよく飛び出した。

茜「・・・なっ!? 何か産まれた!?」
斜メ前田慶次「産んでねえよ! というかお前、いったん出ろ! 何見てんだよ!」
茜「・・・たっ、大変失礼いたしました!」

 茜が慌てて障子を閉めたところで、与板見物を終えたドラえもん・零式が手土産を持って現れた。

      _____
    / -、 -、   \
   /   |  ・|・  | 、    \
  / / `-●-′ \    ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄
  |/ ── |  ──   ヽ   |  < ・・・ん?
  |. ── |  ──    |   |    \____
  | ── |  ──     |   l
  ヽ (__|____  / /
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    l━━(零)━━━━┥

ドラえもん・零式「何かあったのかい?」
茜「・・・・・・」
ドラえもん・零式「慶次君、茜ちゃんが来てるよ」

 言いながら障子を開いたドラえもん・零式もまた、慶次が座薬を産み出す姿を目撃することとなった。

ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ!」
斜メ前田慶次「・・・だから! いきなり開けんなって言ってるだろ! 何なんだお前ら!!」
ドラえもん・零式「ご、ごめんごめん。済んだら言ってくれ」

 絶対に見られたくない姿を、一日に二度も見られることとなった慶次の胸中はいかばかりであっただろうか。

斜メ前田慶次「・・・・・・」

 その後、厠から戻った慶次は不機嫌そのもので、一言も言葉を発しようとはしなかった。まずいことになった・・・と茜は思った。あるお願いを慶次にするために参上したからである。しかし、この雰囲気ではとても言い出せそうにない。

ドラえもん・零式「はっはっは。いや、悪かったね。今後は気を付けるよ」

 場を和ますために、ドラえもん・零式が明るく振る舞いながら、缶ビールを慶次に差し出した。

斜メ前田慶次「・・・・・・」

 『酒のほそ道』に登場する岩間宗達のごとく「キュビビビ」とビールを飲み下す慶次であったが、眉間に寄った皺は未だに取れない。

茜「先ほどは、大変失礼いたしました・・・」
斜メ前田慶次「全く。もしお前が女じゃなかったら、今頃はただでは済んでおらんぞ」
茜「重ね重ね、申し訳なく・・・」
ドラえもん・零式「まあまあ、いいじゃないか。そもそも君、変態なんだし」
斜メ前田慶次「誰が変態だ」
ドラえもん・零式「ところで、何か用があって来たんだろう?」
茜「はい・・・でも、やめておきます」
ドラえもん・零式「遠慮しなくていいって。この男は変態だから、むしろ見られて喜んでるよ」
斜メ前田慶次「誰が変態だ」
ドラえもん・零式「さあ、用件を言いたまえ」

 しばしの沈黙の後、茜が恐る恐る用件を申し述べた。

茜「明日はチャリティーマラソンのゴールの日なのですが」
斜メ前田慶次「うむ」
茜「できるだけ早くゴールしていただきたいと思いまして、参上いたしました」
斜メ前田慶次「俺としてもさっさとゴールして飲みに行きたいところだが、理由は何だ?」
茜「その・・・実は・・・」
斜メ前田慶次「何だ? はっきり言え」
茜「お祭りに行きたくて・・・」
斜メ前田慶次「お祭り?」

 茜の話すところによると、監視員はランナーがゴールした時点で非番扱いとなるため、明日の夕刻まで行われる『24時間祭り 愛は越後を救う』で出店している露店や猿回し、大道芸などを見に行くことができる。一年に一度の祭りなので、少しの時間でもいいから参加したい、とのことであった。

斜メ前田慶次「よし、じゃあゴールした後、俺がどこか連れてってやろう」
茜「それは結構です」
斜メ前田慶次「即答で断るなよ」
茜「どうか、お願いします」
斜メ前田慶次「というか、そもそも何で監視員なんか引き受けたんだ? そんな役目を引き受けさえしなければ、今頃は春日山でキャッキャウフフだっただろうに」
茜「サイコロ勝負で負けまして・・・」
斜メ前田慶次「サイコロで決めてんのかよ」
茜「忍者の寄合所に監視員を一人出せ、という命令が下ったときに、みんな嫌がりました。危険な任務ということもあるのですが、やっぱりランナーが斜メ前田様なので」
斜メ前田慶次「そういうこと言うなよ。傷つくだろ」
茜「生まれつきサイコロ勝負に弱い私は、ことごとく負け続け、泣く泣く引き受けることになりました」
斜メ前田慶次「もういい、わかった。これ以上聞くとさらに傷つく気がする」
茜「どうか、どうかお願いします!」

 平伏する茜。

斜メ前田慶次「先ほど言ったとおり、俺としても早くゴールしたいのはやまやまだが」
茜「はい」
斜メ前田慶次「一週間走りどおしで、もう足がボロボロなんだよ。正直、膝を上げるのも辛い状態だ」
茜「・・・・・」
斜メ前田慶次「今日の昼間にも、何度か全力疾走したせいでさらに足がやばくなったしな」
茜「・・・あ、思い出しました! ひどいです! おかげで・・・」
斜メ前田慶次「おかげで、どうしたんだ?」
茜「・・・あ、いえ、何でもありません」
斜メ前田慶次「そもそも、お前が監視員役を放っぽりだして、のんきに草むらの中へ山菜なんざ採りに行くからだ。くのいちとしての自覚を促すために、俺は・・・」
茜「山菜を採りに行ったのではありません!」
ドラえもん・零式「茜ちゃん、そこは山菜採りをしに行ったということでいいと思うんだけどなあ。さもないと・・・」
斜メ前田慶次「じゃあ、何しに行ったんだよ?」
茜「うっ・・・」
ドラえもん・零式「ほら、こうなるじゃないか。何しろ、この男は変態だからね」

 顔を真っ赤にして俯く茜を、慶次がさらに問い詰めた。

斜メ前田慶次「山菜採りでなければ、草むらのなかに行く理由がなかろう。何しに行ったんだ?」
茜「・・・・・・」
斜メ前田慶次「答えなくば、明日は祭りが終わるギリギリの時間にゴールするぞ」
茜「・・・そんな!」
ドラえもん・零式「・・・もういい! 僕が代わりに答えてやる!」
斜メ前田慶次「お前は黙ってろ」
ドラえもん・零式「いいや、黙らない! オシッコさ! 君は野ションをしに、草むらに入ったんだよね? そうだろう!」
茜「え、ええ、その・・・」
ドラえもん・零式「さあ、頷くんだ。そしてこれで、この馬鹿馬鹿しい問答は終わりさ。さあ、さあ!」

 ドラえもん・零式に促され、頷いてはみたものの、正直あまり助け船にはなってない・・・と茜は感じた。

斜メ前田慶次「おおっ・・・! おおっ・・・!」
ドラえもん・零式「何が『おおっ・・・! おおっ・・・!』だ。この変態め」
斜メ前田慶次「それはさておき・・・このとおり、足がボロボロなんだ。その願いは叶わぬ」
茜「そこを、どうにか・・・!」
斜メ前田慶次「そうだな・・・例えばこういうとき、お前みたいな若い娘に甘い言葉でおねだりされたら、男としては元気が出るだろうな」
茜「お、おねだり、ですか!?」
斜メ前田慶次「さあ、やってみろ」

 男に甘えたことのない茜はどうして良いかわからず、ひたすら困惑した。

ドラえもん・零式「また無茶ブリを・・・」
斜メ前田慶次「お前は黙ってろ」
ドラえもん・零式「いいや、黙らない! 茜ちゃん、僕の言うとおりにするんだ。そうすればいける」
茜「ど、どのようにすれば・・・」
ドラえもん・零式「こうさ」

 ドラえもん・零式が茜に耳打ちして間もなく、茜の表情が引きつった。

茜「・・・そ、そんなことできません!」
ドラえもん・零式「頑張ればできる。少しの間の辛抱さ。さあ、さあ」
斜メ前田慶次「何を耳打ちしたのか知らんが、まあやってみろ」

 すっかり挙動不審になった茜が、棒読みでドラえもん・零式から言われたとおりのセリフを口にし始めた。

茜「あ、茜~、お祭りにどうしても行きたいの~、お願い~、慶次~」
斜メ前田慶次「・・・・・・」
茜「ねえ~ん、お願い~」
斜メ前田慶次「・・・茜よ」
茜「・・・はい」
斜メ前田慶次「正直キモい」
茜「・・・ちょっ!」
ドラえもん・零式「こら! やらせといてそりゃないだろう!」
茜「・・・ひどい! やりたくてやったわけじゃないのに! あんまりです!」
斜メ前田慶次「全然なっとらん。お前、本当にくのいちか?」

 もっと演技が上手くならなければ、今後くのいちとしてやっていけんぞ。自覚を持て、と続けようとしたときには・・・すでに茜の姿は部屋から消え去っていた。

ドラえもん・零式「あ~あ。今頃、泣いてるんじゃないのかい?」
斜メ前田慶次「あんなんじゃあ、色仕掛けで男を落とすのは無理だ。やっぱりくのいちには向いてないんじゃないか?」
ドラえもん・零式「色仕掛けだけがくのいちの仕事じゃないだろう」
斜メ前田慶次「そりゃあ、そうだが。それにしても身体はガチガチ、台詞は棒読み過ぎて、かえって申し訳ない気分になってしまった。明日はちょっと頑張ってみるか・・・」

