細君帰省中につき、の巻

斜メ前田慶次「・・・テメエ! 何しやがる!」

 お盆休みの昼下がり。友人がおらず、仕事も無い慶次とドラえもん・零式は縁側で缶ビールを飲みながら世の中について語っていたが、ふとしたことから口論となり、我慢の限界を迎えたドラえもん・零式がとうとう先に手を出してしまった。ビンタしたのだ。

斜メ前田慶次「いきなりビンタするこたぁねえだろうが!」
ドラえもん・零式「君はどれだけ僕の心を叩いている!」
斜メ前田慶次「意味がわからん! 俺はただ、すき焼きは関東風に限ると言っているだけだ!」
ドラえもん・零式「このハゲーーーーーッ!」
斜メ前田慶次「ハゲてねえよ!」

 日頃のストレスも相まってか、ドラえもん・零式はすっかり酔っ払ってしまっており、まともに会話にならない。しかし酔っ払ってはいても、ドラえもん・零式は譲らなかった。すき焼きは関西風に限る、と。

斜メ前田慶次「関西風はすき焼きじゃねえ! ただの焼肉だ!」
ドラえもん・零式「違うだろ! 違うだろーーーーーーーッ!」
斜メ前田慶次「ああもう、大声出すな、ウゼエ! 久々の更新だってのによ! ていうかさっきからお前誰だよ!」

 当ブログにおいてDV(家庭内暴力)は、慶次がドラえもん・零式に対して行うことが多いと思われがちだが、実際は慶次が被害に遭うことが多い。私はたまに、ドラえもん・零式はサイコパスなのではないかと思うことがある。

ドラえもん・零式「ところで君は、今年のお盆は叔父さん(斜メ前田利家)のところに帰らなくていいのかい?」
斜メ前田慶次「さらっと話題を変えやがる・・・! やっぱりこいつサイコパスか・・・!?」
ドラえもん・零式「帰りたまえよ。そして、やることは・・・わかるね?」
斜メ前田慶次「ああ、わかってる。わかってるよ。岡崎からなら近いし、ひとっ走り行ってくらぁ」

 尾張の斜メ前田利家邸にたどり着いた慶次は、挨拶もせずにずかずかと部屋の中に上がり込むと、必死に抵抗する利家を浴室に引きずり込み、容赦なく氷水を張った浴槽にぶち込んだ。

斜メ前田利家「・・・あひゃひょわーーーーーーー!!」

 年老いた利家を浴槽にぶち込むのに、そんなに労力は要らなかった。そして浴槽から飛び出してきた利家を再び浴槽にぶち込んだ後に、全力ダッシュで逃走した。わき目もふらずに逃走した。それが、今年の夏の出来事だった。

 ・・・今日はお盆ということで細君が実家に帰っているため、久々の更新となりました。信オン復帰の目処は未だ立ってはいませんが、心は常に信オンとこのブログにあります。それでは皆様、良いお盆休みを。 ノシ
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Date: 2017.08.13
Category: 信on休止中
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友情の十字架! 四人連携・グランドクロスの巻

斜メ前田慶次「・・・ドラの野郎! 寝坊か、ふざけやがって!」

 この日は新しく家臣に加わった百道安の歓迎会を開くことになっており、その準備を朝早くから行う必要があったにも関わらず、ドラえもん・零式が寝坊して起きていなかったことに、慶次は激昂した。
 
斜メ前田慶次「このままじゃあ、間に合わねえじゃねえか! ちくしょう!」

 料理は僕が担当する。脳筋の君は酒と食材の買い出しを頼むよ。君の取り柄と言ったら体力だけなんだからと、ドラえもん・零式は昨日確かに言った。得意げに言い放った。そして買い出しにはついてこなかった。面倒臭かったからだ。

斜メ前田慶次「重てえ・・・」

 二人で買い出しに行けば一往復で済むところが、二往復することを余儀なくされたことを、慶次は一晩経っても根に持っていた。しかしそれでも仕事さえしっかりこなせば許すつもりでいたのだが、このまさかの寝坊にとうとう堪忍袋の緒が切れてしまったというわけだった。

