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戦国の世のインデペンデンス・デイの巻

 この日の巳の刻(午前10時頃)。突如、越後は春日山上空に現れた謎の巨大な円盤に、城下の人々は恐慌をきたしていた。

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 家財道具をまとめて逃げ出そうとする者、具足を身に着け春日山城へ駆けつける者、混乱に乗じて火事場泥棒を働く者・・・そしてそんな者たちの中に、茶店へ酒を買いに行く道中の慶次の姿があった。

斜メ前田慶次「何だよ、ありゃあ・・・。洗濯物が乾かねえじゃねえか」

 慶次にとっては、「洗濯物が乾かないから迷惑」という程度の存在でしかないのだが、その頃春日山城には旗本800騎が集結し、出撃の下知を今か今かと待っているところであったという。

斜メ前田慶次「おーい。いつものやつ頼むよ。・・・って、いねえ!?」

 茶店主も茶店娘も、どこかへ避難してしまったのであろう。茶店はもぬけの殻となってしまっていた。

斜メ前田慶次「・・・くそっ! あの円盤のせいだ!」

 憤った慶次は、手ごろな大きさの石を拾い上げ、

斜メ前田慶次「墜落しろ!」

 怒鳴りながら、勢いよく投擲した。常識的に考えれば届くはずがないのだが、ここで一つ考えてみてもらいたい。宙に浮かびながらエネルギー弾を放ったり、自分より遥かに巨大な敵を刀でガシガシ斬り刻むようなキャラクターがごろごろいるような時代なのだ。そういったキャラクターが、もし空へ向かって石を投げたらどうなるか。

斜メ前田慶次「・・・むっ!?」

 命中したかと思われた石が結界のようなものに弾かれ、空中に波紋が拡がった。ここにきてようやく慶次は、「ただごとではない」と認識を改めたようだが、慌てる素振りは微塵も見せなかった。

斜メ前田慶次「やれやれ、結界を張ってやがったか。『破の舞』を実装しておきゃ良かったな」

 呟きながら実装を直しているところに、知人のレベル70忍法が通りかかった。

斜メ前田慶次「・・・お、ちょうどいい。『結界破り・裏』であの結界を破ってくれよ。墜落させる」
レベル70忍法「慶次さん、あれは一体!?」
斜メ前田慶次「映画『インデペンデンス・デイ』に出てきたUFOが、何故か戦国の世の春日山に来てんだよ」
レベル70忍法「ああ、懐かしいですね。となると、あの結界は『シールド』ですね」
斜メ前田慶次「できるか?」
レベル70忍法「お安いご用です」

 レベル70忍法が懐から八方手裏剣を取り出し、空へ向かって投擲した数秒後・・・

斜メ前田慶次「・・・お! 破れたみたいだぞ。さすがだな」
レベル70忍法「実は、『結界破り・裏』は命中率があまり高くないのですが、あれだけ的が大きければw」

 映画『インデペンデンス・デイ』では、『シールド』を破れず大苦戦したアメリカ空軍であったが、戦国の世の日本においては、手裏剣一本で片が付いてしまっていた。これにはエイリアンもびっくりであろう。

斜メ前田慶次「さて、そのへんのもん適当に投げて、落とすか」
レベル70忍法「私も手伝いましょう」

 慶次と知人忍法が石や鉄くずを拾っては投げ、拾っては投げを繰り返すたびに、命中した箇所では爆炎が上がっていた。これでは墜落するのも時間の問題であろう。

斜メ前田慶次「ついでに、先日出し忘れた生ゴミでも投げてやるか」

 慶次が自宅へ向かおうとしたところで、知人忍法が声を上げた。

レベル70忍法「・・・さっきから、UFOが変な動きしていますね。小刻みに前後左右に移動しています」
斜メ前田慶次「たぶん、町のあちこちにいる武士が面白半分に釣ってるんだろう」

 慶次の推察どおり、上杉家に所属する武士道キャラが、自宅の庭先からたわむれにUFOを釣っている姿が多数目撃されたという。

斜メ前田慶次「操縦しているエイリアンの魅力が低すぎるんだろうな」
レベル70忍法「あ! 何か飛び出してきました!」
斜メ前田慶次「おう、あれは!」

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斜メ前田慶次「・・・あれはまさしく『アタッカー』だ! 『アタッカー』が飛び出してきたぞ!」

 ここにきてブチギレたエイリアン、いよいよ『アタッカー』を数十機出撃させ、戦国の世の『いくさ人』を殲滅しにかかってきたのであった。

レベル70忍法「徒党を組みますか?」
斜メ前田慶次「いや、ソロで充分だろう」
レベル70忍法「ですよね」
斜メ前田慶次「珍しいアイテムを落とすかもしれねえ。他のプレイヤーとの競争になるな」

 エイリアンは『いくさ人』を狩るつもりで『アタッカー』を投入してきたのであろうが、逆に狩りの対象になってしまっていた。春日山の各地で『アタッカー』が撃墜もしくは破壊され、慶次の足元にも死にかけたエイリアンが一体、悔しげな表情を浮かべながら転がっていた。

エイリアン「・・・・・・!」
斜メ前田慶次「経験値も潜在も覚醒も入らねえ。アイテムも落とさねえ。何なんだよ、お前はよ」
エイリアン「・・・・・・」
斜メ前田慶次「こうなりゃ、逆にお前らの星に攻め込んでやる。そうすりゃ上杉家の天下人番付1位は確実だ」
エイリアン「・・・・・・」
斜メ前田慶次「お前らの星はどこだ? 吐けコラ」

 慶次がエイリアンの横っ腹に蹴りを一発入れたところで、エイリアンが苦しげに言葉を吐いた。

エイリアン「・・・ワ・・・」
斜メ前田慶次「あ?」
エイリアン「ワヘイハ、カンガエラレナイノカ?」

 映画『インデペンデンス・デイ』においては、アメリカ合衆国大統領がエイリアンに向けて放った言葉であったが、戦国の世の日本においては、怖気づいたエイリアンが逆に和平を持ちかけてきたのであった。

斜メ前田慶次「・・・和平だと?」

 ちなみに、映画『インデペンデンス・デイ』では、和平の持ちかけは即座に拒絶された。「ワヘイナド、ナイ」と。

斜メ前田慶次「和平なんか、ねえよ」

 言うやいなや慶次、エイリアンの頭部をサッカーボールのように蹴り飛ばした。

斜メ前田慶次「テメエらの総力を挙げてかかってこい。戦国の世のプレイヤーが、いつでも相手してやるよ」

 ・・・そこに知人の能楽レベル70が通りかかった。

レベル70能楽「何も落としませんでしたねw」
斜メ前田慶次「お、ちょうどいいところに」
レベル70能楽「はて、何のご用でしょう?」
斜メ前田慶次「今からこの鼻くそをUFOに向けて飛ばすから、追い風で手伝ってくれ」

 慶次の指先には、ほじくり出したばかりの鼻くそが引っ付いていた。飛ばすには軽すぎるが、『追風の謡・参』の効果があれば、あるいは届くかもしれない。

レベル70能楽「長いこと能楽をやっていますが、まさか鼻くそを飛ばすことになるとは思いませんでしたよ」
斜メ前田慶次「頼むよ。この鼻くそをUFOのエンジンにぶつけて撃墜する」
レベル70能楽「いきますよ。構えて下さい」

 能楽傾奇の鼓の音に合わせ、慶次が勢いよく鼻くそを空へ向けて弾いた。それから数秒後、追い風に乗った慶次の鼻くそが正確にUFOのエンジンに命中し、爆発音が春日山の上空に鳴り響いた。

斜メ前田慶次「・・・機体が傾いたな」
レベル70能楽「日本海へ向かっていきますね・・・」

 動力を失ったUFOは、急速に高度を落とし、年中冬の日本海へ向けて落下していった。鼻くそに撃墜されるUFO。

斜メ前田慶次「・・・大爆発だ。あれじゃあ、乗員は全員助からんな」
レベル70能楽「願わくば、もう二度と来ないでもらいたいものですが・・・」

 ・・・映画『インデペンデンス・デイ』において、エイリアンが異常に地球人を憎むのは、このときの苦い経験が原因なのかもしれない。
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Date: 2013.09.28
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の拾壱

 疑念を抱いた慶次を乗せた早池峰バスは、乗車後からおよそ四半刻(約30分)後に、『伝承園前』バス停へと到着した。

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斜メ前田慶次「・・・お前の言う『いくさ人』の姿が全然見えないんだが?」
ブログ主「お前ともあろう者が、何を言っているのだ」
斜メ前田慶次「あ?」
ブログ主「気付かないのか、このオーラに・・・」
斜メ前田慶次「オーラ、だと?」
ブログ主「皆、『隠形薬・改』を使用して、音を立てずにカッパ淵へと向かっているところだ。さあ、お前も早く行け」
斜メ前田慶次「そうは思えねえがな・・・」

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斜メ前田慶次「・・・俺はどっちに向かえばいいんだ?」
ブログ主「あそこに看板があるだろう」

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ブログ主「あの看板が指す、矢印の方向へ向かって歩け」
斜メ前田慶次「・・・おい、ちょっと待て!」
ブログ主「どうした?」
斜メ前田慶次「あの看板、よく見ると上のほうに赤い文字で『名勝』って書いてあるぞ」
ブログ主「・・・・・・」
斜メ前田慶次「恐ろしい妖怪がいる場所が、どうして『名勝』になってんだよ」
ブログ主「・・・あれか、あれはな・・・」
斜メ前田慶次「早く答えろよ」
ブログ主「・・・カッパの罠だ。ああやって人を騙して呼び込んでいるのだ。まさしく、あれは人間の血で書かれた血文字。凶悪な奴だ。油断するな」
斜メ前田慶次「ぶっちゃけ、だんだん苦しくなってきてるだろ、お前」
ブログ主「・・・いいから、早く行け! それと・・・」

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ブログ主「帰りのバスの時間に気を付けろ。一本逃がすと悲惨なことになるからな」
斜メ前田慶次「すげえな・・・9時37分のを乗り逃したら4時間来ねえのかよ・・・」