続く
Date: 2013.11.27
Category: 信on
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自覚が足らん! の巻

 11月12日の午の刻(うまのこく、正午頃)。三国峠を走破し、いよいよ越後へ入った慶次一行は道端にて小休止していた。各自汗を拭ったり、水分補給をするなどしながら辺りの景色を見渡していたところで、見覚えのあるくのいちの姿が目に入った。

2013111803.jpg

 昨日、春日山城内にてセクハラ問答を強要された茜が、知人のくのいちと交代するために戻ってきていたのであった。引継ぎでもしているのかと思いきや、何やら談笑している。そこに緊張感は全くと言っていいほど見られなかった。

 しかし、この若いくのいち二人を責めるのはいささか酷というものであろう。実は『24時間祭り 愛は越後を救う』イベントはこの二刻(約4時間)ほど後に開始されることになっている。茜が春日山を発つ頃には、猿回しや大道芸、露店などを開く人々が準備のために慌ただしく動き回っていた。

 普段の生活で楽しいことが皆無と言っていいくのいちにとっては、この一年に一度の祭りが楽しみで仕方がないことは容易に想像がつく。おそらく、慶次一行の動静の引継ぎよりも、祭りの話を優先させてしまっていたのであろう。

ドラえもん・零式「女の子が楽しそうに喋っているのを見ると、和むね」
斜メ前田慶次「・・・気に入らんな」
ドラえもん・零式「え?」
斜メ前田慶次「今すぐ出発するぞ!」
ドラえもん・零式「い、今すぐかい!?」

 手拭を手早く上着の中へ収めた慶次が、通り抜けざまにラジカセの再生ボタンをポチッと押した。



スタン・ハンセンのテーマ『サンライズ』

 全力疾走を始めた慶次の背後から、やや遅れてドラえもん・零式が声をかけた。

ドラえもん・零式「・・・どうしたんだ! いきなり走り出して!」
斜メ前田慶次「キャッキャ、キャッキャとはしゃぎおって。あれでもくのいちか!」
ドラえもん・零式「今日はお祭りなんだし、無理もないんじゃ!?」
斜メ前田慶次「どうせ、猿回しが来てただの、今年こそはかわいい髪飾りを見つけるだの話してたんだろう。それが駄目なんだ!」
ドラえもん・零式「別にいいじゃないか」
斜メ前田慶次「良かあねえ! 緊張感が感じられん。あいつらはくのいちなんだ。自覚を持たせなきゃならん」
ドラえもん・零式「・・・何か二人とも、すごい形相で追ってきてるよ! まさにブチギレというか」
斜メ前田慶次「もう一人のくのいちも、引継ぎが完全に済んでない以上は帰れないんだろうな。モタモタしているからこうなるんだ」
ドラえもん・零式「仕事は終わったのに、全力疾走させられちゃってかわいそう・・・。君は性格が悪いな」
斜メ前田慶次「敢えて心を鬼にしてやっているまでのことだ」

 半刻(約1時間)ほど走ったところで、慶次一行は再び小休止をとった。無駄に全力疾走させられたもう一人のくのいちは、茜に簡潔明瞭に引継ぎを済ませると、素早くその場を去って行った。おそらく、この仕事にもう関わりたくないと思ったのであろう。

ドラえもん・零式「・・・行ったみたいだね」
斜メ前田慶次「うむ、それでいい。これこそが正しい姿なんだ」
ドラえもん・零式「・・・ん?」
斜メ前田慶次「どうした?」
ドラえもん・零式「茜ちゃんが、草むらに入って行ったよ」
斜メ前田慶次「何?」

 ・・・きっと小便だ、と確信した慶次はまたも慌ただしく立ち上がり、叫んだ。

斜メ前田慶次「今のうちだ! あの女をまくぞ! 出発する!」
ドラえもん・零式「・・・な、何だってー!?」
斜メ前田慶次「ポチッとな!」



スタン・ハンセンのテーマ『サンライズ』

 再び通り抜けざまにラジカセの再生ボタンを押し、全力疾走を始める慶次。

ドラえもん・零式「・・・おしっこぐらいさせてやれよ!」
斜メ前田慶次「駄目だ! 状況は刻一刻と変わるもんなんだ! のんびり草むらで小便している場合じゃねえんだよ! まだまだくのいちとしての自覚が足らん!」

 慌てて草むらから飛び出し、慶次たちの追跡を開始する茜。当然ながら、まだ小便を済ますことはできていない。

ドラえもん・零式「・・・あの顔、めちゃくちゃキレてるよ! 止まってあげなって!」
斜メ前田慶次「ならん、ならん」
ドラえもん・零式「もし漏らしちゃったらどうするんだい!?」
斜メ前田慶次「そんなことを気にするようでは、一人前のくのいちにはなれんぞ! 俺には上杉家家老として、若手を育成する義務がある!」
ドラえもん・零式「そんなこと言って、実は我慢プレイさせたいだけだろう!?」
斜メ前田慶次「こらこら。マニアックすぎることを言うな。このブログがヨゴレブログになったらどうするんだ」
ドラえもん・零式「・・・もうとっくになっていると思うけどね」
斜メ前田慶次「いいか、このブログはな。母親が小さい子供を寝かしつけるときに読み聞かせられる、健全なブログを目指しているんだ。滅多なことを言うもんじゃない」
ドラえもん・零式「・・・あ」
斜メ前田慶次「どうした?」
ドラえもん・零式「何か走り方が少しおかしくなってきてるよ」

 ・・・その後、茜が無事に小便を済ますことができたかどうかは、定かではない。
Date: 2013.11.22
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それが大事、の巻

 去る11月11日の昼下がり。慶次と、ドラえもん・零式を背に乗せた杉風は武蔵国・忍城付近に到達していた。

斜メ前田慶次「ここまで来りゃあ、もはや怖いもんはねえな」
ドラえもん・零式「あとは期日に遅れないことだけを考えればいいよ。ところで・・・」
斜メ前田慶次「何だ?」
ドラえもん・零式「気付いているだろう? 彼女の存在に」
斜メ前田慶次「言うまでもないことだ。だが、浜松で会ったあのくのいちではないな」

 二人の言うとおり、付かず離れずの距離で一人のくのいちが追跡してきていたのだが、それは茜ではなく別のくのいちであった。

斜メ前田慶次「・・・害意はないようだ。おそらく茜と交代した監視員じゃないか?」
ドラえもん・零式「君がセクハラするからだ。かわいそうに」
斜メ前田慶次「ムラムラしてやった。今は反省している」
ドラえもん・零式「嘘だな」
斜メ前田慶次「嘘じゃねえって」
ドラえもん・零式「どうせ今、僕らを追ってきている子にもするんだろう?」
斜メ前田慶次「いいや。あまり興味が持てないからな。特に絡むこともしない」
ドラえもん・零式「嘘だな」
斜メ前田慶次「だから、嘘じゃねえって。見ろ、あの装備を。露出が少なすぎてつまらん」
ドラえもん・零式「基準はそれかい」
斜メ前田慶次「俺は、くのいちのグラは・・・」

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斜メ前田慶次「豪の胴衣グラか、ミニスカ(当板鎖帷子)グラしか認めん」
ドラえもん・零式「またマニアックな・・・」
斜メ前田慶次「ちなみに女傾奇なら天鎖グラしか認めん」
ドラえもん・零式「あの、胸を強調している装備か。というか君は料簡が狭いな」
斜メ前田慶次「何とでも言え。とにかく、認めんものは認めん」
ドラえもん・零式「それにしても、もしあのとき・・・茜ちゃんが本当にふんどしを取っていたら、どうするつもりだったんだい?」
斜メ前田慶次「そこまでの度胸はないと、俺は踏んでいた」
ドラえもん・零式「嘘だな」
斜メ前田慶次「だから、嘘じゃねえってんだよ」
ドラえもん・零式「いいや、嘘だ! きっと君は・・・」

 ・・・以下、ドラえもん・零式の想像である。

茜「・・・ほら! 付いてるじゃないですか!」
斜メ前田慶次「確かに、一見付いているように見える」
茜「・・・いやいやいやいや! どこからどう見ても付いてるじゃないですか!」
斜メ前田慶次「実はこれは作りモノなんだ。触ってみればわかる」
茜「そ、そんな・・・!」
斜メ前田慶次「触ってもみないのに、本物かどうかわかるまい? ふ、ふ、ふ・・・」