斜メ前田慶次「職場放棄か、この野郎! 起きねえか!」

 乱暴にドラえもん・零式の部屋の引き戸を開き、布団に横臥しているドラえもん・零式を怒鳴りつけたところで、慶次は愕然とした。ドラえもん・零式のやつれっぷりにである。一目でわかるほどに、ドラえもん・零式はやつれてしまっていた。疲れ切っていた。

斜メ前田慶次「何て、疲れた背中をしてやがるんだ・・・」




『宗次郎 悲しみの果て Ocarina cover』

 ふと、慶次の両眼に熱いものが込み上げてきた。思えばドラえもん・零式が戦国の世に遭難することになってから、実に四年半が経過している。その間、彼は確かに色々やらかしてきた。慶次を困らせることもたびたびあった。だが、

斜メ前田慶次「それでもよ・・・それでもよ・・・」

 ドラえもん・零式にも長所はある。その生き方や考え方から学ぶところも多く、今となっては無二の親友と言っても過言ではないほどに、彼の存在は大きくなっていた。それに、今朝こそチョンボしてしまったが、普段は家事を頑張ってくれている。例え小遣いなしになっても、健気に頑張り続けている。

斜メ前田慶次「・・・ちくしょう! この世には、神も仏もいねえのか!」

 もういい加減、許してやってもいいじゃねえか。22世紀に帰してやってもいいじゃねえか! 慶次は溢れそうになる涙を懸命にこらえながら、天に向かって叫んだ。心の底から叫んだ。しかし現実は非情であった。助けがやってくる気配が全くないからである。唯一の肉親であるドラミ・零式も未だに動こうとはしない。どうしようもないというのが現状であった。

斜メ前田慶次「仕方ねえ・・・」

 慶次は硬く目を閉じ、静かにその場を去ることに決めた。寝坊したことくらい何だ。こいつの苦労に比べれば、歓迎会の準備が遅れることくらいどうということはない。いざとなれば、自分が料理をすればいい。せめて今だけは・・・今だけは寝かせておいてやろう。そう考えたのである。

 ドラえもん・零式が目を覚ましてしまわぬよう、努めて静かに引き戸へ手をかけたところで、慶次の心の中にとある疑問が生じた。それまでは完全にドラえもん・零式を寝かせておくつもりでいたのだが、先ほど涙が込み上げてきたときと同様に、ふと生じたのである。では一体それは何かというと、

「・・・このまま何もせず眠らせておいてやることが、果たして彼のためになるのか?」

 ということである。思えば彼と同居を始めてからというもの、幾度となく慶次は彼に対して警告を発してきた。危機感を持て。追われている立場であることを自覚しろと。慶次とて、彼が逮捕されて泣き叫ぶ姿を見たくはないのである。しかしそんな慶次の思いに対し、彼は決して生活態度を改めようとはしなかった。

 説教をしても、うるさそうに顔を背け、別の話題に転じてしまうのである。そればかりか慶次君は心配性すぎる。この広い日本で、たまたま僕と蝶野が鉢合わせることなどあるはずがない。それに、引っ越しも数回しているじゃないかと逆に慶次に説教を始めることもあった。

 こんなことではいけない。今のままではいずれ必ず捕まってしまう。蝶野の捜査員としての嗅覚は尋常ではないのだ。もし仮に・・・! もし万が一・・・! 先ほど部屋に入ってきたのが自分ではなく、蝶野だったらどうするのだ。呑気に惰眠を貪っている場合ではないはずだ。

斜メ前田慶次「もしも俺がお前なら・・・」

 引き戸を開いた瞬間に手裏剣が飛んでくる仕掛けを部屋に施し、引き戸のそばにはマキビシを巻いておく。そして刀を懐に抱いて眠る。もちろん、いつ異変が起こっても良いように神経を研ぎ澄まして、だ。いざという時のために、逃走経路を確保しておくことも怠らない。

斜メ前田慶次「やはりこいつは、いくさ人にはなれないのか・・・」

 しかし、諦めるわけにはいかない。何だかんだで慶次は彼のことが好きなのである。絶対にタイムパトロールに逮捕させるわけにはいかない。言葉で言ってもわからないなら、行動に示すのみだ。「男というものは、あまりしゃべるものではない。両の眼で静かに結果だけを見ていればよいのだ」とアタル兄さんも仰っている。行動あるのみである。