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斜メ前田慶次「・・・この、農協の看板もカッパの罠だってのか?」
ブログ主「当たり前だ。そもそも、このホップは『遠野ホップ農業協同組合』が栽培しているものではない」
斜メ前田慶次「じゃあ、どこの誰が栽培してんだよ?」
ブログ主「カッパだ」
斜メ前田慶次「いやいやいやいや」
ブログ主「カッパが自分たちで飲むビールを、ここで作っているのだ。この看板は人間が作っていると思わせるための罠だ」
斜メ前田慶次「お前さ、もういい加減に・・・」
ブログ主「・・・余計なものに目をくれるな! 油断をしていたら殺されるぞ! 早く歩け!」

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斜メ前田慶次「ずいぶん、のどかじゃねえか。妖気なんざ全く感じねえんだが」
ブログ主「相当の手練れだな・・・完全に気配を消している・・・」
斜メ前田慶次「お前・・・・。何かもう、必死だな・・・」

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ブログ主「・・・見ろ」
斜メ前田慶次「何だよ」
ブログ主「人がいない。カッパのせいで農作業が出来ないのだ。ああ、何ということか・・・」
斜メ前田慶次「たまたまいねえだけだろ・・・」

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ブログ主「・・・カッパはこの寺の奥に潜んでいる。くれぐれも油断するな」
斜メ前田慶次「カッパの被害に遭っているわりには、全然荒れてねえじゃねえか」
ブログ主「きっときれい好きなカッパなんだろう」
斜メ前田慶次「そんな妖怪いるわけねえだろ、常識的に考えて・・・」

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ブログ主「・・・近い! 近いぞ!」
斜メ前田慶次「ご丁寧に、『カッパ淵』って表示されている理由は何だよ」
ブログ主「・・・シッ! 声を出すな。感づかれるぞ。お前はそれでも『いくさ人』か」
斜メ前田慶次「とうとう、理由を考えるのが面倒くさくなりやがったな・・・」

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斜メ前田慶次「カッパを釣りたい人は、許可証を買えとか書いてあんぞ・・・」
ブログ主「盾鍛冶と、盾侍泣かせの敵ということだ」
斜メ前田慶次「いやいやいやいや。その釣るじゃねえだろ。お前もう、いい加減に・・・」
ブログ主「ちなみにこの許可証、200円だそうだ。つまり戦闘中に一回固定するたびに、リアルマネーの200円が飛んでいくことになる。買って来なかった場合は、コーエーテクモゲームスを通して請求書が後日、自宅に届く。これほど盾泣かせの敵が未だかつて存在しただろうか・・・」
斜メ前田慶次「そんな敵いるわけねえだろ」

続く
Date: 2013.09.27
Category: 信on
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早くレベル70になりたいの巻 其の参

 この日の夜。慶次と兼続は久しぶりに春日山の茶店で痛飲し、双方ともに足元をフラつかせながら帰路へついた。時刻にすれば、およそ子の刻(午後11時頃)のことだっただろうか。

斜メ前田慶次「兼続どの、こちらのほうが近道だ。ここを通って帰ろう」
曲江兼続「・・・こ、ここは!?」

 慶次が指差した路地は、兼続にとっては忘れたくても忘れることのできない、恐怖体験をした路地であった。どんなに酔っ払っていても、あの時の恐怖が鮮明に脳裏に浮かんでくる。

曲江兼続「・・・ここは、高レベルかつ性欲旺盛な毒男・喪男プレイヤーが多く居住する地域じゃないですか!」
斜メ前田慶次「うむ」
曲江兼続「拙者は、ここを通るのは嫌です。また感電して死にかねない!」
斜メ前田慶次「大丈夫だ。行くぞ」

 拒絶する兼続をその場に置き、慶次は構わず路地へと足を踏み入れていった。慌てて後を追う兼続であったが、その表情は恐怖で歪んでいた。

曲江兼続「また退路を断たれたら、どうなさるおつもりですか!?」
斜メ前田慶次「兼続どの、今の俺のレベルはいくつだ?」
曲江兼続「・・・え? ろ、68ですが・・・」
斜メ前田慶次「あの頃の未熟な俺とは違う。いざとなったら、俺のオーラで守ってやるから安心しろ」
曲江兼続「はあ・・・」

 それでも挙動不審にならざるを得ない兼続であったが、予想に反し何も起こらないため、緊張は少しずつ緩んできたようであった。

曲江兼続「・・・ところで慶次どの」
斜メ前田慶次「何だ?」
曲江兼続「もし仮に、ですが」
斜メ前田慶次「うむ」
曲江兼続「とっくにレベル70になり、覚醒上げも軍神の成長も終わってしまったような廃プレイヤーが自家発電を始めたら、どうなるのですか?」
斜メ前田慶次「そういったプレイヤーも、ちょくちょく現れているようだな」
曲江兼続「まさか、雷雲を呼び寄せたりとかするんでしょうか!?」

 この質問に、慶次がたまらず吹き出した。

斜メ前田慶次「はっはっは。いかな廃プレイヤーとはいえ、雷雲まで呼び寄せたりはせんよ」
曲江兼続「・・・では、一体どうなるのです!?」
斜メ前田慶次「そもそも、その域に達したら放電自体しねえのさ」

 これは兼続の予想を遥かに超えた回答であった。放電をしないとは、一体どういうことなのだろうか。

曲江兼続「・・・自家発電をしない、聖人君子になっているということですか?」
斜メ前田慶次「いや、するさ。何しろ男だからな」
曲江兼続「ああもう、もったいぶらないで教えて下さいよ!」

 その時、慶次が突如足を止めたため、危うく兼続は慶次の背中に顔をぶつけそうになった。

斜メ前田慶次「・・・おう、ちょうどいいところに」
曲江兼続「どうなされました!?」
斜メ前田慶次「兼続どの、これが答だ。よく見てみろ」
曲江兼続「・・・こっ、これは!?」

 慌てて慶次の前に出た兼続の眼前に、想像を絶する光景が広がっていた。何と、某廃プレイヤー宅の門前に、野ネズミや野鳥、野ウサギ、犬、猫などの小動物と、野生の馬や牛、羊、ヤギ、イノシシ、猿などが群れをなして静かに佇んでいるのである。

 月明かりに照らされたそれらの動物は、鳴き声を一切上げず、某廃プレイヤー宅の玄関をじっと見つめていた。まるで何かが訪れるのを待っているかのように。生来のロマンチストである兼続は、この光景を「幻想的」と捉えた。

曲江兼続「こ・・・これは・・・!」
斜メ前田慶次「全く、歩くのに邪魔なんだよなあ。兼続どの、そこの端を通って帰ろうぜ」
曲江兼続「・・・え? え!?」

 不機嫌そうに路地の端を通る慶次の後ろを追いながら、兼続が訊ねた。

曲江兼続「慶次どの! これは一体!? これが答、とは!?」
斜メ前田慶次「何だ、まだわからなかったのか。覚醒上げと軍神の成長が終わったような廃プレイヤーが自家発電をすると、こうなるんだよ」
曲江兼続「野生動物が集まっていますが・・・」
斜メ前田慶次「そのとおり。近くの山野から野生動物が群れをなして集まってくるのさ」
曲江兼続「・・・な、何ですってー!」

 兼続は何度も振り返っては、野生動物が一糸の乱れもなく整然と佇んでいる姿を確認した。そして慶次が述べたとおり、某廃プレイヤー宅から放電が一切なされていないことも。

曲江兼続「か、彼らは・・・動物たちは・・・いつまであそこに!?」
斜メ前田慶次「わからん。終わったらそれぞれの住処に帰るんじゃねえか」
曲江兼続「な、何という・・・! 一体、何ということなんでしょう・・・!」

 ・・・この時、地面が「ビクンビクン」と上下に複数回揺れた。

曲江兼続「・・・うわっ! 地震!?」
斜メ前田慶次「どうやら終わったようだな」
曲江兼続「・・・い、イッたということですか・・・」

 地面に四つん這いになった兼続が、再び動物たちの姿を目視で確認したところ、彼らは依然、何の騒ぎも起こさずにその場に佇んでいた。

曲江兼続「帰ろうとしませんね・・・」
斜メ前田慶次「俺たちが気にすることじゃねえさ。ほら、帰るぞ」

 やがて落ち着きを取り戻した兼続が、慶次と肩を並べて歩き始めたとき、背後の某廃プレイヤー宅の玄関から悲鳴に近い叫び声が聞こえてきた。

某廃プレイヤー「・・・ちょっ! また来てるし! ああもう、何で俺んちの前に集まってくるんだよ!」

 家主の姿を確認した野生動物たちは、ようやくそれぞれの住処へと移動を始めたが、この廃プレイヤーの焦りは収まる気配がなかった。

某廃プレイヤー「・・・シコッてるって、近所にバレるだろ! 頼むからもう来ないでくれよ!」

 この悲痛な叫びが、果たして野生動物たちの心に届いたかどうか、誰も知る由はなかった。
Date: 2013.09.23
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の拾

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 ※東北本線・花巻空港駅付近にて撮影

斜メ前田慶次「カッパがフサフサしていてかわいいはずだと? そいつぁ一体どういうことだ?」
ブログ主「・・・おっと、口がすべってしまったか」
斜メ前田慶次「・・・お前、何か隠してるな? 正直に言え」
ブログ主「離席」
斜メ前田慶次「こら! 都合が悪くなったからって離席すんな! 戻って来い!」

 ・・・それきり、ブログ主が離席から戻って来ることはなかった。

斜メ前田慶次「戦国の世のカッパは決してかわいくはなかった。むしろうざかったもんだが・・・」

 その昔、慶次が中級クエで昇仙峡へ行った際にカッパに絡まれ、『鬼火』で苦しめられた経験がある。確か、昇仙峡の砂を集めようとした時だっただろうか。今となっては1ターンで終わってもおかしくない敵だが、当時は相当手こずったものだった。