 以上、ドラえもん・零式の想像であった。しかし慶次、意外なことにノーリアクションでひたすら走り続けている。まるで何も聞いていなかったかのように、である。

ドラえもん・零式「・・・答えるんだ! きっと、この流れに持っていこうとしていたんだろう!」
斜メ前田慶次「ドラ、お前って奴は・・・」
ドラえもん・零式「図星を突かれて、何も答えられないんだろう!?」
斜メ前田慶次「・・・その発想はなかったな。いや正直、引いたよ。自称子どもたちのアイドルともあろう者が、何てことを・・・」
ドラえもん・零式「・・・なっ!? ちょっ!!」
斜メ前田慶次「俺、シモネタ嫌いなんだよなあ」
ドラえもん・零式「・・・ち、違う! 僕は君の考えを読んで!」
斜メ前田慶次「こう見えても俺、草食系男子でな。普段、そういったことは考えないんだよ」
ドラえもん・零式「な、何を言っているんだ!? エロいことしか考えない君が!」
斜メ前田慶次「・・・お前、赤ん坊がどうやってできるか知ってるか?」
ドラえもん・零式「と、突然何を言い出すんだ!? そんなの、子作りするからに決まっているじゃないか!」
斜メ前田慶次「いいや、違うな」
ドラえもん・零式「!?」
斜メ前田慶次「コウノトリが運んでくるんだよ・・・」

 ここに来てとうとう、ドラえもん・零式が杉風から飛び降り、慶次の胸にすがり付いた。

斜メ前田慶次「・・・うおっ!? 何だお前いきなり! マラソンの妨害してんじゃねえ!」
ドラえもん・零式「・・・ぼ、僕が悪かった! だから、さっきの僕の想像は、ブログから削除してくれ!」
斜メ前田慶次「それはできんなあ・・・自分の発言には責任を持たねばならん。その申し出は却下だ」
ドラえもん・零式「僕は、これでも子どもたちのアイドルなんだ! 僕のイメージに関わる重大なことなんだ! だから頼む!」
斜メ前田慶次「ならぬ、ならぬ」
ドラえもん・零式「・・・頼むさくー!!」
斜メ前田慶次「それよりお前、そのラジカセで何か明るい曲をかけろ。このままじゃあ、このブログがただのヨゴレブログになっちまうからな」



大事MANブラザーズバンド『それが大事』

 ・・・一方その頃、知人のくのいちと一時的にチャリティーマラソンランナーの監視員役を交代した茜は、春日山城本丸に呼び出されていた。

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上杉謙信「忙しいところすまなかった。実は、お前の報告書に一部、疑義があってな」
茜「疑義、ですか?」
上杉謙信「『徳川領三河において、若い娘の集団に斜メ前田様がホニャララをぶらつかせ』とあるが・・・」
茜「・・・・・・」
上杉謙信「一応は公文書なのだから、ホニャララはないだろう、ホニャララは」

2013111803.jpg

茜「・・・申し訳ございませんでした。すぐに書き直します」

 深々と頭を下げ、立ち上がろうとした茜を、謙信が口頭で制した。

上杉謙信「いや、いい。お前も忙しいのだから、今、この場で儂が問題の部分を訂正する」
茜「ははっ」
上杉謙信「では聞くが・・・ホニャララとは何だ? 具体的に述べい」

 またこの流れかよ・・・と茜は思ったが、相手は主君だけに表情に出すことはできない。

茜「そ、その・・・あれです」
上杉謙信「あれ、ではわからぬ。具体的に述べよ」
茜「つ、つまりその・・・陰部です」

 ここまで言えばわかるだろう、と思った茜の予想は見事に裏切られることとなった。

上杉謙信「インブ? 南蛮の言葉で言われてもわからぬ。日本語で言わぬか」
茜「・・・い、いえ! 陰部は日本語です!」

 ご存知ないのですか!? と続けようとして、やめた。もし言えば、主君を愚弄することになるからだ。

上杉景勝「殿、恐れながら申し上げます。陰部とは・・・」
上杉謙信「お主は黙っておれ。儂は茜に訊ねておるのだ」
上杉景勝「はっ!? ははっ・・・」

 景勝によって出された助け船は、わずか数秒で沈むこととなった。

茜「・・・では、私が訂正いたしますので、その報告書をお貸し下さい」
上杉謙信「ならぬ。すでに該当箇所に二重線を引き、儂の訂正印を押してしまった。儂の直筆でなければならぬ」
茜「では、新しく書き直してきます!」
上杉謙信「それもならぬ。儂もお前も忙しい。今、この場でお前から聞いて記入すれば済むことだ」
茜「ですから、陰部です」
上杉謙信「わからぬ奴だな。南蛮の言葉ではなく、この国の言葉でわかりやすく簡潔に述べよと申しておるのだ」

 頬を真っ赤にして俯く茜に、景勝が耳打ちした。

上杉景勝「やむをえん・・・[ピー]と言えば殿もおわかりになられるはず」
茜「・・・こ、この場でですか!?」

 今や十数人の重臣が、茜の動向を固唾を飲んで見守っていた。

上杉景勝「一時の恥と思い、言うしかない。さあ」
茜「わ、わかりました・・・」
上杉謙信「さあ、早く言わぬか」
茜「オ・・コです」

 茜の発言に、「おおっー・・・」と重臣全員からため息が上がったが、謙信だけは相変わらず鋭い視線を茜に向け続けていた。

上杉謙信「何と言ったのか、さっぱり聞こえぬ。もっと大きな声で言え」
茜「ですから! オ・・コです!」
上杉謙信「オとコの間がはっきり聞き取れぬと申しておる」
上杉景勝「殿、恐れながら申し上げます。おそらく茜は、オチン・・・」
上杉謙信「お主は黙っておれと言うたはずだ!」
上杉景勝「はっ、ははっ・・・」

 景勝によって出された助け船第二号もまた、わずか数秒で沈むこととなった。

上杉謙信「さあ、早くせぬか!」
茜「オチ・・コです!」
上杉謙信「ん? 聞こえんな。何だって?」
茜「・・・いやいやいやいや! 聞こえてるでしょ!」
上杉謙信「オチ、とコの間だけが聞き取れぬ」
茜「・・・ああもう! ですから! [ピー]です!」

 とうとう大声ではっきりと答えたことで、謙信を含めたその場の男全員が感嘆のため息をついた。

上杉謙信「・・・わっはっはっは! そうか、[ピー]のことか! そういえばインブも日本語であったな! いや、儂としたことが・・・」
茜「・・・・・・」
上杉謙信「全く、初めからそう言えば良いものを・・・時間がかかってしょうがないわ。はっはっは」
茜「・・・・・・」
上杉謙信「さて、その[ピー]を斜メ前田は具体的にどうしたのだ?」
茜「まだ続くのかよ」

 辺りはいつの間にか夕暮れとなり、茜が疲れ果てて帰路についた頃、慶次一行は上州前橋の旅籠「玉屋」にて旅装を解いていた。

斜メ前田慶次「・・・というかよお! たかが[ピー]も言えねえようじゃ、くのいちとして失格だぞ!」
ドラえもん・零式「色んな人がいるんだって」
斜メ前田慶次「時には色仕掛けで、敵を陥れなきゃならんときもあるんだ。くのいちとはそういうもんだ」
ドラえもん・零式「色仕掛けだけがくのいちの仕事じゃないだろう。あの子は潜入や工作の腕なら一流と見た」
斜メ前田慶次「俺は敢えて、茜に恥をかかせるつもりだ。まあ、もしまた会うことがあったらの話だがな」
ドラえもん・零式「何が敢えてだ。喜んでやっているくせに」
斜メ前田慶次「さて、いよいよ前橋まで来たな。あとは国境を越えて越後へ入るだけだ。期日の11月13日には充分間に合いそうだな」

続く
Date: 2013.11.19
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聞こえんなあ~。何ですって~?の巻

 今川家は同盟国であることから、慶次はゆるゆると街道を走り、申の刻(さるのこく、午後3時頃)に提携旅籠「あさだ屋」にて旅装を解くと、狂ったように酒を飲み始めた。

斜メ前田慶次「・・・プハーッ! やっぱり痺れ薬がちょっと入った状態だと、キクな!」

 もちろん、ドラえもん・零式も負けてはいない。

ドラえもん・零式「僕は今日ほど、旨い酒を飲んだことはないよ!」

 そのまま一刻(約2時間)ほど飲み続けた後に風呂へ行き、上がった後は夕食の膳をつまみながらまたも酒盛りを始める二人。いつしか外は暗くなり、浜松の空には満天の星空が広がっていた。

ドラえもん・零式「・・・慶次君! 庭に出てみなよ! 星空が綺麗だよ!」
斜メ前田慶次「ほう、どれどれ・・・」

 一階の庭付きの部屋を割り当てられたため、庭に出ることも可能であった。ドラえもん・零式に続いて、草履をつっかけ庭へ出る慶次。

斜メ前田慶次「この時期になると、空気が澄んで星空も綺麗だな」

 空を見上げながら、慶次が呟いた。

斜メ前田慶次「今年もいつの間にか残りわずかだ。お前には苦労をかけたな。来年も・・・」

 よろしく頼む、と言おうとしたところで、予想外の事態が起こった。

2013111802.jpg

斜メ前田慶次「ウッ・・・」

 何と、ドラえもん・零式が慶次に強烈な腹パンを入れたのである。突然の苦しさと痛みでその場にうずくまる慶次を尻目に、ドラえもん・零式は草履を脱ぎ、部屋へ上がろうとしていた。