 慶次とて一端のいくさ人である。ここ数ヶ月、何か嫌な予感がしている。根拠はないが、追手が増えている気がしているのである。いくさ人の勘というものだろうか。タイムパトロール蝶野の存在だけでも厄介なのに、さらに増えてしまっては正直なところ、彼を守りきれる自信はない。今、どうしても彼の意識を一変させる必要がある。

斜メ前田慶次「やむを得ん・・・」

 慶次はその足で岡崎の両替所前まで出向き、食いっぱぐれている三人の屈強な男を金で雇った。わずかな時間しか働かせないにも関わらず、平成の世で言えば日当一万円という破格の待遇である。男たちは喜び勇んで慶次についていった。

「・・・それで、俺たちは一体何をすればいいんですかい?」

 男たちのうちの一人が、慶次に尋ねた。当然の疑問ではある。いくらギャラがいいとは言っても、命に関わるような危険な作業をするわけにはいかないからだ。そんな男たちの不安を解消すべく、慶次は矢継ぎ早に次々と単純な指令を下していった。それも歩きながら、男たちと目を合わさずに、である。

「・・・本当に、それだけでいいんですかい?」

 慶次は黙って頷いた。あとは行動に移すのみである。その後間もなく、慶次と三人の男たちはドラえもん・零式が眠りこけている室内に息を潜めていた。あとは慶次がゴーサインを出しさえすれば、男たちはいつでも指令どおりに行動することができる。

斜メ前田慶次「・・・いくぜ! 四人連携・グランドクロス!」

 瞬間、男たちが弾かれたように動き出した。前回とは異なり、今度は慶次もドラえもん・零式の身体に向かって突撃した。まずは二人の男がそれぞれ仰向けに寝ているドラえもん・零式の両腕を腕ひしぎ逆十字に固める。そして間髪入れず、

斜メ前田慶次「・・・むんっ!」

 慶次がドラえもん・零式に首四の字固めを極め、もう一人の男が両脚に八の字固めを極めた。上から見下ろせば、確かに十字架に見えなくもない。慶次はこの門外不出の連携技を”グランドクロス”と名付けていた。その効果は敵単体の生命力に絶大な継続ダメージ及び気合回復速度低下であり、今まで信オンでは発動させたことはなかったが、今後も発動させるつもりはなかった。

 何故なら、ダメージインフレが始まって久しい信オンにあっては、即時的な効果がないこと自体が致命的な欠陥であり、かつ垢バンの危険性もあるからである。あなたは仕様にない連携技に乗れと言われて乗れますか? 私にはその勇気はない。誰だってそうするだろう。あなただってそうするだろう。

ドラえもん・零式「・・・ん・・・ん?・・・」

 この期に及んでも、ドラえもん・零式は目を覚まそうとはしなかった。平和ボケしている証拠だと、慶次は考えた。慶次は即座に「きつくしろ」と三人の男に指令を出した。男たちは忠実に慶次の指令に従い、それぞれの技に力を込めた。魂を吹き込んだ。そして三十秒ほどが経過したところでようやくドラえもん・零式に変化が訪れた。目を覚ましたのである。

ドラえもん・零式「・・・んがっ!?」

 首四の字固めが完全に極まっているため、声を自由に出すことができない。そして四肢の自由も効かないため、身をよじることもできない。当然のことながらドラえもん・零式は恐慌をきたした。

ドラえもん・零式「・・・んんんんがぁーーーーーーーっ!!」

 意識がはっきりしてくるにつれて、四肢の関節の痛みの正体が何なのか理解できてきた。「極められている」と。

ドラえもん・零式「・・・んんーーーーーーーっ!」

 一体、何が起こっているというのか。自分の部屋で一人で寝ていたはずなのに、何故今、四肢の関節を極められているのか。何故、首四の字固めを極められているのか。ドラえもん・零式はわけがわからず、パニック状態に陥った。必死に身をよじり、声を上げ、この攻撃を回避しようとした。しかしそれは徒労に終わった。四人の屈強な男たちが全力で技を極めているからである。逃れられるはずがなかった。