斜メ前田慶次「・・・あんな奴らがかわいいわけねえだろ。全く、何を言ってやがんだか」

 疑念を抱いた慶次を乗せ、釜石線は花巻駅を通過した。目指す遠野へは、あと半刻(1時間)ほどで到着する。 

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 のどかな田舎の車窓を眺めながら、慶次がまどろんでいたところで、離席から戻ったブログ主が慶次の脳内に直接語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・斜メ前田慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「・・・おう、ようやく戻って来たか」
ブログ主「次の駅で降りろ。いよいよ遠野だ」
斜メ前田慶次「せめて脇差だけでも貸してくれよ。素手じゃあ触りたくねえんだよ」
ブログ主「間もなく到着だ。さあ、降りる準備をするのだ」
斜メ前田慶次「おい、人の話を聞け。脇差を貸せってんだよ」
ブログ主「ついに着いたぞ。ここが遠野か・・・」

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斜メ前田慶次「・・・何か、ずいぶん平和そうに見えるんだが。通学している女学生もいるしよ」
ブログ主「さあ、そこの改札を通って外へ出るのだ」
斜メ前田慶次「カッパに苦しめられてるって感じがしねえんだが、こりゃあ一体どういうことだ?」
ブログ主「離席」
斜メ前田慶次「・・・また離席かよ。都合が悪くなると離席するな、お前」

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 ※初めて訪れた、憧れの町、遠野。感無量でした。

ブログ主「ただいま^^」
斜メ前田慶次「おかー^^」

 離席から戻ったブログ主を普通に出迎えた慶次は、すぐに我に返り、ブログ主を問い詰めた。

斜メ前田慶次「・・・ただいま^^ じゃねえよ。俺の質問にまだ答えてねえだろ。答えろよ」
ブログ主「さあ、そこに停まっている早池峰バスに乗車するのだ」

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斜メ前田慶次「人の話を聞けよ!」
ブログ主「早く乗れ。これを逃がすとまたしばらく来ないのだ」
斜メ前田慶次「・・・しょうがねえな。だが、質問には必ず答えてもらうからな」
ブログ主「伝承園、というアナウンスが流れたら降車ボタンを押せ。ここからはおよそ四半刻(約30分)ほどで着く」

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斜メ前田慶次「・・・バスに乗っているのは年寄りばかりだが、これは一体どういうことだ?」
ブログ主「皆、熟練の『いくさ』人だ。お前のように戦国の世で活躍している者ばかりだ。このバスに乗車している者全員が、カッパ討伐の使命を帯びている。それほど強大な敵なのだ」
斜メ前田慶次「そうは見えねえがな」

 ・・・その時、降車のブザーが鳴り、数人の老人が停車したバスから降りて行った。

斜メ前田慶次「まだ目的地に着いてねえのに、降りて行ったぞ・・・」
ブログ主「おそらく、いきなり目的地へ向かわずに、徒歩で忍び寄る気なのだろう。さすがは熟練の『いくさ人』と言ったところか」
斜メ前田慶次「言ったところか、じゃねえだろ。お前何か隠してるんだろ? 正直に言えよ!」

 代わって乗車してきたのは、岩手県立遠野緑峰高校の生徒たちだった。

斜メ前田慶次「・・・こいつらも、カッパ討伐に向かう『いくさ人』だってのか?」
ブログ主「そうだ。熟練の『いくさ人』と、若手のパワーを合わせなければ、到底太刀打ちできん相手だ」
斜メ前田慶次「そうは見えねえがな」

 やがて、早池峰バスは遠野緑峰高校の最寄りのバス停へ到着した。

斜メ前田慶次「また目的地に着いてねえのに、降りて行ったぞ! こりゃあ一体どういうことだ!」
ブログ主「ここから徒歩で忍び寄る気なのだろう。熟練の『いくさ人』の教えが行き届いている証拠だ」
斜メ前田慶次「証拠だ、じゃねえだろ! いい加減、正直に言えってんだよ!」

続く
Date: 2013.09.19
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寝起きのロメロと近況報告の巻

 9月18日の早朝。ドラえもん・零式の部屋では、いくさ支度を終えた慶次が眠っているドラえもん・零式を必死に起こそうとしていたが、深い眠りについているドラえもん・零式は、なかなか目を覚まそうとはしなかった。

斜メ前田慶次「・・・おい、起きろ。起きて弁当こさえろってんだよ」
ドラえもん・零式「Zzzz・・・」

 どんなに呼びかけても一向に反応する気配がない。おそらく、夏の疲れがたまっているのだろう。このままではいつまで経っても前橋へ出発することができず、業を煮やした慶次はドラえもん・零式を揺り起こしにかかったが、彼の肩に手をかけようとしたところで、ふと思いとどまった。慶次の心の中に、ある疑問が浮かんできたからだ。それは、

「・・・このまま普通に起こしてやることが、果たしてドラえもん・零式のためになるのか?」

 ということである。自称『子どもたちのアイドル』である彼が、タイムパトロール蝶野に追われていることは皆さんもご承知のとおりだが、慶次がどんなに注意を促しても、ドラえもん・零式はなかなか危機意識を持とうとはしない。

 その証拠に、戦国の世においてカレーやミートソースなどを調理したり、背中をガラ空きにして漬物を漬けるなど、逃亡者としては危険極まりない行為を繰り返している。そして今まさに、スキだらけの状態で惰眠を貪っている。

 このままではいけない。このままではいずれ必ず捕まってしまう。今、彼を普通に揺り起こして危機意識を持つよう口頭で注意するのは簡単なことだが、面倒くさそうに聞き流されてしまうことが充分に予想される。それでは彼のためにならない。言葉ではなく、今一度行動で示す必要があるのではないか? と慶次は考えたのである。

斜メ前田慶次「・・・だが、チョークは危ないかもしれん」

 この眠りの深さでは、目が覚める前に彼が窒息死することも考えられる。以前、彼にチョーク・スリーパーをかけて強引に起こしたこともあったが、それは慶次が『いくさ人』としての経験上、「いける」と判断した上でのことであり、決して考えなく行ったわけではないのである。チョーク・スリーパーをかけることはできない。ならばどうすればよいか? 慶次は必死に彼の布団の横で考えた。必死に必死に考えた。そして・・・

---------------------------------------------------------------------

 ・・・俺は、


   普通に揺り起こす
 ニア ロメロ・スペシャル


 慶次は素早くドラえもん・零式の身体をうつ伏せにし、まず彼の両足首をそれぞれの手で持ち上げた。この時点で目が覚めてもおかしくないのだが、いびきが止まないのを確認した慶次は、次に右足を彼の右太股の裏へ乗せた。続いて左足を彼の左太股の裏へ乗せる。

      _____
    / -、 -、   \
   /   |  ・|・  | 、    \
  / / `-●-′ \    ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |/ ── |  ──   ヽ   |  < ・・・ん・・・がっ!?
  |. ── |  ──    |   |    \_________
  | ── |  ──     |   l
  ヽ (__|____  / /
   \           / /
    l━━(零)━━━━┥

 慶次の体重が自らの両脚にかかり、ようやく異変に気付いたドラえもん・零式だったが、慶次は構わず彼の両足首を両膝の裏へ挟み込み、流れるような手さばきで彼の両手首を掴むと、体重をかけながら後方へ倒れ込んだ。

ドラえもん・零式「・・・んぎっ!?」

 この期に及んでも今いち状況が理解できていない様子であったが、慶次が両脚を伸ばし彼の身体を吊り上げたところで、ようやく全てを理解したようであった。「自分はロメロをかけられている」と。

ドラえもん・零式「・・・ちょっ! なっはあーーーーん!!」
斜メ前田慶次「・・・ふん! ふん!」
ドラえもん・零式「・・・ちょっ! まっ! まっ!!」

 寝起きにロメロをかけられるというのは、一体どんな気分するものなのだろう。筆者には想像もつかない。ただ一つだけ言えることは、「良い子は真似しないでね」ということである。下手をすると、かけられた側が思わぬ大怪我をする可能性があるからだ。良い子は真似しちゃだめだぞ! お兄さんとの約束だぞ!

斜メ前田慶次「ふん! ふん! ふーん!」
ドラえもん・零式「・・・ギ、ギブギブギブ! ギブ! ギブ!!」

 彼がギブアップしたことを確認した慶次は、最後に両脚を目いっぱい伸ばし、

ドラえもん・零式「・・・んがっ・・・アーーーっ!!」

 身体が反り返ることによる、彼の苦痛の叫びを聞き終えたところで、ようやく彼の身体を床に放り投げた。

ドラえもん・零式「ぐへっ!!」

 苦痛と屈辱に悶えるドラえもん・零式を尻目に、慶次は乱れた着衣を直し、あぐらをかいて座った。やがて落ち着きを取り戻した自称『子どもたちのアイドル』が、憎しみのこもった叫びを慶次にぶつけたのであった。

ドラえもん・零式「・・・寝起きにロメロをかけるなァーーー!!」
斜メ前田慶次「そんなことより、早く弁当をこさえてくれ」
ドラえもん・零式「何がそんなことだ!!」
斜メ前田慶次「いよいよ前橋城奪還の大いくさが始まる。ほれ、早く弁当をこさえろ。腹が減ってはいくさができん」

 ・・・今週から、上杉軍による前橋城奪還の合戦が始まっております。慶次も時間の都合がつけば、極力参戦したいと思っております。さて、最近の近況としましては、

 ましろんさんに攻城戦へ連れて行ってもらったり、

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 九度山さんに、さらにその続きの攻城戦へ連れて行ってもらったりしておりました。色々とありがとうございましたm( _ _ )m

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 おかげさまで、明智光秀まで終わらせることができました。実はこの攻城戦のシステム、今いちまだ理解できておりません。どうやら敵の伝令役を倒せばいいらしいですが・・・しばらくは四苦八苦しそうです。それでは今日の日記はこの辺で ノシ
Date: 2013.09.18
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の九