ドラえもん・零式「さて、綺麗な星空も見れたし、飲み直すか」
斜メ前田慶次「・・・こら待て! 何だ今の腹パンは!」
ドラえもん・零式「え?」

 何故、そんな質問をされるのかわからない、という表情で慶次を見つめるドラえもん・零式。

斜メ前田慶次「・・・え? じゃねえだろ! 今の腹パンは何だってんだよ!」
ドラえもん・零式「何って・・・夜空の腹パンじゃないか。何を今さら・・・」
斜メ前田慶次「よ、夜空の腹パンだと!?」

 ドラえもん・零式の語るところによると・・・22世紀の、特に若いカップル、夫婦の間で浸透しつつある習慣で、二人で綺麗な星空を見上げた際に、まず女性が男に腹パンを入れる。場合によってはメリケン・サックも使用可で、男はその痛みと苦しさに耐えながら、共に愛を語らうのだそうである。

 何故腹パンなのかというと、女性が「私だけを見て」とアピールする意味があるのだそうだ。習慣と言うよりは儀式に近い、とも言える。例えばクリスマス時期の湘南平の夜などは、そこかしこで男のうめき声が聞こえてくるらしい。とある若い女性などは「毎年クリスマスに、湘南平で彼氏に腹パン入れてます♪ そのためにジムに通って身体を鍛えてます(笑)」と、街頭のインタビューに答えるほどらしい。

ドラえもん・零式「ちなみに僕がこれをやるのは・・・僕が君を家族として認めている証拠ってことさ」
斜メ前田慶次「だから何でお前が上から目線なんだよ。というか、こういうのはいきなりやるなって言っただろ」
ドラえもん・零式「ごめんごめん。てっきり、以前にもやったことがあると思っていたよ」
斜メ前田慶次「22世紀、一体どうなってんだよ・・・妙な習慣ありすぎだろ・・・」

 慶次が不機嫌そうに部屋に戻ったところで、突如ふすまが開いた。

2013111803.jpg

旅籠の仲居「・・・失礼いたします。追加の料理をお持ちいたしました」

 慶次は即座に、この仲居がくのいちであることを見破った。

斜メ前田慶次「くのいちが、何で仲居やってんだよ」
旅籠の仲居「え!? な、何でバレたんだろう・・・」
斜メ前田慶次「鉢金を付けたまんまじゃねえか」
旅籠の仲居「・・・あっ」

 少し天然の入ったこのくのいちは、「茜」と名乗った。

斜メ前田慶次「誰の手の者だ? 敵じゃねえようだが」
茜「大殿・・・上杉謙信様直属の者です」
斜メ前田慶次「今まで姿を見なかったが、どこに潜んでいた?」
茜「ずっとそばにいましたよ。気付いておられなかったようですけど」

 この茜、チャリティーマラソンランナーの監視役を命ぜられているとのことであった。敵国を抜けたらランナーと話をしても良いと言われ、得意げに仲居に扮して登場してみたところ、即座に見破られ恥ずかしい思いをしたとも述べた。

斜メ前田慶次「じゃあさっき、関所を突破したときにもいたのか?」
茜「はい。馬の腹にしがみついて一緒に飛び越えました」
斜メ前田慶次「杉風の腹にいたのか。全く気が付かなかった。さすが忍びだな」
茜「それにしても、さっきのはひどいです。『変わり身挑発』を使うなんて・・・」
斜メ前田慶次「・・・いや、だから、それはな・・・」

 仮に自分が倒れたら、ドラえもん・零式も杉風も捕まることになる。あの状況ではそうするしかなかったと懸命の言い訳をする慶次であったが、茜にはうまく伝わっていないようであった。

茜「街道沿いに集まっていた女の子たちにも、淫らなマネを・・・」
斜メ前田慶次「待て、待て。俺は懲らしめるために追いかけ回しただけだ。指一本触れちゃおらんぞ」
茜「このことは、私が大殿に報告したのちに全国民に知らされることになります」
斜メ前田慶次「上杉家の家老として命ずる。そのへんのことは報告するな」
茜「私は、大殿から状況を逐一報告しろと命令されていますので」
斜メ前田慶次「くっ・・・!」

 窮した慶次、どうにか状況を打開しようと、苦し紛れに茜に問うた。

斜メ前田慶次「さ、さっき淫らと言ったが・・・具体的にどう淫らなんだ?」
茜「え!? だって、あんなことを・・・」
斜メ前田慶次「あんなことって、どんなことだ?」
茜「その、つまり、下半身を露出させて・・・」

 ここでドラえもん・零式が助け船を出した。

ドラえもん・零式「こらこら、若い娘にそんなことを聞くもんじゃない」
斜メ前田慶次「お前は黙っていろ。それに下半身を露出させてと言ったが・・・実は俺は女だ」

 まさかの「俺は女だ」発言に、茜は困惑した。

茜「ええっ!? だ、だって・・・」
ドラえもん・零式「茜ちゃん、まともに話を聞くことないよ」
斜メ前田慶次「だからセクハラには当たらない。当たるというなら理由を言ってもらおうか」
茜「付いてたじゃないですか! あなたは男です! 妙なことを言い出さないで下さい!」
斜メ前田慶次「付いてたって何が?」
茜「な、何って・・・」
斜メ前田慶次「俺の股間に、何が付いてたって聞いてるんだ」

 完全にセクハラ親父モードに入った慶次の暴走は、留まる気配がなかった。

ドラえもん・零式「いい加減にしないか! 僕が代わりに答えてやる!」
斜メ前田慶次「お前は黙ってろ。さあ、俺の股間に何が付いていたのか答えてもらおうか」
茜「オ・・・コが・・・」
斜メ前田慶次「え!? どうも聞こえんなあ~。何ですって~?」
ドラえもん・零式「黙れ! というか茜ちゃん、答えなくていいって!」
茜「オチ・・・コが・・・」
斜メ前田慶次「聞こえんなあー。ほら、もっと大きな声で!」
茜「[ピー]が付いてたって、言っているんです!」
斜メ前田慶次「おおっ・・・おおっ・・・!」

 若い娘にはっきりと言わせた満足感にひたり、何度もうなずく慶次。

ドラえもん・零式「言うことないのに・・・! そんなに真面目じゃ、この先苦労するよ・・・」
斜メ前田慶次「でもそれは君の見間違えじゃないかな? 何しろ俺は女だからな」
ドラえもん・零式「まだ言うのか。黙れこの変態め」
茜「見間違えなんかじゃありません! 私ははっきり見ました!」
斜メ前田慶次「何を見たんだい?」
茜「だから、[ピー]を!」
斜メ前田慶次「おおっ・・・おおっ・・・!」
ドラえもん・零式「いい加減にしろ! さもないと撃つぞ!」

 ショックガンを構えるドラえもん・零式。しかし慶次はそんなものは歯牙にもかけていない。

斜メ前田慶次「君は俺の股間に[ピー]が付いていたと言っているが、どうやってそれを証明するんだね?」
茜「ど、どうやってって・・・」
斜メ前田慶次「俺が思うに、実際に見てみるのが一番だと思うんだ。ほれ」

 浴衣の裾をまくり上げ、ふんどしを露出させた慶次が仰向けに寝ころんだ。

ドラえもん・零式「・・・もう撃つ!」
斜メ前田慶次「撃ったら今月の小遣いなしだ」
ドラえもん・零式「くっ! 卑怯な!」
斜メ前田慶次「ほれ、ふんどしを取ってみな。ふ、ふ、ふ・・・」

 屈辱と恥ずかしさで頬を真っ赤に染めた茜が取った行動は、慶次の予想の斜め上を行っていた。

茜「・・・こ、このことも含めて! 大殿に報告します! もう絶対許せない!」
斜メ前田慶次「・・・ちょっ、待てよおー」

 裾を直しながらキムタク風に茜に声をかけたが、頭に血の昇った茜は聞く耳を持とうとしなかった。

茜「全国民に言いふらしてやります! チャットマクロで大声で連呼します!」
斜メ前田慶次「・・・やめろ! それだけは! 俺が悪かった!」

 慶次が叫んだときには、すでに茜の姿は部屋から消え去っていた。

ドラえもん・零式「・・・君のせいで、僕までヨゴレだと思われるだろ! いい加減にしてくれよ!」
斜メ前田慶次「こりゃ、まずいことになった。何とかせねば俺が居場所を失ってしまう」

続く 
Date: 2013.11.18
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前門の虎、後門の狼の巻

ドラえもん・零式「・・・くそっ! 当たれえーっ!」
斜メ前田慶次「ドラ! 無駄だ! とにかく振り落とされないことだけ考えろ!」

 慶次を刺した若い野盗の口に猿轡を噛ませてから間もなく、今度は十名ほどの忍びに追われることになった慶次とドラえもん・零式は、関所を目指しひたすら山道を駆けた。木の枝を伝いながら追ってくる忍びたちに対し、馬上から振り返りながらドラえもん・零式が幾度かショックガンを放ったが、射撃の名手でもない彼が当てられるはずもなかった。