ドラえもん・零式「・・・んぎいっ・・・!」

 痛い。苦しい。重い。怖い。そんな状態が数分続いたところで、ドラえもん・零式は何を思ったかすすり泣きを始めた。恐怖と苦痛がついに精神にまで作用したのだ。

ドラえもん・零式「・・・ふっ・・・ふぐっ・・・ふっ・・・うっ・・・!」

 既にドラえもん・零式は慶次の仕業だと理解していた。理解していたが、それ以上はどうしようもなかった。動けない。動こうとすれば激痛に襲われる。声を上げることもできない。この場はただ、四人の男に身を委ねる以外になかったのであった。

斜メ前田慶次「・・・どんな・・・気分だ・・・!?」
ドラえもん・零式「・・・!?」
斜メ前田慶次「・・・今・・・一体・・・どんな気分なんだ・・・!?」

 「気分もクソもあるか! 早くやめさせろ!」とドラえもん・零式は思った。思ったが、それを口にすることはとうとうできなかった。

斜メ前田慶次「なあ・・・ドラ・・・教えてくれ・・・ドラ・・・ドラよ・・・!」

 首を絞められ、かつ両手両脚の関節を極められながら目を覚ますというのは、果たしてどんな気分がするものなのだろうか。凡人の私には想像もつかない。本当に、想像も・・・ああッ! くそォッ! 一体ッ! どんな気分なんだッ! ああもうビクンビクンッ!

 ・・・一つだけ言えることがあるとすれば、心臓が悪い人には絶対にやらないであげて欲しいということである。下手をしたら発作を起こして死んでしまいかねないからだ。いいか、絶対にやっちゃ駄目だぞ。お兄さんとの約束だぞ!

ドラえもん・零式「・・・・・・」

 そして数分後。寝起きであるにも関わらず、ドラえもん・零式は意識を失った。ドラえもん・零式に完全に意識がないことを確認した慶次は三人の男に解散するよう命じ、その後ドラえもん・零式の身体に優しく掛布団を掛けた。風邪を引いてしまわぬように、という配慮であった。

斜メ前田慶次「・・・さて・・・料理を始めるとするか・・・!」

 たすき掛けをしながら台所に向かう慶次の両眼はらんらんと輝いていたが、料理らしい料理といえばねずみダシのラーメンくらいしか作ったことのないこの男が一体何を作るのか、この時点では誰にもわからなかった。

 ・・・四人連携・グランドクロスを書き忘れていたのでついつい更新してしまいましたが、今度こそ本当に完全休止します。それではまたいつかこの場所で・・・ ノシ
Date: 2017.02.16
Category: 信on休止中
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完全休止のお知らせの巻

 このたび、斜メ前田慶次のかぶいて候は完全に休止することを決めました。

 理由としては、依然信長の野望オンラインを満足にプレイできる状況になく、今後の見通しも立たないままであることが挙げられます。

 休止してから今まで、思い付いた妄想を書き連ねてきましたが、いつまでもこのままではいけない。どこかで区切りを付けなければならないと常に思っていました。

 とはいえ、信長の野望オンラインにはまだまだ未練がありますし、合戦場で前田慶次を倒すことを諦めたくはありません。ですのであくまで引退はしません。状況が整えば信オンもブログも再開するつもりでいます。

 しかしながら、思い付いた妄想を書きたいという欲求は収まりそうにないので、それについては別ブログでオフゲのプレイ日記を書くことで発散したいと思っています。オフゲであれば30分、いや15分プレイしただけでも何かしらネタは出来上がりますので。

 それでは、しばしの間休ませていただきます。ご愛読、真にありがとうございました。
Date: 2017.02.08
Category: 信on休止中
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昨日の敵は今日の友の巻・其の拾六

斜メ前田慶次「”天下無双の朱槍を伴に、斜メ前田慶次が岡崎見物に参ってそうろう~!”と叫ぶんだ。良いな」

 ここで拾丸が口を挟んだ。奇しくもその台詞は、四年前とほぼ同じであった。

拾丸「今さらですかい。確か仕官して4ヶ月は経っているような」
斜メ前田慶次「細けえことはいいんだよ」
百道安「・・・おい、待て。頼むからこれ以上・・・」
斜メ前田慶次「言うとおりにしなけりゃ、何度でもやらせるからな。回復を待って、何度でもやらせるからな」