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 ・・・早朝の盛岡駅前にて撮影。

斜メ前田慶次「改札を通ったのはいいが、俺はこれからどこに向かえばいいんだ?」
ブログ主「頭の上の電光掲示板を見ろ」
斜メ前田慶次「電光掲示板?」

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ブログ主「6番線から発車する、6:05分発釜石行の汽車に乗車するのだ」
斜メ前田慶次「ローカル、とか表示されてんぞ・・・また遅馬に乗らなきゃいけねえのか・・・」
ブログ主「今日のスケジュール的に、これに乗らなければきついのだ。文句を言わずにそこの階段を降りろ」

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 ※JR釜石線、初乗車記念として3枚撮ってしまいました。

斜メ前田慶次「こりゃあ、いかにもトロそうな馬だな・・・いちいち休みそうだしよお」
ブログ主「ビールを飲ませてやるから、愚痴るな。これを逃すと次の汽車は1時間半後にしか来ないのだ」
斜メ前田慶次「ほう、ビールか・・・仕方ねえ、我慢してやるか」

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 ※車内は意外ときれいでした。乗客が誰もいなかったので、せっかくなので1枚撮影。

斜メ前田慶次「・・・まあ、このへんの席でいいか」

 慶次が適当な席を選んで座った瞬間、膝の上にキンキンに冷えた缶ビールが現れ、慶次を驚かせた。

斜メ前田慶次「・・・おっ! 待ってました! 昨晩、拘束衣で寝かされたから身体がカチカチでよお」
ブログ主「あとで、握り飯も出してやる。ひとまずそれで満足しろ」
斜メ前田慶次「朝っぱらからだが、遠慮なくいただくぜ」
ブログ主「間もなく出発だ。私は少し離席する。ゆっくりとローカル線の旅を堪能するがよい」
斜メ前田慶次「・・・おっ、動いた動いた」

 この時点で慶次一人を乗せた釜石線が、花巻方面へ向けて定刻通り出発した。遠野へは、およそ1時間50分ほどの旅となる。

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 やがて眼前に広がった岩手の田園風景を眺めながら、缶ビールを喉の奥に流し込む慶次の心の中に若干の変化が現れたのは、この後間もなくのことであった。

斜メ前田慶次「遅馬遅馬と馬鹿にしたが、こういうのもいいかもしれねえな・・・」

 釜石線は、一定のリズムで心地よい揺れを慶次の身体に与えていた。

斜メ前田慶次「戦国の世じゃ、こうはいかねえ。あの早馬の上じゃ酒は飲めねえしな」

 誰もいないので、遠慮なく大きなゲップをしてから、なおも飲む。

斜メ前田慶次「戦国の世にも、汽車があればいいんだがな・・・」

 慶次がようやくローカル線の旅の良さを理解しかけてきた頃、離席から戻ったブログ主が、またも慶次の頭の中に直接語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・斜メ前田慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「おう、戻ったか。いや、こういうのもたまにはいいもんだな」
ブログ主「私もつくづく思う」
斜メ前田慶次「そうだろう、そうだろう」
ブログ主「お前なんか作らなきゃよかった、と」
斜メ前田慶次「・・・なっ! 何だよいきなり! 人がせっかくいい気分になってるってのによ!」
ブログ主「ああ、何でお前みたいなのを作ってしまったんだろう・・・」
斜メ前田慶次「・・・こら! いきなり、『子どもが親から言われてショックな一言』のトップ3に入るようなことを言うな! 傷つくだろうが!」
ブログ主「・・・まあ、せめて」
斜メ前田慶次「何だよ」
ブログ主「お前が前田慶次を討ち取るまでは、動かしてやることにしよう」
斜メ前田慶次「・・・何なんだよ、そりゃ・・・生きる気力なくすわー・・・」

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ブログ主「・・・ここは古舘駅か」
斜メ前田慶次「見てのとおりだ」
ブログ主「間もなく川が見えてくる。見てみろ」
斜メ前田慶次「あん?」

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斜メ前田慶次「何の変哲もない川に見えるが、これがどうかしたのか?」
ブログ主「実は私は子どもの頃、この川で釣りをしたことがあるのだ」
斜メ前田慶次「こんなところでか・・・」
ブログ主「お世辞にもきれいな川とは言えなかった。生活排水も流れ込んでいたしな」
斜メ前田慶次「で、何が釣れたんだ?」
ブログ主「アブラハヤだ」
斜メ前田慶次「・・・あの、煮ても焼いても食えねえ魚か。あんなもん釣ってどうすんだよ」
ブログ主「餌を付けて投げ込んだ瞬間に食いついてくるから、それはそれで楽しかったぞ」
斜メ前田慶次「俺は獲物を食うためにしか釣りをしねえから、その感覚はわからねえな」
ブログ主「今でも、この川で釣りをしている子どもがいるといいんだがな・・・」

 ・・・ブログ主の少年時代の思い出である、何とか川を通過した釜石線は、その20分ほど後に、遠野への通過点である花巻駅へ到着しようとしていた。

斜メ前田慶次「・・・ところでよお」
ブログ主「何だ」
斜メ前田慶次「そろそろ、槍と脇差を渡してくれよ。手入れがしてえんだ」
ブログ主「どちらも渡せない。銃刀法違反で捕まることになるからな」
斜メ前田慶次「武器もなく、カッパと戦えってのか! いくら何でも無茶だ!」
ブログ主「お前のお得意の、チョークスリーパーで落とせばいいだろう」
斜メ前田慶次「カッパに素手で触れってのか! そいつはごめんだな。ヌメヌメしてて気持ち悪そうだからな」
ブログ主「心配するな。今、遠野にいるカッパは、きっとフサフサでかわいいはずだ・・・」

続く
Date: 2013.09.16
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の八

 いざ股間に手を伸ばしたところでストップがかかったが、男の性欲はそんなもので収まるものではない。

斜メ前田慶次「するなよ! 絶対にするなよ! だと・・・!?」

 止められる理由がわからない。部屋は密室であることから、公然わいせつにはあたらない。離席を宣言したブログ主含め、見ている者は誰もいないのである。ホテルの規則として、自家発電が禁止されているわけでもない。そもそも、世の中にそんなホテルは存在しない。

 誰に迷惑がかかるわけでもないのに、自家発電を禁止されるとは、一体どういうことなのだろうか。腕枕をし、横になりながら慶次は必死に考えた。半勃ちになりかけている愚息を如何ともしがたく、手を伸ばしかけてはやめるということを何度か繰り返しながら、必死に必死に考えた。そしてその結果、慶次はある結論に達した。それは・・・

斜メ前田慶次「ひょっとして、『押すなよ! 絶対に押すなよ!』の変形バージョンなのではないか・・・!?」

 つまり、言葉ではするなと言っているが、内心して欲しいのではないか? ということである。上島竜兵がまさにその例である。彼も言葉では「押すなよ! 絶対に押すなよ!」と言うが、もし実際に押されなかったらキレるだろう。それと同じことなのだ。つまりブログ主は「しろよ! 絶対にしろよ!」と言っていることになる。

斜メ前田慶次「全く・・・して欲しいならして欲しいと、正直に言えってんだ・・・」

 もはやためらいはなかった。慶次はふんどしを勢いよく取り去り、自家発電を始めたのであった。

???「・・・うわっ!?」

 下の階の部屋に宿泊している旅行客の部屋に異変が生じたのは、そのわずか数分後のことであった。

13階206号室の宿泊客「なっ、何だ!? 今、リモコンを触ったらビリッと・・・!」

 テレビのチャンネルを変えようとしたところで、手が痺れる感覚を覚えた旅行客は、リモコンから慌てて手を離した。最もダメージの大きかった右手の人差し指を左手で押さえながら、何気なくテレビに目をやったところで、信じられない現象が起こった。

13階206号室の宿泊客「・・・ゲエーッ! 意味不明なノイズが画面いっぱいに!!」

 慌ててフロントに電話をかけようとしたところで、今度は帯電していた受話器に感電することになった。パニックに陥った13階206号室の宿泊客は、超常現象がそこかしこで起こり始めた部屋を命からがら脱出し、フロントへ駆け込んだのであった。

斜メ前田慶次「ハアッ・・・ハアッ、うっ、イク・・・」

 その時、部屋のドアを必死にノックする者があった。

???「・・・お客様! お客様!!」
斜メ前田慶次「うおっ!? なっ、ちょっ・・・くっ・・・」

 ビクビクッと身体を震わせる慶次。それと同時に、ホテル全体を強い縦揺れが襲った。

???「・・・うわっ! 地震!?」
斜メ前田慶次「・・・くそっ! 出ちまった!!」
???「あれ・・・? 放電も地震もやんだ・・・」
斜メ前田慶次「ちょっ、おまっ、何だよいきなり!」

 ドアの外にいる男に、ベッドの上から慶次が怒鳴り散らした。

フロント従業員「お、お客様の部屋から、多量の放電を検知しまして・・・」
斜メ前田慶次「え・・・!?」
フロント従業員「ご無事ですか!? ・・・あ、ひとまずドアを開けてもよろしいですか?」

 抜き終わった直後に、部屋に踏み込まれてはたまらない。慶次は慌ててドアに駆け寄り、フロント従業員を制した。

斜メ前田慶次「・・・な、何もない! 大丈夫だ! 入ってくるのはやめてくれ!」
フロント従業員「ですが・・・」
斜メ前田慶次「とにかく、大丈夫だから、入ってくるな! わかったな!」

 慶次が離席から戻ってきたブログ主にどやされたのは、それから間もなくのことであった。

ブログ主「・・・あれほどするなと言っただろう! どうして自家発電したんだ!!」
斜メ前田慶次「しろって言ったのはお前だろうが!」

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ブログ主「な・・・・なんだって!!」
斜メ前田慶次「絶対にしろって言われたから、俺はしたんだ!」

 ブログ主の頭は混乱の極みに達した。するなと言ったはずなのに、何故かしろと言ったことになっているのだ。

ブログ主「・・・いや、私はするなと言ったはずだ。日本語わかるか?」
斜メ前田慶次「お前の真意を汲み取った上でのことだ」
ブログ主「・・・真意など、あるか! この馬鹿者! 言うとおりにしないか!!」
斜メ前田慶次「良かれと思って」
ブログ主「なっ、何が良かれと思ってだ! この馬鹿者! ああもう、お前みたいなキャラ作るんじゃなかった!!」