斜メ前田慶次「ショックガンをしまえ! 手綱から手を離すな!」

 指示を出している間にも、手裏剣と吹き矢が首筋をかすめて行く。

斜メ前田慶次「どうしても、関所に突っ込まなきゃならんのか!? 抜け道は使えないのか?」

 右手に手綱、左手にラジカセの取っ手を握りしめたドラえもん・零式が、恐怖に顔を引きつらせながら答えた。

ドラえもん・零式「・・・抜け道はコースから外れている! 使うと失格になるよ!」
斜メ前田慶次「このコース考えた奴は誰だ! ちくしょう!」
ドラえもん・零式「ぼ、僕はもう嫌だ! 二度とチャリティーマラソンの話は受けないでくれ!」
斜メ前田慶次「当たり前だ! 二度とやるか、こんなもん!」

 すでに背中と肩に数本、吹き矢が突き立っている慶次、何とか気力を振り絞って走り続けているが、仕込まれた痺れ薬が徐々に身体を蝕み始めていた。このまま飛び道具の的になり続けていては、いずれ倒れてしまうことは必定であった。

 それに比べ、ドラえもん・零式と杉風は何故か的になることがなく、全くの無傷であった。これはおそらく忍びたちが、慶次を捕らえることを命令されているからであろうが、慶次が捕まった後は当然彼らも捕まることになる。「ただの同伴者です」などと言ったところで、見逃されるはずがない。

 しかし慶次にとって、そんなことはどうでもいいことであった。とにかく今のままではまずい。どうにかして、忍びたちの注意を他に向けさせなければならない。何かないかと、走りながら必死に前方に目を向けたところで、ドラえもん・零式が手にしているラジカセが視界に入った。

斜メ前田慶次「・・・これだ!」
ドラえもん・零式「ん? いきなりどうしたんだい?」
斜メ前田慶次「ドラ! 杉風! すまん! 少しの間の辛抱だ!」
ドラえもん・零式「え? 何だって?」
斜メ前田慶次「・・・再生ボタンを、ポチッとな」



ブルーハーツ『トレイントレイン』

ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ! な、何てことを!」

 杉風もまた「何てことしやがる!」という表情で慶次を睨み付けたが、慶次は無視して彼らを追い抜いて行った。大音量で流れ出した『トレイントレイン』に忍びたちは一瞬戸惑ったが、これを「挑発」と受け取った彼らは、すぐに怒りの矛先をドラえもん・零式と杉風に向けた。

ドラえもん・零式「・・・うわあああああ!!」

 吹き矢と手裏剣が身体のあちこちをかすめて行く中で、どうにかしてラジカセの停止ボタンを押そうとするドラえもん・零式であったが、怯えた杉風が速度を上げて走り始めたため、とても右手の手綱を放せる状況ではなかった。「なら、ラジカセを地面に捨てればいいじゃないか」とお思いになられた方もおられるだろうが、このときのドラえもん・零式はテンパりまくっていたため、その発想に辿りつけなかったのであった。

ドラえもん・零式「・・・この人でなし!!」

 数歩ほど前方を走る慶次の背中に、ドラえもん・零式が怒りの言葉をぶつけた。

斜メ前田慶次「これぞ斜メ前田慶次流、『変わり身挑発』よ!」
ドラえもん・零式「一生恨んでやるからな!」
斜メ前田慶次「そんなことより前を見ろ!」
ドラえもん・零式「前!? ・・・ゲエーッ!」


2013111701.jpg

関所兵「・・・生死は問わん! 奴らを捕らえろ!」

 いつしか山道を抜けていた慶次たちの前方に、槍の穂先を揃えた関所兵が充満していた。その数は、およそ百名ほどであろうか。

ドラえもん・零式「・・・は、挟み撃ちにされたァーッ!」
斜メ前田慶次「まさに前門の虎、後門の狼ってやつだ!」
ドラえもん・零式「どうするんだ!? どうするんだ、慶次君!!」
斜メ前田慶次「杉風!」
杉風「!?」
斜メ前田慶次「あいつらの頭の上を飛び越えて門を駆け抜けろ!」
ドラえもん・零式「無理だ! そんなこと!」
斜メ前田慶次「松風ならできる! だから杉風、お前もやれ!」
杉風「・・・・・!!」
ドラえもん・零式「君はどうするんだ!?」
斜メ前田慶次「俺はこれだ!」

 走りながら、先ほど野盗から奪った槍を構える慶次。

ドラえもん・零式「・・・戦うのかい!? 無茶だ!!」
斜メ前田慶次「いいや、戦わん! 『お尋ね者』になると後々面倒だからな!」
ドラえもん・零式「なら、早く君も乗りたまえ!」
斜メ前田慶次「駄目だ! それじゃあ、飛行機に乗った猿岩石と同じになっちまう!」
ドラえもん・零式「じゃあ、どうするんだ!?」
斜メ前田慶次「俺も飛ぶ! いいか、ぎりぎりまで引きつけろ!」

 そして関所兵たちが間近まで迫った瞬間・・・杉風は飛んだ。

ドラえもん・零式「・・・うひいいいいいい!!」

 顔を伏せ、全てを杉風に委ねるドラえもん・零式。その真横では慶次が地面に突き刺した槍の弾力を用い、同じく飛び上がっていた。

関所兵「・・・な、何だとーっ!?」

 為すすべなく上を見上げる関所兵たち。わずか数秒のうちに慶次一行は、関所兵たちの背後に回ることに成功した。あとは無人の門を駆け抜けるのみとなった。

斜メ前田慶次「うわっはっはっは! さらばだ!」

 得意げに門を駆け抜けようとする慶次を見て、杉風の中にある疑問が浮かんだ。それは「前田慶次のバッタモノである斜メ前田慶次が、こんなにかっこよくていいのか!?」ということである。杉風もまた、松風のバッタモノとして常に松風と比較され、不遇な日々を過ごしてきた。そして様々な葛藤を経たのちに、彼はある境地に達した。「バッタモノはバッタモノらしくあらねばならない。本物に対して対抗心を燃やすのは良いが、あくまで本物を越えてはならない」と。

 合戦場において前田慶次を倒し、前田慶次より有名になることを目指す慶次とは、生き方が若干異なる。杉風は松風と肩を並べることを目標にしており、松風以上に有名になることまでは望んでいない。そんな彼にとって、眼前の慶次は許容できる存在ではなかった。

「・・・誰も傷つけることなく、鮮やかに窮地を乗り越えてんじゃねえよ。前田慶次を越えてしまっているじゃないか」

 杉風の中に、黒い感情が芽生えた。このまま慶次を三河から脱出させてはならない。何とかしてオチをつけなければならない。杉風はこの後慶次に殺されることすら覚悟の上で、慶次に向かって突進した。

斜メ前田慶次「・・・ぐぶぇっ!?」

 予想だにしなかった杉風の頭突きを背中に受けた慶次は、無様な体勢のまま門を越え、今川領遠江へ入国することとなった。そして慶次の身体が門の向こうへぶっ飛んだことを確認した杉風もまた、急ぎ門を越え遠江へ入国したのであった。

続く
Date: 2013.11.18
Category: 信on
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夢です、の巻

 ・・・わからぬ。幼時は「神童」と呼ばれ、今では甲州流軍学を究めた俺でも、わからぬ・・・

2013111401.jpg

 一体、何がどうしてこうなったのだ! ついこの間までは皆、金槌など持って合戦に来なかったではないか! 何故だ! 何故、皆しゃがみ込んでいるのだ! 何故、誰も戦おうとしないのだ!

斜メ前田慶次「・・・修正される前に、叩けるだけ叩いて稼いでやるぜ!」

 ・・・修正? 叩けるだけ叩く? 何を言っているのかわからぬ・・・それに、俺の巡回路に敵PCが充満していて歩けん・・・! どうすれば良いのだ・・・甲州流軍学の教本にはこんな事例は載っていなかったぞ・・・! ああ、俺は一体どうしたら・・・! というか、そもそもこれ、合戦なのか・・・!? 俺は夢でも見ているのか!?
Date: 2013.11.14
Category: 信on
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危機一髪の巻

 粗チンをしまった慶次は、その後街道沿いのいくつかの屯所を命がけで駆け抜け、いよいよ今川領遠江との国境近くまで到達していた。

斜メ前田慶次「・・・この山道を抜ければ、関所だ。だがちと疲れた。小休止していいか?」
ドラえもん・零式「ここまで、ずっと走りどおしだったしね。水分補給しよう」

 路上に座り、ドラえもん・零式から清水の入った竹筒を受け取る慶次。その表情にはさすがに疲労の色がうかがえた。

斜メ前田慶次「今川領の遠江に入ることができれば、安心だ。今宵の宿はどこになっている?」
ドラえもん・零式「・・・んと、浜松のあさだ屋という旅籠になっているね」
斜メ前田慶次「よし。あさだ屋では浴びるほど飲むぞ。何しろ、敵地じゃねえんだからな。パッとやるぞ」

 すでに遠江に入ったことを想定して話す慶次は、戦国の世の『いくさ人』としてはまだまだ甘いと言わざるを得なかった。過去、このチャリティーマラソンに失敗したランナーは、いずれも敵地での油断が命取りになっているのだ。