 もし決められた台詞を言わなかったり、タイミングを誤ったりしたら、何度でもやり直させると慶次は言っている。道安は絶対に失敗できなくなった。これ以上ない生き恥をさらにかかなければならなくなるからだ。

百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「なあに。一回で成功させりゃあいいだけの話だ」
百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「自信を持て。お前ならできる。春日山のときも見事成功させたじゃねえか」

 道安は返事をせず、黙々と帯を解き、とうとう衆目の前にイチモツを露出させた。もはや抵抗する気力すらなくなっていたのだ。このとき群衆からは歓声やため息、笑い声、悲鳴など様々な音が漏れたが、道安の耳にはほぼ入っていなかった。イチモツを露出させた瞬間のことを、後に道安はこう語った。

百道安「何というか、全てを諦めて、感情・感覚が全くのフラットになっていて・・・何も目に入ってこなかったし、何も耳に入ってこなかった。こんなことは、今までの人生になかった。今でも不思議に思っている」

 また、岡崎に生まれ、岡崎の町家で何不自由なく育った、花盛りのある町娘は後にこう語っている。

町娘「あの人が下帯を外した瞬間に目を閉じたので、覚えてません。ですので、どんな気分だったなんて聞かれても・・・え!? 見てないです、本当に。ちょっとも見てないです。本当ですって。嘘なんかついてないですってば! ・・・え!? ですから! 気分なんて訊かれても困ります! 本当しつこいですね!」

 ・・・そして四半刻後。岡崎の群衆が見守る中、その瞬間はとうとう訪れた。

百道安「ハアッ・・・ハアッ・・・て・・・天下無双の朱槍を伴に・・・!」
斜メ前田慶次「・・・む! いよいよくるか!」
百道安「な・・・斜メ前田慶次が岡崎見物に参ってそうっ・・・ろっ・・・! ビクンビクン」

 道安は慶次の指図どおり、見事に果ててみせたのであった。

百道安「・・・ふっ・・・ふっ・・・ふううっ・・・」
斜メ前田慶次「・・・おい拾丸、こいつ本当にやり遂げやがったぞ・・・」
拾丸「あっしならまず起ちません・・・しかも春日山に続き、二回とも一発で成功させるとは・・・ある意味、脱帽ものです」
斜メ前田慶次「さすがに今回こそは途中で止めて、ひょうげ舞いをさせて勘弁してやろうかと思ってはいたんだが」
拾丸「!?」
斜メ前田慶次「あまりに一生懸命やるもんだから、つい、な・・・」
拾丸「以前にも言いましたけど、止めるなら早く止めてあげないと。あっしには、こいつにかけてやる言葉が見つかりません・・・」
斜メ前田慶次「馬鹿野郎、俺らが生きているのは何時代だと思っているんだ」
拾丸「へ!? そりゃ、言うまでもなく・・・」
斜メ前田慶次「だろう? だったら台詞はこれしかねえ。おい、道安」

 放心状態になっている道安の肩に優しく手をかけると、こう言ったものだ。

斜メ前田慶次「お見事です^^」

 その後、我に返った道安は泣いた。ひたすら泣いた。イチモツを隠すのも忘れ、ただひたすら泣き続けた。群衆が散開した後でも涙は止まらなかった。慶次と拾丸は動こうとしない道安をどうして良いかわからず、ひたすらもて余すこととなってしまった。

斜メ前田慶次「参ったな。このまま放って帰ってもいいんだが・・・」
拾丸「・・・え!? 今、放って帰ると仰いましたか!?」
斜メ前田慶次「こいつは俺の指示どおりに動いた。だから命だけは助けなきゃならねえ。こいつと約束したんだ」
拾丸「解放したら、またこいつは悪事を働きますよ! また罪のない人が大勢苦しむことになりますよ!」
斜メ前田慶次「とはいえ、斬ることはできん。困ったな。拾丸、何か良い知恵はないか」
拾丸「ここで提案なんですが・・・こいつを家臣に加えるってのはどうでしょう?」
斜メ前田慶次「お前は何を言っているんだ」
拾丸「あっしらが目を光らせている限り、こいつは悪事を働くことはできません」
斜メ前田慶次「こいつは百道安だぞ! こんな奴を家臣にだと!? 正気で言っているのか!?」
拾丸「こいつの犯罪被害者が多く生まれたのは、旦那がこいつを放っておいたからです。旦那にも責任の一端はあります」
斜メ前田慶次「・・・おいおい! 勘弁してくれよ!」
拾丸「こいつを更生させ、罪を償わせることは、旦那の義務です。いいですね」