 もはや話が噛み合わないと思ったブログ主は、平成の世の建築物が戦国の世のものに比べて丈夫ではないこと、部屋に備え付けてある電子機器に悪影響を与えること、周囲の部屋の宿泊客が感電する可能性があることを懇々と説いた。

斜メ前田慶次「始めからそうやって理由を言ってくれりゃ、良かったんだよ。今回の件はお前のせいだな」
ブログ主「考えればわかることだろうが! もうお前は何もしないでこのまま寝ろ! いいな!」
斜メ前田慶次「それは寝るなってことだな!?」
ブログ主「・・・貴様! こうなったら無理やりにでも寝かすぞ!」
斜メ前田慶次「・・・なっ、何をしやあがる!」

 ブログ主の放った念力により、拘束衣と変化したベッドのシーツが、慶次の身体に巻き付き、身体の自由を奪った。

斜メ前田慶次「・・・くそっ! 放せ! 放さねえか!!」
ブログ主「そのまま寝ろ。私もそろそろ寝る。明日は5時起きだ。いいな」
斜メ前田慶次「・・・ご! ご! ご! 5時!?」

 『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた石野陽子ふうに聞き返した慶次を、華麗にスルーしたブログ主もまた、深い眠りについたのであった。こうして盛岡の夜は更けていった。

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 ・・・早朝の盛岡駅前にて撮影。

ブログ主「気分はどうだ、慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「拘束衣で無理やり寝かせておいて、何が気分はどうだ、だ」
ブログ主「いよいよ今日は遠野へ向かう。カッパと戦う心の準備をしておけよ」

続く
Date: 2013.09.15
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の七

 ブログ主に促された慶次は、盛岡駅近くの某ビジネスホテルにチェックインした。フロントでも、戦国の世の恰好そのままの慶次の姿は明らかに浮いていたが、もはや気にしないことにした。

斜メ前田慶次「氏名は斜メ前田慶次、住所は・・・越後国春日山150丁目4、と。職業は・・・」

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 ボールペンを使うのは初めてだったが、意外に綺麗に書けたことに満足した慶次は、最後に職業欄へ「傾奇者」と記入し、フロントへ差し出した。

斜メ前田慶次「ほれ、書いたぞ」
フロント従業員「・・・・・・」
斜メ前田慶次「早く部屋の鍵くれよ。俺の部屋は何階の何号室なんだ?」
フロント従業員「・・・じゅ、14階の206号室です・・・」
斜メ前田慶次「ありがとよ」

 エレベーターで14階まで上がり、ようやく部屋へ入った慶次は大きなため息をつき、ベッドに座り込んだ。

斜メ前田慶次「・・・やれやれ、やっぱり慣れねえと疲れるな」
ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「何だよ、ちょっと一息つかせてくれよ」
ブログ主「戦国の世の、お前の住所と職業をそのまま書くな。従業員が目を丸くしていたぞ」
斜メ前田慶次「知らんな。俺は正直に書いただけだ。特化を添えて書くかどうか迷ったけどな」
ブログ主「まあ、宿泊料金はちゃんと払ったし、何も問題を起こさなければ大丈夫だろう。ところで・・・」
斜メ前田慶次「・・・とりあえずシャワーを浴びさせてくれ。何だかんだで埃っぽくなった」
ブログ主「そうだ。ひとまずシャワーを浴びてさっぱりしろ。それから、ちと盛岡を歩くぞ」

 シャワーを浴びて汗と埃を流した慶次が、体を拭いてベッドの前へ戻ると、洗濯され、アイロンがけされたいつもの装備がベッドの上に畳まれて置かれていた。

斜メ前田慶次「・・・器用なマネしやがって」
ブログ主「さあ、それを着て、盛岡の街を歩くのだ」
斜メ前田慶次「嫌だと言っても、念力で無理やり歩かすんだろう? わかったよ」

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 フェザン。やっぱり盛岡駅と言えばフェザンですね。

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 ※このあとは、盛岡駅をブラブラして、お土産として南部鉄器の急須を購入しました。実は今、お付き合いしている人が「南部鉄器の急須で淹れたお茶を飲んでみたい」と過去に言っていたのを、思い出したからです。店頭で見た南部鉄器の美しさに惚れ、ついつい自分用のも買ってしまいました。今も部屋に飾ってあります。

斜メ前田慶次「お土産も勝ったし、もういいだろう? 部屋に戻って寝かせてくれよ」
ブログ主「そう急くな。あともう少しだけ盛岡の街を歩け」
斜メ前田慶次「やれやれ、全くしょうがねえな、はしゃぎやがって。お前と付き合っている女も、さぞかし苦労しているだろうよ」
ブログ主「・・・それ以上言うと、お前を削除するぞ」
斜メ前田慶次「わかった、わかったよ」

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 ※開運橋にて撮影。下を流れているのは北上川です。この時間だとすっかり暗くなっていて、もはや何も見えません。何かオーブが写り込んでいる気がするのですが、私には霊能力は一切ありませんので、あしからず。

斜メ前田慶次「この後はどうすんだよ」
ブログ主「この先を少し行ったところに、ラーメン屋がある。そこに入ってラーメンを食え」
斜メ前田慶次「・・・ラーメンだと!? そうか、俺にさっき肉を食わせなかった理由はそれか!」
ブログ主「満腹になられては、ラーメンが入らないからな」

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斜メ前田慶次「山頭火・・・チェーン店じゃねえか」
ブログ主「入ったら醤油ラーメンを注文しろ。ビールを飲みたければ飲んでもいいぞ」
斜メ前田慶次「ちょうど小腹が空いていたところだ、別にいいけどよ。何故この店にこだわるんだ?」

 ※実は、この山頭火・盛岡大通店には10年ほど前に訪れたことがあります。今もあるのかな? と思い10年前の記憶を頼りに来てみたら、健在だったので嬉しくなりました。あの頃と店構えが全く変わっていませんでした。何故かココイチの宅配バイクが停まっているのが気になりますが。ひょっとして山頭火店員が頼んだのかも?

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 ・・・醤油ラーメンをすすりながら、慶次がブログ主に訊ねた。

斜メ前田慶次「どうだ? 思い出の味はよお」
ブログ主「・・・10年も前の話だ。正直、覚えていない」
斜メ前田慶次「まあ味は、可もなく不可もないってところだな。だがハマる人間はハマるだろう」
ブログ主「次に訪れるのは、また10年後になるかもな・・・」
斜メ前田慶次「どうした? たそがれてんのか?」
ブログ主「お前に私の気持ちはわかるまい。10年前の私は、とにかく金がなかった。でも今はこうして気軽に来れてしまう。10年後の私は、果たしてどうなっているのだろうか・・・」

 その後、ホテルの部屋に戻った慶次は、ベッドに横になりながらも、悶々として寝付けないようであった。

斜メ前田慶次「身体は疲れているのに、妙に神経が昂ぶっていて眠れん・・・こういう時は・・・」

 慶次がいざ股間に手を伸ばそうしたところで、ブログ主が慶次の頭の中に直接語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「なっ、何だよ!」
ブログ主「今のうちに言っておく。自家発電はするなよ。絶対にするなよ」
斜メ前田慶次「・・・・・・・」
ブログ主「何を黙りこくっているんだ。私はこれから少し離席する。いいか、絶対にするなよ」

続く
Date: 2013.09.12
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の六

 花巻駅から盛岡駅までは、東北本線でおよそ40分ほどかかる。田園が広がる車窓を眺めながら、慶次が一人たそがれていたところで、またもブログ主が慶次の頭の中に直接語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「何だよ」
ブログ主「戦国の世のお前の家では、面白いことになっているぞ・・・」
斜メ前田慶次「面白いこと、だと!?」
ブログ主「目を閉じろ。リアルタイムで見せてやろう」

 言われるがまま、慶次が目を閉じると・・・瞼の裏に見慣れた慶次の部屋が浮かんできた。しかし普段とは何かが違う。若い娘が三人、部屋の中央でビールを飲み、ドラえもん・零式手製の料理を口に運んでは、無邪気にはしゃいでいるのだ。そして彼女たちの前で、堂々と正体を晒しているドラえもん・零式の姿もまた、そこにはあった。

斜メ前田慶次「・・・あいつ! 何やってんだ!!」
ブログ主「あ~あ、やっちゃったな・・・」
斜メ前田慶次「何で人間に変身してねえんだ! 何てことを! あの馬鹿めが!!」
ブログ主「ちなみに耳をすませば、会話も聞くことができるぞ」
      _____
    / -、 -、   \
   /   |  ・|・  | 、    \
  / / `-●-′ \    ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |/ ── |  ──   ヽ   |  < ・・・おっと、もう夕方だね
  |. ── |  ──    |   |    \___________
  | ── |  ──     |   l
  ヽ (__|____  / /
   \           / /
    l━━(零)━━━━┥

ドラえもん・零式「これ以上遅くなると、ご両親が心配する。今日はもう帰りなさい」
おこう「・・・え~! ヤダ!」
おみよ「もっとビール飲みたーい!」
ドラえもん・零式「はっはっは。明日また来たまえ。明日もたっぷり用意しておくから」
おまち「・・・本当!?」
ドラえもん・零式「それと、明日は僕から重大な発表がある」
おこう「重大な発表って!?」
ドラえもん・零式「慶次君の遺志を継いだ僕の、今後の生き方についてさ。フ、フ、フ・・・」

 ここで瞼の裏の映像は途切れた。

斜メ前田慶次「・・・遺志って何だ! 俺は死んでねえぞ!!」
ブログ主「どうやらドラは、お前が戦国の世に戻ってこれると思っていないようだ」
斜メ前田慶次「それにしても、あいつ何てことを・・・! 正体を晒すなんて・・・!」
ブログ主「あの失恋があって、あいつも何か考えるところがあったんだろうな。しかしお前の言うとおり、確かに危険だ」
斜メ前田慶次「あいつの存在が、いずれ春日山全体に知れ渡るぞ・・・そうなったら・・・」
ブログ主「やがて近隣の国にも噂が広まり、それを聞きつけたタイムパトロール蝶野が乗り込んでくるだろうな」
斜メ前田慶次「どうなっても知らんぞ・・・! 全く、馬鹿めが・・・!」
ブログ主「もう、なるようになるしかない。そう気に病むな。盛岡へ到着したら、いいところへ連れて行ってやろう」