斜メ前田慶次「・・・ぐあっ!!」

 突如、慶次が苦痛に表情を歪めた。

ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ! け、慶次君!!」

 何と慶次の脾腹に、槍の穂先が深々と突き刺さっていたのであった。それを目視したと同時に、茂みの向こうから下卑た笑いが聞こえてきた。

???「・・・へ、へっへっへ! やった・・・上杉家の家老を仕留めた・・・!」

 傷口をぐりぐりとえぐり、ゆっくりと立ち上がった若い男からは、強烈な体臭が漂っていた。おそらくこの近くに巣食う、野盗の一味なのであろう。力なく地面に倒れ伏す慶次。

ドラえもん・零式「・・・う、うわあああーーー!!」

 ドラえもん・零式が狂ったかのように、ショックガンを連発した。全身に弾丸を受けた若い男は声もなく気絶し、うつ伏せになって倒れたが、ドラえもん・零式の狂騒は収まる気配がなかった。

ドラえもん・零式「・・・な、何てこと・・・! 何てことだ! くそっ!!」

 消毒液と包帯を手にしたドラえもん・零式の表情に、絶望の表情が浮かんだ。何と、慶次の傷口からは、傷ついた内臓が地面にこぼれ出ていた。医療技術の進んだ平成の世ですら、助かるかどうか不明な重傷であった。

ドラえもん・零式「こ、この傷ではもはや・・・! 慶次君!!」
斜メ前田慶次「・・・ち、ちくしょう・・・やられちまった・・・! へっへっへ・・・!」
ドラえもん・零式「喋るな! 喋っちゃいけない! くそっ! どうすればいいんだ! 僕はどうしたら!!」
斜メ前田慶次「・・・慌てるな・・・ドラ・・・あれだ・・・あれを出せ・・・!」

 ドラえもん・零式は、慶次がトドメを刺してくれることを期待しているのだと解釈し、杉風の荷物袋にしまってあった太刀を鞘から引き抜いた。

ドラえもん・零式「動かないで・・・今、楽にしてあげる」
斜メ前田慶次「・・・ばっ・・・馬鹿・・・! 違う・・・!」
ドラえもん・零式「ん? 自分でやるのかい? だったら太刀じゃなく脇差か・・・」

 脇差を鞘から引き抜いて慶次に渡そうとしたところで、慶次が拒絶した。

斜メ前田慶次「・・・だ・・・だからそうじゃねえって・・・!」
ドラえもん・零式「自害しないのかい? じゃあ。やっぱり僕が介錯するしか・・・!」
斜メ前田慶次「・・・も・・・もう、いい・・・!」
ドラえもん・零式「!?」

 慶次、全身全霊の力を振り絞り、杉風の荷物袋をまさぐった。

ドラえもん・零式「・・・あ、ああ~! まさか、それだったとは・・・!」
斜メ前田慶次「・・・はああああ~~!!」

 皆さんもお察しのとおり、慶次が求めていたものとは、治身仙のことであった。慶次が治身仙を連打するたびに、飛び出た内蔵が少しずつ修復されながら体内に収まり、やがて傷口が塞がったのであった。

斜メ前田慶次「・・・やれやれ。ようやく生き返った心地だ」
ドラえもん・零式「・・・・・・」
斜メ前田慶次「お前、モタモタしてねえで、早く治身仙を渡してくれってんだよ。危うく春日山の墓地に飛ぶところだったぞ」
ドラえもん・零式「・・・・・・」
斜メ前田慶次「ついでに、奥歯の虫歯も治しとくか」
ドラえもん・零式「!?」
斜メ前田慶次「正露丸みたいに詰めれば完成、っと」

 ・・・そしてそれから数十秒後。

ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ! 虫歯の穴が完全に修復されている!」
斜メ前田慶次「戦国の世の治身仙をナメるな。この時代の薬師さんは凄えんだぞ。虫歯から末期癌、脳挫傷、エボラ出血熱まで何でも治すのがこの薬だ。お前はまだまだ、この世界を理解していない」
ドラえもん・零式「こ、この薬だけは・・・22世紀の医学でも敵わない・・・! 恐るべし、戦国の世・・・!」
斜メ前田慶次「まあ、さすがに老衰と天命による死まではどうにもならんようだが・・・おかげで疲労も吹き飛んだ。行くぞドラ。この後、関所を抜け、遠江に入る」
ドラえもん・零式「・・・この若い野盗の子はどうするんだい!?」
斜メ前田慶次「ふん縛って、猿轡を噛ませてそこらに転がしとけ。こいつに天命があれば、誰かが助けるだろう。さて、こいつの槍は、俺が迷惑料としてもらっておく。何かの役に立つかもしれねえからな」

続く
Date: 2013.11.14
Category: 信on
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負けないで、の巻

 命がけのチャリティーマラソンランナー、慶次が敵国内である徳川領三河へ足を踏み入れたのは、11月9日の昼過ぎのことであった。

ドラえもん・零式「・・・慶次君! 何か、人がたくさん追ってきているよ! 伴走応援かな!?」
斜メ前田慶次「・・・伴走応援じゃねえよ! ありゃあ、関所兵だ! 追手だ!」
ドラえもん・零式「まずい! 鉄砲を構えだした!」
斜メ前田慶次「ドラ! 飛ばせ! 飛ばして射程距離から出ろ!」
ドラえもん・零式「・・・うん!」

 右手に持ったムチで、馬上から杉風を追い込むドラえもん・零式。間もなく背後から一斉射撃の音が轟いたが、二人と一頭は間一髪のところで射程圏から外れていた。

斜メ前田慶次「・・・この先にも、いくつかの屯所があるはずだ! 街道から外れるわけにはいかねえのか!?」
ドラえもん・零式「駄目だよ! コースから外れたら失格なんだ!」
斜メ前田慶次「これじゃあ、命がいくつあっても足らんぞ!」
ドラえもん・零式「それを承知で引き受けたんだろう?」
斜メ前田慶次「ええい、こうなりゃヤケだ! ドラ、ラジカセのスイッチを入れろ!」
ドラえもん・零式「・・・正気かい!?」
斜メ前田慶次「音楽が流れていても、流れていなくても一緒だ! すでに俺の侵入はバレているんだからな!」
ドラえもん・零式「どうなっても、知らないよ! ・・・ポチッとな」



ZARD『負けないで』

 ・・・やがて街道沿いに近隣の町人や百姓たちの姿が現れた。口々に、ランナーである慶次に向かって何やら叫んでいる。

ドラえもん・零式「敵国の人たちとはいっても、やっぱり応援してくれるとありがたいね」
斜メ前田慶次「・・・馬鹿、応援なんかされてねえよ。もう少し近付けばわかる」
ドラえもん・零式「え!?」
斜メ前田慶次「・・・見ろ、あの連中のツラを。あれが歓迎してくれているように見えるか?」

 ドラえもん・零式が慶次の言葉を理解できたのは、その後間もなくのことであった。街道の両端に陣取った町人、百姓たちの口から発せられていたのは、慶次に対する応援の声ではなく、罵声だったのだ。

「何しに来やがった!」
「帰れー!」
「死ねー!」
「生きて帰れると思うなよ!」

 など、耳を塞ぎたくなるような罵声、ブーイングが慶次に浴びせられた。中には腐った卵を投げつけてくる者もいた。

ドラえもん・零式「慶次君・・・」
斜メ前田慶次「・・・やむを得んだろう。この者たちにとって、俺は敵なんだからな」
ドラえもん・零式「・・・・・・」
斜メ前田慶次「合戦場で、俺はこの者たちの肉親や親友を討ち取ったかもしれんのだ。甘んじて受け入れるしかねえ」
ドラえもん・零式「・・・早く駆け抜けてしまおう。それが、お互いのためだから」
斜メ前田慶次「でもよお」
ドラえもん・零式「ん?」
斜メ前田慶次「・・・やっぱ、ヘコむわー。『負けないで♪ もうすこし 最後まで走りぬけて♪』って聞いても、やっぱヘコむわー」
ドラえもん・零式「あと少しの辛抱さ・・・」

 敵意剥き出しの大人たちの集団からようやく抜けたところで、今度は年頃の娘の集団に出くわした。そして彼女たちもまた慶次に対し、口々に罵声を浴びせかけてきた。

「粗チン!」
「短小!」
「早漏!」
「どうせ下手くそなんでしょ!」
「何かイカ臭い!」

 ・・・これまた、男なら耳を塞ぎたくなるような罵声のオンパレードであった。始めのうちは「はっはっは。全く、年頃の娘はこれだからよお」などと笑って聞き流していた慶次だったが、とうとう我慢の限界に達したようで、手早くふんどしを取り去ると急に方向を変え、娘たちへ向かって突進した。

斜メ前田慶次「粗チンかどうか、試してみるか!」
娘たち「・・・ぎゃあーっ!」
斜メ前田慶次「・・・フォ~ウ!」

 露になったイチモツをブランブランさせ、奇声を発しながら娘たちを追いかけ回す慶次。その姿はまさにキ〇ガイそのものであった。馬上から慌てて慶次を制すドラえもん・零式。

ドラえもん・零式「・・・こら! こら! 何やってるんだ! コースに戻れ!」
斜メ前田慶次「ったく。大人をからかうからこうなるんだ」
ドラえもん・零式「コースから外れると失格になるぞ! さあ、早くその粗チンをしまうんだ!」
斜メ前田慶次「だから粗チンって言うなってんだよ」