 ・・・というわけで。

2017011901.jpg

 とりあえず家臣にしてみました。予定としては鎧鍛冶にするつもりです。いずれその汚れた手で、皆さんの装備を簡易修理することになるでしょう。それでは今日はこのへんで。
Date: 2017.01.19
Category: 信on休止中
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昨日の敵は今日の友の巻・其の拾伍

百道安「わ・・・わかった! す・・・する!!」

 もはやどうにもならぬと理解したか、道安はようやく袴の帯に手をかけた。

斜メ前田慶次「帯を解きながらで良い。見よ、道安」

 言われるがまま、慶次の指差した方向へ目をやると、その一画に設けられた屋台群が商品の価格を急遽半額に下げ、懸命に客の呼び込みを始めていた。おそらく、もう間もなく道安のショーが終わると見込んだのだろう。

 終わってしまえば、ここ岡崎両替前に集った群衆が散開することは必至であり、もし商品を売り残してしまえばそれは即ち不良在庫となる。屋台の店主たちにもそれぞれ生活があり、絶対に売り残すわけにはいかなかったのだ。道安の他にも、必死な者たちがそこに確かに存在していた。

百道安「くそっ・・・! 人の不幸に乗っかって商売しおって・・・!」
斜メ前田慶次「お前すげえな」
百道安「何がだ」
斜メ前田慶次「屋台は呼ぶし、帯に手をかけただけであの慌てようだ。お前、ある意味すげえよ」
百道安「・・・呼んでないわ! そもそも、どうして屋台が出てるんだ! おかしいだろ!」
斜メ前田慶次「どんな気分だ?」
百道安「気分も、クソもあるか! 貴様、頭がおかしいのではないか!?」
斜メ前田慶次「まあ、百利休の御子息様が清水の舞台から飛び降りようというんだ。当然、出るだろう」
百道安「・・・なあ、頼みがある」
斜メ前田慶次「今さら何だ」
百道安「ひょうげ舞というわけには、どうしてもいかないのか」
斜メ前田慶次「駄目だ」
百道安「千道安は、ひょうげ舞だったんだろう! どうして私は自慰なんだ! どうして私は自慰でなければならないんだ!」
斜メ前田慶次「それが千道安のバッタモノである、お前の宿命だからさ」

 道安は最後の望みを託し、群衆に助けを求めた。もしここから自分を救い出してくれたら、金はいくらでも払う。仕事がない者には仕事も紹介する。女だって紹介する。頼む、助けてくれと、道安は懸命に群衆に呼びかけた。しかしその反応は冷ややかだった。そればかりか「モタモタするなー!」「早よやれー!」などと様々な野次が飛んでくる始末で、道安は自分の人望のなさを痛感させられることとなった。

斜メ前田慶次「お前は色々な者から恨みを買っている。まさに自業自得ってやつだ」
百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「親の威光を借り、金で無頼者を雇い、弱い者いじめを散々やってきた結果がこれだ」
百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「お前にとっては、ヤンチャのつもりだったとしても、傷つけられる側にとってはヤンチャでは済まされねえんだよ」
百道安「・・・・・・」
斜メ前田慶次「わかったら、やれ」

 放心したように淡々と帯を解く道安に、慶次はさらに追い打ちをかけた。

斜メ前田慶次「お前よ。前回もやったことだから、詳しい説明はいらねえだろうけどよ」
百道安「何だ・・・」
斜メ前田慶次「イク前にだ」
百道安「!? ま、まさ・・・か・・・!」
斜メ前田慶次「”天下無双の朱槍を伴に、斜メ前田慶次が岡崎見物に参ってそうろう~!”と叫ぶんだ。良いな」

続く
Date: 2017.01.10
Category: 信on休止中
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信長の野望online真紅武田家で活動中 &相互リンク・無断リンク募集中です。

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