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斜メ前田慶次「・・・盛岡駅に着いたが、これからどうするんだ?」
ブログ主「そこのビルの階段を二階まで上がれ」

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斜メ前田慶次「盛楼閣・・・焼肉屋か?」
ブログ主「明日のカッパとの戦いに備え、スタミナをつけておくのだ」

 ドアを開け、店内に入る。思ったほど客はいないようであった。

斜メ前田慶次「邪魔するよ」
盛楼閣店員「・・・ひっ!」
斜メ前田慶次「一人なんだが、どの席でもいいのかい?」
盛楼閣店員「・・・えっ、ええ。あちらの窓際のお席はいかがでしょうか」
斜メ前田慶次「じゃあ、そこにしよう」

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斜メ前田慶次「それにしてもこの恰好、本当にどうにかならねえのか? 行く先々でびっくりされちまう」
ブログ主「着替えは用意していない。それで我慢しろ」
斜メ前田慶次「そのあたりの店で、適当に買わせてくれよ」
ブログ主「いいからさっさと注文しろ」
斜メ前田慶次「・・・よし! 肉、じゃんじゃん注文するぞ!」
ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「何だよ」
ブログ主「冷麺を注文しろ。今日は肉は無しだ」
斜メ前田慶次「せっかく焼肉屋に来たのに、肉を注文しねえってのか!?」
ブログ主「ここの冷麺を食べるのも、今回の旅の目的なのだ」
斜メ前田慶次「嫌だね。俺は肉を食う。おねーさーん!」
ブログ主「お前の思い通りにはさせんぞ」
斜メ前田慶次「なっ・・・! ゲッ・・・!?」

 ブログ主、今度は慶次の口を念力で操ったのであった。

斜メ前田慶次「あがっ・・・! ぎっ・・・! れ、冷麺、大盛り・・・辛さは・・・辛口・・・でっ・・・ぎっ・・・!」
盛楼閣店員「・・・ひっ! か、かしこまりました!」

 額に脂汗を滲ませ、鬼の形相で冷麺を注文する慶次に怖気づいた店員は、すぐにその場を去った。

斜メ前田慶次「・・・肉食わせろよ!!」
ブログ主「冷麺が目的で来ていると言っただろう。肉は次回のお楽しみだ」
斜メ前田慶次「全く、何がカッパとの戦いに備えてスタミナを付けろ、だ」
ブログ主「冷麺でもスタミナは付く。ほら、来たぞ。うだうだ言わずに食べろ」

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 ※冷麺、旨かったです。喉越しがたまりませんでした。今回は辛口にしましたが、特辛でも全然いけそうでした。夏の間に一度も食べることができなかったスイカも、ついでに食べることができて大満足。何年先になるかはわかりませんが、いずれまた盛楼閣を訪れたいと思います。今度は特辛で・・・

斜メ前田慶次「旨い・・・! 俺もネズミエキスを使った冷麺を開発して、ドラに食わせねば・・・!」

 冷麺を完食した慶次は、すでに頭の中でネズミ冷麺の作り方を模索していた。そして勘定を済ませ、店を出た頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

斜メ前田慶次「・・・おい、何か外、寒くねえか?」
ブログ主「確かに、私がリアルで住んでいる場所に比べると寒い・・・。さすがは北国と言ったところか」
斜メ前田慶次「言ったところか、じゃねえだろ。この後どうすんだよ」
ブログ主「すぐそこに宿を取っている。汗もかいたし、荷物も重いし、いったんチェックインしよう」

続く
Date: 2013.09.11
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の伍

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ブログ主「この坂を下りた先の建物だ」
斜メ前田慶次「・・・おお! 何か期待できそうだな!」

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 ※外観はこんな感じです。建物の中もレトロな雰囲気が漂っていて、個人的にすごく気に入ったのですが、しかしそれよりも素晴らしかったのは、露天風呂です。岩を挟んですぐのところに川が流れていて、橋の上から釣り糸を垂らしている人も見かけました。正直、こういう露天風呂に入ったのは初めてだったので、つい時間を忘れてのんびり浸かってしまいました。

 こんなことならここに宿を取れば良かった、と思ったぐらいです。いずれはここに泊まりに来てみたいものです。ちなみに混浴であったため、露天風呂の写真は撮っていません。さすがにデジカメを持ち込むわけにはいかなかったので。興味のある方はぜひご自分の目で確かめてみて下さい。

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 ※そういえば、建物の近くには水車もあります。これ、信onの家具にぜひ追加してもらいたいですね。

 さて、風呂から上がった慶次、露天風呂には満足したようだったが、何かが物足りないようであった。浮かない表情で、売店で購入した缶ビールを呷る。

ブログ主「・・・どうした、慶次よ。何か不満でもあるのか?」
斜メ前田慶次「混浴なのに、若いチャンネエが一人もいなかったぞ」
ブログ主「平日の真昼間の温泉で、何を期待しているんだ。お前は」
斜メ前田慶次「・・・・・」
ブログ主「このスケベ男め。きっとチ〇コから先に生まれてきたんだろうな、お前は。それも勃たせながらに違いない」
斜メ前田慶次「・・・お前! 実はお前だってちょっとは期待したんだろう!? 正直に言えよ!」
ブログ主「さあ、花巻駅へ戻るぞ・・・」

 全く、この慶次という男は本当にどうしようもない。こんなキャラを持ってしまい、情けないことこの上ない。ブログ主が、拗ねて座り込んでしまった慶次を念力で無理やり立ち上がらせ、バス停へ歩かせ始めた頃、時計の針は午後3時10分を回っていたのであった。

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ブログ主「こりゃ、まずいな・・・」
斜メ前田慶次「今度は何だよ」
ブログ主「ついさっき、バスが行ってしまったようだ」
斜メ前田慶次「何だって!?」
ブログ主「何もかもお前のせいだ。帰りのバスの時間に気を付けろと言っただろう。全くお前という男は・・・」
斜メ前田慶次「俺だけのせいじゃねえだろ! お前も時間見とけよ!」
ブログ主「こんなところに一時間もじっとしているのも、アレだ。お前、少し歩け」
斜メ前田慶次「嫌だね。シータク呼べよ、シータク」
ブログ主「歩けと行ったら歩くんだ」
斜メ前田慶次「・・・なっ! 何をしやあがる!」

 またしても念力で無理やり歩かされる慶次。花巻駅までは、およそ14キロほどある。その道のり全てを歩かされるわけではないだろうが・・・。

斜メ前田慶次「せっかく温泉で疲れを取ったのに、また疲れるんじゃ意味ねえだろうが!」

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 ※こうなったら、とことんノープランで行ってみようと思い、ひとまず歩いてみることにしました。辺りに時間を潰せる店などが一切なかったことも理由の一つですが。画像に映り込んでいる酒店以外に、本当に何もありません。もしバスで来訪される方は、くれぐれも時間にお気を付けを。

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 ※風景はこんな感じです。まさに田舎の道、という感じです。

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 ※誰もいない田舎道を、何も考えず、ただ一人往く。たまにはこういうのも良いものです。まさに「旅」という感じですね。

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 ※橋を渡り、さらに行ったところで貴重なオアシスを発見。

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 ※ここで水分補給しました。といっても、買ったのは缶ビールですが。酔っ払いながらなおも進む。

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斜メ前田慶次「・・・戸締りだけじゃ、人の悪事は防げないぜ、朱里ちゃんよお」
ブログ主「いいから黙って歩け・・・」
斜メ前田慶次「真の悪党は、その戸締りをどう破るかを考えるものだからな」

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斜メ前田慶次「・・・売れねえだろう、こりゃあ」
ブログ主「ああもう、お前は歩かんでいい。そこのバス停からバスに乗れ」

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 こうして、『松倉温泉』バス停からバスに乗車し、ようやく一息ついた慶次であった。

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斜メ前田慶次「誰かに強行借りりゃあ、もっと先まで進めたんだろうがなあ」
ブログ主「強行貸して下さい、なんて言って理解できる人間がどれだけいると思っているんだ」
斜メ前田慶次「もし次にまた歩く機会があったら、誰かに頼んでみるか」
ブログ主「そもそも、平成の世の人間と隊列を組むことは不可能だ。諦めろ」
斜メ前田慶次「これだから、平成の世の人間は駄目なんだ、全く。戦国の世の人間を見習って、少しは鍛えろってんだ」
ブログ主「というかお前たちが異常なんだよ・・・」

 聞くところによると、かつて戦国の世の「いくさ人」の中には、隣国の合戦場までおよそ15分ほどで走り抜け、援軍に参加した者もいたという。それも旗を担いで、だ。一体、時速何百キロで走っていたのであろうか。「いくさ人」の驚異的な脚力には、もはや脱帽するほかない。

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 ・・・夕暮れの東北本線・花巻駅のプラットホームにて撮影。慶次はこの後、盛岡駅へと向かうことになる。

続く
Date: 2013.09.10
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の四

 慶次を乗せたバスは、やがて東北本線・花巻駅へと到着した。

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斜メ前田慶次「・・・花巻駅に着いたが、次はどの早馬に乗るんだ?」
ブログ主「わからん」
斜メ前田慶次「わからんって、お前な・・・」
ブログ主「心配するな。こういう旅行客のためにあるのが、観光案内所なのだ」

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ブログ主「中の人をびっくりさせないように、大人しく入れ」
斜メ前田慶次「この恰好の時点で、無理だと思うがな・・・」