続く
Date: 2013.11.11
Category: 信on
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愛は越後を救う、の巻

 11月4日の早朝。旅装束に身を固めた慶次は、自宅の門前でウォーミング・アップを開始していた。

斜メ前田慶次「・・・まだかドラ! モタモタするな!」
ドラえもん・零式「ちょっと待ってくれたまえ。いくら何でも、急な話過ぎて・・・」
斜メ前田慶次「早くしねえと置いていくぞ!」
ドラえもん・零式「そんなに焦らせないでくれよ」

 慶次が、越後で毎年この時期に開催される24時間祭り『愛は越後を救う』のチャリティーマラソンランナーに突如選出されたのは、昨晩遅くのことであった。

 このチャリティーマラソンは平成の世の24時間テレビと同じく、定められた時間内で決められたコースを走り抜きゴールするという企画だが、平成の世の24時間テレビのように甘くはない。

 森三中の大島は88キロを走ったそうだが、そんな「やわ」な内容ではない。たかが88キロでは、戦国の世のいくさ人ならそれこそあっという間に走り抜けてしまう距離である。それでは感動も何もあったものではない。

 『愛は越後を救う』では、日本を一周する。当然のことながらこの時代、道路は整備されていないため場所によっては命がけである。また、敵国内も走り抜けなければならないため、追手や暗殺者も警戒しなければならない。

 ちなみにこのチャリティーマラソン、かなり以前から行われているそうだが、完走したのはほんの数人と言われている。事故に遭い行方不明になるか、敵国内で無念の斬り死にを遂げる者がほとんどなのだ。

 普通の感覚の持ち主なら、この話を持ちかけられたときに即座に断るのだが、何と慶次は快諾した。「完走したらモテモテに違いない」という不純極まりない動機であったが、とにかく慶次はこの企画を引き受けた。この決断が果たして吉と出るか凶と出るか・・・それは神のみぞ知るとしか言いようがない。

斜メ前田慶次「・・・全く、支度の遅い奴だ。まるで女だな」

 慶次が独り言を漏らしたそのとき、朝もやの向こうから馬の嘶きが聞こえてきた。

斜メ前田慶次「何だ? こんな時間に、遠乗りにでも行く奴がいるのか?」

 怪訝そうに前方を見つめる慶次の前に、見覚えのある馬の姿が現れたのは、その後間もなくのことであった。

斜メ前田慶次「・・・ゲエーッ! お前は! お前は・・・杉風!」
杉風「・・・ヒヒ~ン!」

 何と、当ブログ第2回目の記事にて慶次を捨てて逃走した杉風が、突如慶次の前に姿を現したのである。これには慶次も仰天した。

斜メ前田慶次「こ、この野郎・・・! 今さら、何しに・・・!」
杉風「・・・・・・」

 ・・・そこへ旅支度とラジカセのセットを終えたドラえもん・零式が現れた。

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  ヽ (__|____  / /
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    l━━(零)━━━━┥

ドラえもん・零式「ん? その馬は?」
斜メ前田慶次「ドラ! 塩を持ってこい!」
ドラえもん・零式「塩を持ってこい、とは穏やかじゃないねえ。その馬はどこの子なんだい?」
斜メ前田慶次「こいつは俺が叔父御の家から出奔したときに、俺を捨てて逃げやがったんだ!」
杉風「・・・・・・」

 ドラえもん・零式がその場から動かなかったため、気まずい沈黙が流れた。

斜メ前田慶次「・・・早く塩を持ってこい! 俺はこんな奴、見るのも不快だ!」
ドラえもん・零式「まあまあ、そう怒らずに、ここへ来た理由を聞いてみよう。僕は動物の言葉なら多少はわかる」
斜メ前田慶次「けっ! どうせろくな理由じゃねえだろうけどな! どのツラ下げてここに来た、って言ってみろ!」

 ドラえもん・零式が慶次の言葉をそのまま通訳し、一言二言交わしたのちに、慶次に語りかけた。

ドラえもん・零式「どのツラって、馬面に決まっているだろうって言ってるよ」
斜メ前田慶次「・・・こいつ本当イラつくな! だから俺はこいつのことが嫌いなんだよ!」
ドラえもん・零式「そうカリカリするなよ。何しに来たのか、今から聞いてみるから」
斜メ前田慶次「返答によっちゃあ、この場で馬刺しにするぞって申し伝えろ!」

 その後、杉風がドラえもん・零式に話した内容は以下のとおりであった。合戦において次第に織田家の旗色が悪くなり、主人である斜メ前田利家からの八つ当たりを日々受けていたこと、利家を氷風呂に突っ込んで逃走したこと、野良になったことによりひもじい思いをしながら必死に越後まで歩いたこと、春日山の両替前での推挙集めが辛かったこと、などなど・・・馬の言葉でドラえもん・零式に語る杉風の両眼には涙が浮かんでいた。

斜メ前田慶次「叔父御、また氷風呂に突っ込まれたのかよ・・・しかも馬に・・・」
ドラえもん・零式「あらかじめ風呂に氷を仕込んでおいて、抵抗する利家さんをくわえて無理やり湯船に落としたらしいよ」
斜メ前田慶次「それはそれで爽快だが・・・春日山で推挙集めまでしたのかよ。馬のくせに」
ドラえもん・零式「女性プレイヤーからは推挙をもらいやすかったらしいよ」

 聞くところによると、真紅鯖の春日山両替前において、推挙を希望するプレイヤーたちに混じって一頭の馬がいたらしいが、筆者は最近ログインできていないため、詳しいことはわからない。

斜メ前田慶次「それにしても、旗色が悪くなったから、こっちに来た、か。まさに勝ち馬じゃねえか! あん?」

 ドラえもん・零式がそのまま通訳し、杉風からの返答を慶次に告げた。

ドラえもん・零式「誰が上手いこと言えって言ったって言っているよ。あ、そういや私、馬だった、とも」
斜メ前田慶次「こいつ、本当イラつくわー。塩持ってこい、塩」
ドラえもん・零式「待ちたまえ! 救いを求めてここに来た者を、君は無慈悲に追い返すのかい? 君はそういう人間だったのかい?」
斜メ前田慶次「お前は何も知らねえから、そういうことが言えるんだ。俺があのとき、どんな思いで・・・」
ドラえもん・零式「僕だって、同じ境遇だったんだ! 君が何と言おうと、僕はこの子を連れて行く!」
斜メ前田慶次「駄目だ。許さん」
ドラえもん・零式「そんなことを言うと、君が最近熱を上げているあの子にチクるぞ!」
斜メ前田慶次「・・・お前! お前、そりゃあ反則だろう!」
ドラえもん・零式「返答はいかに!?」

 しばしの沈黙ののちに、慶次が苦しげに言葉を吐いた。

斜メ前田慶次「・・・経過観察だ・・・妙なマネをしたら、すぐに追い返す」
ドラえもん・零式「おおっ・・・おおっ・・・!」
斜メ前田慶次「それより、さっさと出発するぞ・・・モタモタしていると、期日までにゴールできん」
ドラえもん・零式「じゃあ、さっそく一曲目・・・ポチッと」



爆風スランプ『RUNNER』

 慶次と、ドラえもん・零式を背に乗せた杉風が春日山を出発したのは、その後間もなくであった。上越、糸魚川をあっという間に駆け抜け、北陸道最大の難所と言われる天険親不知へ差しかかった。

斜メ前田慶次「・・・ドラ、波に気を付けろ! 飲まれるぞ!」
ドラえもん・零式「杉風君! 気を付けて進むんだ!」
杉風「・・・ヒヒ~ン!」

 波飛沫をものともせず進む慶次の背後で、悲鳴が上がった。

ドラえもん・零式「うわあああああああああ!!」
杉風「・・・ヒッ! ヒヒ~~~~~~ン!」

 何と、突如打ち寄せた波に、背に乗せたドラえもん・零式ごと沖にさらわれていく杉風の姿がそこにあった。

斜メ前田慶次「・・・だから気を付けろって言っただろうが!」

 舌打ちをし、海に飛び込む慶次。レベル69のPCにとっては、この程度の波は大したことではない。すでに気を失ったドラえもん・零式を抱きかかえると、溺れかかっている杉風を怒鳴りつけた。

斜メ前田慶次「・・・お前は、それでも松風のバッタモノか! この程度の波で、情けねえとは思わねえのか!」
杉風「・・・・・・」
斜メ前田慶次「松風なら、こんな無様な姿は晒さねえ! こんなレベルなら、尾張に帰れ! 足手まといだ!」
杉風「・・・・・・」
斜メ前田慶次「俺は先を行く。じゃあな」

 ドラえもん・零式を抱きかかえ、立ち泳ぎをしながら岸を目指す慶次。

斜メ前田慶次「潮の流れがきついな・・・」

 なかなか目指す岸へたどり着かず、難儀している慶次の手から、突如ドラえもん・零式の身体がスッポリと抜けた。

斜メ前田慶次「うおっ!? お、お前・・・」

 何と、杉風がドラえもん・零式の身体をくわえると、背に乗せて泳ぎ始めたのである。その表情から、何か決意のようなものが感じ取れた。それが果たして松風に向けられたものなのか、慶次に向けられたものなのか・・・それは本人に聞いてみなければわからない。まあ、本人とは言っても馬なのだが。

斜メ前田慶次「やればできるじゃねえか・・・」

 ・・・スタートから早くもハプニングが発生したこのチャリティーマラソンの、ゴールの予定は11月13日。奇しくもメンテ明けの時刻となっている。
Date: 2013.11.10
Category: 信on
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たらい回しの巻

 この日、春日山城へ呼び出された慶次は、上杉家の家老として初仕事となる「新兵の育成」を命ぜられていた。

2013110301.gif

上杉謙信「ビシビシ鍛えてやってくれい」
斜メ前田慶次「謹んでお受けいたしましょう」

 ※実際はこのような内容のクエストは信onには存在しませんが、プレイヤーがログインして操作をしていない間は、キャラクターは大名もしくは家老からの命令で何かしらの仕事をしている、という妄想をもとに記事を書いています。合戦中はともかく、「平時は何もしない」では国が成り立たないと思うので。

斜メ前田慶次「殿はああ言っておられるし、遠慮なく鍛えてやろう」

 練兵場へ赴く前に自宅に寄った慶次は、ドラえもん・零式からある物を借り受けた。

ドラえもん・零式「どうするんだい? こんな物持って行って」
斜メ前田慶次「雰囲気が出るからな」

 練兵場では、まだ若い新兵たちが隊列を組み、槍を担ぎながら走り込みを行っていた。数ヶ月の訓練を経てから、彼らはそれぞれ各地の拠点や国境、屯所などに振り分けられることとなり、成績上位者は本城での勤務となる。

斜メ前田慶次「・・・整列!」

 慶次によって号令をかけられた新兵たちが、慌ただしく五列横隊に並び、「右へならえ」の間隔を取ったのちに気を付けの姿勢をとった。いずれの表情も、緊張で強ばっている。新兵である彼らにとって、レベル69の家老は雲の上の存在であるからだ。

斜メ前田慶次「今日から君たちの教官を務める斜メ前田だ。まず始めに言っておくことがある」

 固唾を飲み、慶次の次の言葉を待つ新兵たち。

斜メ前田慶次「俺の言うことには全て『サー、イエッサー』と返事をすること。口ごたえや言い訳は許さん。良いな!」
新兵たち「!?」

 慶次の言っている意味がわからず、ざわつく新兵たち。無理もない。彼らが英語を知っているはずがないからだ。そしてそんな彼らを、慶次が一括した。

斜メ前田慶次「返事はどうした!」
新兵たち「・・・さ、さあいえっさー!」
斜メ前田慶次「声が小さい!」
新兵たち「サー、イエッサー!」
斜メ前田慶次「まだまだ声が出せるはずだ。腹から出せ!」
新兵たち「サー、イエッサー!!」

 ようやく形になってきたところで、慶次は新兵たちに黙想を命じた。全員の目が閉じられたことを確認した慶次は、風呂敷包みから先ほどの「ある物」を取り出し、スイッチを入れた。



 何を隠そう、「ある物」とはラジカセであった。突如、麻倉未稀の『ヒーロー』が流れ出したことで新兵たちは動揺したが、すでに慶次は『スクール☆ウォーズ』の山下真司に成りきってしまっていた。

斜メ前田慶次「俺は今からお前たちを殴る」
一列目一番員の新兵「・・・なっ!? ちょっ!」
斜メ前田慶次「返事はサー、イエッサーだろうが!」
一列目一番員の新兵「そ、そのようなことを申されましても、意味がわかりませぬ! 何ゆえ殴られねば・・・」
斜メ前田慶次「考えるな、感じるんだ! いくぞ!」
一列目一番員の新兵「ちょっ・・・」

 ・・・こうして、新兵全員をノックアウトしてしまった慶次は、即日この仕事から外された。

斜メ前田慶次「ビシビシ鍛えてくれって言ったじゃないスか!」
上杉謙信「馬鹿者! いくら何でも限度があるわ!」

 後日、事情を聞かれた新兵のうちの一人は、質問に対しこう答えたという。

「・・・そりゃあもう、恐ろしかったですよ。妙な音楽が流れる中、鈍い音と悲鳴が順番に響いてきて・・・目を開けちゃいけないって言うから、なおさら・・・イカレ、イカレとは聞いていましたが、まさかあれほどとは。正直、もう関わりたくないですね」

 翌日、朝廷からの使者を歓待する御殿の建設現場へ「現場監督」として派遣された慶次だったが、ここでも大工の棟梁と些細なことが原因で口論の末にもみ合いとなり、工事を遅らせた科(とが)により現場監督から即日外されることとなった。

上杉謙信「いっそ、勘定方にでも回すか・・・」

 謙信の計らいで勘定方の総責任者として勘定方へ派遣されることとなったが、数字がからっきし駄目な慶次は、着任早々、任務を投げ出した。

斜メ前田慶次「傾奇者に数字なんざわからん」

 勘定方を辞した慶次、今度は奉行所へ派遣されたが、どのような犯罪の下手人でもとりあえず打ち首にしようとしたため、奉行所の任務からも外されることとなった。

上杉謙信「全く、あやつには何をさせれば良いのやら・・・」
上杉景勝「あの仕事ならどうでしょうか? 体力はありそうですし、ある程度荒っぽくても良いので」
上杉謙信「なるほど、あれ、か」

 そしてこの日。だるそうにあぐらをかいて座っていた慶次に、謙信が命じた。

上杉謙信「お主には犯罪の探索方をやってもらう」
斜メ前田慶次「犯罪の探索方? たぶん俺には向いてないですよ」
上杉謙信「助手をつける。南蛮人だが優秀だ」
斜メ前田慶次「南蛮人だって? おいおい大丈夫なのかよ・・・」

 そんなこんなで、「ワトソン」と名乗る南蛮人の助手を連れ、慶次が自宅へ戻ったのは、申の刻(午後4時頃)のことであった。

ワトソン「お邪魔シマース」
斜メ前田慶次「おいドラ! 客人だ。茶・・・いや、ビールを持ってこい!」

 玄関から台所へ呼びかけたが、返事はない。どうやら出かけているようであった。

斜メ前田慶次「・・・しょうがねえ。とりあえず、俺の部屋でくつろいでくれ。今、ビールを持ってくる」

 自室の引き戸を開け、まず先に慶次が部屋へ踏み込んだところで、予想外の事態が起こった。

2013110302.jpg

斜メ前田慶次「うぁー・・・」

 床に突如現れた落とし穴へ落下した慶次は、全身を強く打ち間もなく死亡した。

ワトソン「あっ!!! 先生!! こ、この床は誰かの罠だったんだ! この高さから落ちたのでは先生は・・・」

 がっくりと膝をつくワトソン。

ワトソン「ああ、もし最初からやり直すことができれば、何とかなるのに・・・」

 そこへ、墓場から慌てて駆けつけた慶次が部屋へ飛び込んできた。

斜メ前田慶次「な、何でこんなところに落とし穴が・・・!?」
ワトソン「あっ!!! 先生!! 危ない!!」

2013110304.gif

斜メ前田慶次「うぁー・・・」

 突如飛んできたナイフをかわしきれなかった慶次は、出血性ショックで間もなく死亡した。

ワトソン「先生!!! 先生、大丈夫ですか!!」

 慶次を抱き起こすワトソン。しかしすでに慶次は事切れていた。

ワトソン「何ということだ、先生が誰かの仕掛けに引っかかって死んでしまうとは・・・」

 天を仰ぎながら、ワトソンが呟いた。

ワトソン「ああ、もし最初からやり直すことができれば、何とかなるのに・・・」

 そのとき、またも墓場から復活した慶次が、息を切らせて飛び込んできた。

ワトソン「せ、先生!!! ご無事だったのですか!?」
斜メ前田慶次「・・・ちくしょう、誰だ! ナイフなんか仕掛けやがって!!」

 慶次の叫びに応える形で、押入れから飛び出してくる者があった。

      _____
    / -、 -、   \
   /   |  ・|・  | 、    \
  / / `-●-′ \    ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |/ ── |  ──   ヽ   |  < ・・・やれやれ、情けないねえ
  |. ── |  ──    |   |    \____________
  | ── |  ──     |   l
  ヽ (__|____  / /
   \           / /
    l━━(零)━━━━┥

斜メ前田慶次「お前はドラ! さっきの落とし穴とナイフはお前の仕業か!?」
ドラえもん・零式「普段、僕にあれだけ油断するなと言っているわりには、ずいぶんお粗末じゃないか」
斜メ前田慶次「・・・・・・」
ドラえもん・零式「君はもう、家老なんだよ。いつ他国の刺客に命を狙われてもおかしくないんだ。もっと自覚を持たないと・・・」

 やられた。今回ばかりは、ドラえもん・零式の言うとおりであった。家老になって、少し浮かれていたところが確かにあったかもしれない。その後小一時間ほど、神妙にドラえもん・零式からの説教を受けた慶次は、渋い表情のまま「犯罪探索方」就任の宴を開いたという。
Date: 2013.11.03
Category: 信on
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