 戦国の世の恰好のまま、平成の世へタイムスリップしてしまった慶次。さすがに槍や脇差までは持っていないものの、周りからは明らかに浮いた存在になっていた。

斜メ前田慶次「邪魔するよ」
花巻観光案内所職員「・・・ひっ!」

 慶次が案じたとおり、観光案内所の女子職員は慶次の姿に怯えたようだったが、そこはやはりプロである。今までに様々な旅行客を案内した経験が、彼女をすぐに立ち直らせた。

花巻観光案内所職員「日帰りで入れる温泉ですか? いっぱいありますよ!」
斜メ前田慶次「そりゃあ安心した。花巻温泉まではどの早・・・もといバスで行けばいいんだ?」
花巻観光案内所職員「あ、えっと、花巻温泉も良いんですけど、景色の良い温泉もありますよ」
斜メ前田慶次「景色が良いなら、そっちのほうに行きてえな。何て温泉なんだ?」
花巻観光案内所職員「志戸平、渡り、大沢、鉛・・・このあたりなら昔ながらの風情が残っています」
斜メ前田慶次「その中で、オススメの温泉はあるかい?」
花巻観光案内所職員「そうですね・・・大沢温泉なら川のすぐそばにありまして、あと混浴です」
斜メ前田慶次「おう、そりゃあいいな! そこに決めた!」

 ・・・決して混浴に釣られたわけではなく、川のすぐそばにあって景色が良いという点で決めたのであって、そこはどうか誤解なされないでいただきたい。

花巻観光案内所職員「大沢温泉までは、バスで600円かかります。そこのバス案内所でバスカードを買うと、お得ですよ!」
斜メ前田慶次「何から何まで、すまねえな。ありがとうよ」

 次に慶次が向かった先は、観光案内所から歩いてすぐのところにある、バス案内所であった。

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斜メ前田慶次「邪魔するよ」
バス案内所職員「・・・ブッ」

 飲んでいた茶を噴き出すバス案内所職員。

斜メ前田慶次「1,000円のバスカードを一枚くれ」
バス案内所職員「・・・はっ、はい。1,000円のを一枚ですね」
斜メ前田慶次「そんなにびっくりしないでくれよ。俺は最近デビューした芸人で、これから大沢温泉に営業に行くんだよ」
バス案内所職員「あら、そうだったんですか~。すごい恰好だから、びっくりして」
斜メ前田慶次「斜メ前田慶次って芸名で、戦国ギャグを持ちネタにしてるんだ。いずれテレビで見れるから、楽しみにしていてくれ」

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斜メ前田慶次「早馬は、あと15分くらいで来るな」
ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「何だよ。何か文句でもあるのか?」
ブログ主「喋り過ぎだ。全く、何がいずれテレビで見れる、だ」
斜メ前田慶次「いいじゃねえか。びっくりしてたんだしよ」
ブログ主「・・・しかしそれにしても」
斜メ前田慶次「何だ?」
ブログ主「駅前から出るバスですら、一時間に一本しかない。帰るときに気を付けないとな」

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 ・・・こうして、この日は遠野ではなく、大沢温泉へ向かうこととなったのであった。

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 ※大沢温泉へ向かうバスの車窓から。これまたのどかな風景が続き、眺めているだけで癒されました。

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斜メ前田慶次「・・・やれやれ、やっと着いたか。平成の世の早馬は道中でいちいち鳴き声上げて休みやがるから、時間がかかってしょうがねえ」
ブログ主「慶次よ、鳴き声ではなく、ブザーだ。途中で降りる人だっているんだから、しょうがないだろう」
斜メ前田慶次「さて、一風呂浴びて来るか!」
ブログ主「『自炊部』というところを訪れろ。その道を行ったところに下り坂がある。そこを下りるのだ」

続く
Date: 2013.09.08
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の参

 慶次はブログ主に促され、新花巻駅改札口のすぐ近くにある『そば&お休み処 イーハトーブの里 新花巻店』へ入店し、かけそばを注文した。戦国の世の恰好そのままの慶次の姿に店員は驚いたようだが、すぐに慣れたようであった。

店員「かけそば、お待ちしました」
斜メ前田慶次「どうも」

 差し出されたかけそばに七味唐辛子を二回ほど振り、いざ箸をつけようとしたところで、またもブログ主が慶次の頭の中に語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「何だよ、これから蕎麦を食べようってのによ」
ブログ主「七味をもっと振れ・・・」
斜メ前田慶次「何でだよ」
ブログ主「私は、いわゆる『駅そば』のかけそばには、七味をたっぷりとかけて食べるのが好きなのだ・・・」
斜メ前田慶次「知らねえよ。お前の好みなんざ。俺はこのまま食うからな」
ブログ主「ころしてでも しちみをふらせる」
斜メ前田慶次「な なにをする きさまー!」

 念力で慶次の右腕を操り、七味唐辛子の入った小瓶を掴ませるブログ主と、それを抑えるべく左手で右手首を掴む慶次の、必死の攻防が始まった。

斜メ前田慶次「くっ・・・! 俺の中から・・・! 出て行け・・・!!」
店員「・・・ひっ!」

 映画『もののけ姫』に登場するアシタカが、呪いによって暴走する自らの右腕を抑えるシーンがあるが、それと似たようなものだと思って頂きたい。ただ一つだけ異なることがあるとすれば、店員が明らかに引いていることであった。

斜メ前田慶次「・・・や、やめろ! やめるんだ!!」

 結局、ブログ主の強大な念力の前に、抵抗むなしく七味をたっぷりと振ることとなった。叫びながら七味を振る慶次の姿を見て、店員はどう思ったのであろうか。

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ブログ主「これくらい、振らないとな・・・」
斜メ前田慶次「振りすぎだろ! 辛くて食えなかったらどうすんだよ!!」
ブログ主「だがそれがいい」
斜メ前田慶次「実際に食う俺の身にもなれってんだよ」
ブログ主「それより、私の念力に下手に抵抗したり、叫んだりするな。端から見れば完全にキ〇ガイだ」
斜メ前田慶次「誰のせいだと思ってやがる」
ブログ主「ひとまず、それを食べて腹を満たせ。私は駅構内の観光センターで少し訊ねることがある」

 ※かけそば、普通に美味かったです。つゆまでおいしく頂きました。もし次に訪れる機会があれば、名物『賢治そば』を注文してみたいと思います。ちなみに私は店内で暴れておりません。あくまでフィクションです。

斜メ前田慶次「むう・・・七味をたっぷりかけるのも、悪くはないな」

 七味の効いた、やや辛めのつゆを飲みながら慶次が呟いたところで、観光センターから戻ったブログ主が、またも慶次の頭の中に語りかけてきた。

ブログ主「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「おう、もう出発か?」
ブログ主「まずいことがわかった。今日は遠野へ向かうべきではない」
斜メ前田慶次「一体どうしたってんだ?」
ブログ主「釜石線の本数が思いのほか少なかった。次の汽車が来るまで二時間は待たねばならん」
斜メ前田慶次「これだから、平成の世の早馬は駄目なんだ! 全くよお」
ブログ主「遠野へ着くのが午後四時近くになってしまう上に、カッパ淵までのバスがいつ来るかもわからん」
斜メ前田慶次「少しは計画練って来いよ・・・」
ブログ主「よって、遠野へは明日向かう。今日は日帰りで花巻温泉にでも行こう」
斜メ前田慶次「今まさにカッパに苦しめられている、遠野の民をどうすんだよ」
ブログ主「・・・プッ」
斜メ前田慶次「・・・なっ! 何を笑ってやがる!」
ブログ主「とにかく、花巻温泉へ向かうぞ。お前も合戦続きで疲れているだろう。温泉に浸かって身体を休めるがいい」

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斜メ前田慶次「・・・外に出たのはいいが、この後どうするんだ?」
ブログ主「花巻駅へ向かうバスがあと二十分ほどで来る。それに乗って花巻駅へ向かう」

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斜メ前田慶次「この13時17分発のバスか」
ブログ主「これに乗り遅れると、一時間半待つ羽目になる。絶対に乗り遅れるな」
斜メ前田慶次「もう面倒くせえから、そこに停まってるシータクで行こうぜ」
ブログ主「無茶を言うな。高いんだぞ。見ろ」

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ブログ主「花巻駅までで2,300円、花巻温泉までだと3,800円もかかるのだ」
斜メ前田慶次「ケチケチすんなよ」
ブログ主「実際に金を出す私の身にもなれ」

 ※ちなみに、バスなら花巻駅まで400円で済みます。複数人でワリカンできるならタクシーもありだとは思いますが、何しろ今回は一人だったので、バスで向かうことに決めました。

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斜メ前田慶次「客、俺以外にいねえじゃねえか。大丈夫なのか? 岩手・・・」
ブログ主「岩手県をディスるな。いいから車窓を楽しめ」

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 ※花巻駅まで向かう、約三十分ほどの間、のどかな風景が続きました。こういうのって良いですね。外の景色を眺めているだけで癒されました。また機会があれば乗りたいです。

 ・・・一方、その頃ドラえもん・零式は、町娘のおみよ、おこう、おまちの三人を部屋に連れ込み、宴を始めていた。

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  ヽ (__|____  / /
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おみよ「・・・何これー! 口の中で爆発した!」
ドラえもん・零式「爆発か、ハッハッハ。そういや、みんなビールを飲むのは初めてだったね」
おこう「にがーい!」
ドラえもん・零式「チビチビ飲むのも、味わうのもいけない。ビールってのは・・・」

 言うやいなや、ドラえもん・零式がコップのビールを一気に呷った。

ドラえもん・零式「・・・プハアッ!」
おまち「おおっ@@」
ドラえもん・零式「・・・こうやって、喉越しを味わうものなのさ! さあ、君たちも一緒に!」

続く
Date: 2013.09.07
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の弐

 慶次が東北新幹線の車内で弁当と缶ビールに舌鼓を打っている頃・・・戦国の世に取り残されたドラえもん・零式は一人、慶次の部屋で咽び泣いていた。

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ドラえもん・零式「・・・慶次君! 君がいなくなったら、僕はこれからどうすれば・・・!」

 時空の渦に飲み込まれた者が、元の時代に帰還する可能性は極めて低い。神隠しと似たようなものと言える。『タイムテレビ』での捜索を一度は試みたものの、すぐにやめた。捜しようがないからである。例えるなら、砂漠の中に落ちている一粒の砂金を捜すようなものだ。それに万が一発見したところで、迎えに行く手段がない。

ドラえもん・零式「・・・オロロ~ン!」

 ドラえもん・零式は絶望し、泣きに泣いた。ようやく涙が枯れ果てたところで突如、彼の心の中にある野心がもたげてきた。

ドラえもん・零式「慶次君がいなくなったということは・・・!」

 ドラえもん・零式は音を立てて生唾を飲み込んだ。

ドラえもん・零式「この屋敷は僕のものになったということになる・・・! そして、慶次君に代わって、僕が華々しく戦国の世にデビューすることも、可能になったわけだ・・・!」

 握りしめた両拳が、興奮で震えている。

ドラえもん・零式「きっと・・・きっと織田信長公が本能寺で討たれたことを知った羽柴秀吉も、こんな気持ちだったんだろうなあ・・・」

 にやけそうになる口元を手で隠しながら、一人呟いた。

ドラえもん・零式「この件は、前田慶次の仕業ということにしよう・・・そして僕は慶次君の弔い合戦として織田家と戦い、本陣武将を何とか討ち取って一気に家老になる。そしていずれは上杉家の頂点に・・・!」

 湧きあがってくる野心と興奮を抑えきれなくなった彼は、誰もいない庭へ向かって叫んだ。

ドラえもん・零式「・・・上杉家は僕のものだ!!」

 当然、応える者はいない。しかし彼は素早く次の行動を開始していた。

ドラえもん・零式「さっそく、近所の町娘たちを招いて宴を開かねば・・・! 僕の輝かしい前途を祝う宴を・・・!」

続く
Date: 2013.09.04
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 其の壱

 ・・・白いもやを抜けるとそこは、東京駅だった。

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斜メ前田慶次「・・・なっ!? 何だここは!?」

 普段の恰好そのままで東京駅に降り立ってしまった慶次。当然、周りから浮いた存在となっていた。明らかに慶次を避けて通り過ぎていく旅客もいる。しかし今の慶次に、そんなことを気にする余裕はない。

斜メ前田慶次「どうやら東京駅のようだな・・・新幹線が停まってやがる」

 状況から察するに、平成の世の東京駅のようだった。しかし何故、戦国の世の住人である自分がこんな所に立っているのか? これから一体、どうすればいいのか? どうすれば戦国の世に帰ることができるのか? 慶次は途方に暮れその場にうずくまったが、間もなく何かを思い出したかのように立ちあがった。

斜メ前田慶次「悩んでいてもしょうがねえ。とりあえず・・・」

 慶次は右腕を高らかに上げ、「ピロリロリローン♪」と呟きながらその場で一回転した。

斜メ前田慶次「東京駅を訪れた」

 戦国の世に生きる者が、初めての場所を訪れたときに行う例の儀式を自発的に行ったところで、頭の中に何者かが語りかけてきた。

???「慶次よ・・・」
斜メ前田慶次「な!? 何だテメエは!? 直接頭の中に語りかけてきやがって!」
???「私はお前の中の人だ。今から私の言うことを落ち着いて聞くがよい」
斜メ前田慶次「中の人ってこたあ、ブログ主か! こりゃあ一体どういうことだ!」
ブログ主「ひとまず、そこに停まっている『やまびこ55号』に乗車するのだ。詳細は後で話す」
斜メ前田慶次「お前は一体、俺をどうしようってんだ!」
ブログ主「早く乗れ。間もなく出発だ」

 言われるがまま『やまびこ55号』に乗車し、4号車の空いている座席に腰を下ろすと、何と目の前に駅弁と缶ビールが現れたのであった。

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ブログ主「これで機嫌を直すがよい」
斜メ前田慶次「・・・くそっ! 食べ物と酒で誤魔化す気か! そんな手に乗る俺だと思うか!!」

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斜メ前田慶次「う、うまそうじゃねえか・・・」
ブログ主「意地を張らずにさっさと頂くがよい」

 ※慌てて新幹線に飛び乗ったので、売り子のお姉さんに「弁当とビールを下さい」と言ったら、これを渡されました。空腹も手伝ってか、非常に美味しく感じました。朝から飲むビールも最高でした。

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 弁当とビールを完食した慶次が、中の人に訊ねた。

斜メ前田慶次「ところでよお、俺はどうして今、平成の世にいるんだ?」
ブログ主「お前を平成の世に呼んだのは私だ。今、お前は平成25年9月3日にいる」
斜メ前田慶次「やっぱりお前の仕業か。俺を一体どうしようってんだ?」
ブログ主「岩手県遠野市のカッパ淵で、カッパによる被害が出ている。お前はそれを討伐しに行くのだ」
斜メ前田慶次「やれやれ、たかがカッパに手こずるとはな。平成の世の人間はこれだからよお」

 ※今回は完全ノープランで、岩手県遠野市に行ってみることにしました。遠野の街と、カッパ淵は、実は以前からずっと行ってみたかった場所でした。

ブログ主「新花巻駅まで、あと3時間はかかる。ゆっくりと車窓を楽しむといい」
斜メ前田慶次「・・・二丹もかかるのかよ!? 戦国の世の早馬なら数秒で行けるぞ!」
ブログ主「丹時間で計算するな恥ずかしい・・・それと、お前の格好だが、明らかに浮いている」
斜メ前田慶次「誰のせいだと思ってんだよ」
ブログ主「もし誰かに『その恰好は何ですか』って言われたら、『地方に営業に行くんです』と答えろ」
斜メ前田慶次「やれやれ、俺は売れないお笑い芸人かよ」

 ・・・やがて一丹ほどが経過した頃だろうか。

斜メ前田慶次「・・・おい、この早馬の中で、煙管を吹かしてもいいのか?」
ブログ主「駄目に決まっているだろう。それができたのは数年前までのことだ」
斜メ前田慶次「あと一丹も我慢するのかよ!? 俺は耐えられんぞ!」
ブログ主「仕方のない奴め。仙台駅に着いたら喫煙所があるから、そこで思う存分吹かすがいい」

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 ※仙台駅のホームにある喫煙所。もはや関東では見ないスペースです。ある意味新鮮でした。長時間、新幹線に乗車する旅客のために残してあるんですかね。

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斜メ前田慶次「・・・まだ着かねえのか! 全く、早馬どころか遅馬だな!」
ブログ主「そもそも戦国の世の早馬が異常なわけであって・・・」
斜メ前田慶次「何を!? 戦国の世をディスる気か!!」
ブログ主「ぎゃあぎゃあ喚くと、お前を削除するぞ」
斜メ前田慶次「・・・くそっ! 汚ねえぞ!!」
ブログ主「1stキャラだから優遇されているだけであって、お前の生殺与奪は私が握っていることを忘れるな」

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斜メ前田慶次「やっと新花巻に着いたか・・・腰も肩も痛えし、だりいいいいい」
ブログ主「これから遠野へ向かう。ひとまずそこの蕎麦屋で腹ごしらえをするのだ」

 ※・・・ちなみにこの日、遠野へ向かうことはできませんでした。そして続く。
Date: 2013.09.04
Category: 信on
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慶次のみちのく一人旅の巻 序章

 この日。七尾合戦場から一時帰宅した慶次は、自室でドラえもん・零式を相手に缶ビールを酌み交わしていた。

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  |/ ── |  ──   ヽ   |  < ・・・僕はついこう言ってしまったね
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  ヽ (__|____  / /
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    l━━(零)━━━━┥

ドラえもん・零式「何でやねん、と・・・」
斜メ前田慶次「・・・だっはっはっは!!」

 ドラえもん・零式の語る『22世紀のスベらない話』で、慶次は合戦での疲労も忘れ、床の上で笑い転げていた。よく見ると、全身に打撲傷や切り傷の痕が多数あるが、時間とともに癒えていくだろう。

ドラえもん・零式「おっと、ビールを飲みきってしまっていた。井戸から取ってこよう」
斜メ前田慶次「おう。俺の分も頼むよ」

 慶次が残っているビールをぐいと飲み干すのを見届けながら、ドラえもん・零式は席を立った。井戸にはまだ10本以上の缶ビールが冷やされてあり、この宴は当分終わらないだろうと思われた。ドラえもん・零式は次のネタを思い出しながら井戸へと向かった。

 やがてドラえもん・零式がキンキンに冷えた500mlの缶ビールを2本、井戸から拾い上げたのと、慶次の悲鳴が部屋から聞こえてきたのは、ほぼ同時のことであった。

斜メ前田慶次「・・・なっ!? 何だ? こりゃあ!」

 異変に気付いたドラえもん・零式が、慌てて缶ビールを再び井戸の中へ放り込み、慶次のもとへ駆けつけるとそこでは、想像を絶する光景が広がっていた。

斜メ前田慶次「・・・くそっ! 何も見えん! ドラ!!」
ドラえもん・零式「・・・ゲエーッ! これは! 時空の渦!!」

 慶次の身体を『目』とし、白い竜巻が部屋の中を渦巻いていた。

斜メ前田慶次「何なんだ、こりゃあ! 一体何が・・・!!」
ドラえもん・零式「慶次君! 急いで脱出するんだ! さもないと・・・!」
斜メ前田慶次「・・・うおおおおおーーーー!?」

 やがて白い竜巻は、慶次の叫びとともに拡散し、部屋に再び静寂が戻ったのであった。慶次の姿が消え去っていることを確認したドラえもん・零式は、額に脂汗を滲ませながら、がっくりと膝をついた。

ドラえもん・零式「何てことだ・・・! 慶次君は時空の渦に飲み込まれてしまった・・・!」

 慶次を救うことができなかった自分を大いに恥じたが、もはやどうにもならない。

ドラえもん・零式「慶次君・・・! 君は・・・!」

 天井を仰ぎ見ながら、ドラえもん・零式が呟いた。

ドラえもん・零式「今、君は一体・・・いつの時代にいるんだい・・・!?」

続く
Date: 2013.09.02
Category: 信on
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プロフィール
信長の野望online真紅武田家で活動中 &相互リンク・無断リンク募集中です。

斜メ前田慶次

Author:斜メ前田慶次

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